平成7年1月17日未明(午前5時46分)未曾有の大震災が、神戸市、西宮市をはじめとする阪神・淡路島一帯を襲った。マグニチュード7.3、震度7の大地震で、後に「阪神・淡路大震災」と命名された。
6,000名を超える方々の命を奪い、多くの家屋・ビル・道路・港湾施設に大打撃を与え、今なお復興の影に隠れた爪跡には厳しいものがあります。そして、その時の記録や映像は、防災について全国の自治体関係者・防災担当者に多くのことを物語っています。
私も旭区長として着任以来、常に心の奥底にあるのは、もし、旭区が大震災に襲われたそのときに、旭区災害対策本部長として適切に対応策を遂行できるのかどうかということです。
言うのは簡単ですが、実際その時に、冷静に、正しく対応できるかどうかは、発生時点の状況如何もあって予測は難しいのですが、何はともあれ、まずは日頃からの訓練と準備と心構えが大切であり、そういう意識付けを常に持っていることが何よりも必要と考えています。
今までの旭区災害対策本部としての訓練は、事前に震災の規模、発生日時を仮定し、それに基づく被害状況を想定した中で、シナリオを前もって作成しておき、そのシナリオ通りに訓練が進行するかどうかを検証するというものでした。いわゆる展示型震災訓練といわれるものです。
この訓練も重要な訓練であり、組織的・系統的大規模な訓練には欠かせないもので、十分にその効果を有しますが、実際の震災時には、想定していない状況や予想外のことが当然に起こり得るのであって、そうした時こそ、災害対策に従事する職員の判断力・分析力・柔軟さが求められ、場合によっては、苦渋の選択をせざるを得ない場合があり得ます。
本年1月17日PM8:00から放映されたNHKの「阪神・淡路大震災 秘められた決意」の中では、阪神・淡路大震災の折の神戸市の消防士の方の、目の前の倒壊した家屋の中の人を救出するのか、または火災現場の火災を鎮火することによって多くの人の命を救うのか、どの命を優先して救うのか、少人数の部隊で救助用機材も十分でない中で、どちらの行動をとるのか、どちらかしか行えない、そして組織的な情報も体制も無い中での、どちらかを選択せざるを得ない究極の選択を迫られた消防士の苦悩が描かれていました。
現実の震災のなかでは、予想された内容ではなく、想定外の事象が続発することと思われます。そうしたことへの訓練の一つとして、ロールプレイング方式による実践型災害訓練があります。
本年の1月16日午前7時から2時間にわたって旭区災害対策本部の設置・運用訓練を行い、事前のシナリオと関係なく災害発生時に予想される事案や状況等が次々に進行管理者から参加者に対して付与され、それに対し参加者がその都度意思決定や役割行動を回答していくという訓練を行いました。事前のシナリオが全くありませんから、もたらされる情報・状況によって判断し、対応していかなければなりませんので、臨場感あふれる訓練になりましたが、課題も多く見つかりました。
こうした訓練を重ねることによって、旭区災害対策本部の機能強化を目指していきたいと考えています。
平成21年3月1日
旭区長 岡田 文秀
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