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職員ひとりごと(38) 盆踊りは「心の故郷」

[2008年8月1日]
 毎日うだるような暑い日々が続いています。夏は暑くて当たり前ですし、その方が夏は夏らしい季節感があって、消費を通じて経済にも良い影響を与えるのでしょうが、それにしてもたまらないような猛暑日の連続です。区民の皆様に猛暑お見舞い申しあげます。
 さて、夏の風物詩といえば盆踊りと花火です。
 旭区におきましても、各地域ごとに盆踊りが行われています。私もご案内を受け、参加させてもらっていますが、夜風に吹かれるちょうちんの灯火(ともしび)、やぐらから流れてくる河内音頭や江州音頭、そして子ども向けの「ドラえもん音頭」や「アラレちゃん音頭」、薄暗がりの中で踊る浴衣姿の美しさ、地域によっては夜店があり、焼きそばやおでんのにおい、そして冷たいビールのおいしさ、会う人ごとに「やあやあやあ」の掛け声とあいさつ・・・。
 老いも若きも、男も女も、地域のみんなが一体となって公園へ、盆踊りの会場へと人が動いていきます。とりわけ子ども達のはしゃぎ様といったらありません。
 一言で言うと盆踊りは地域の「こころの故郷(ふるさと)」だと思います。盆踊りは子ども達にとって楽しい夏の思い出の一つですし、保護者の手に引かれて行った盆踊りの風景は小さな子ども達の頭と心に強く刻み込まれ、いつまでも故郷の思い出として、一生にわたって郷愁として残っていくことと思います。
 その子が大人になり、社会人となり、結婚して、学ぶ場所、働く場所、住む場所が仮に旭区以外だとしても、東京かも知れない、札幌、あるいは福岡かも知れない、しかし、その子にとっての「こころの故郷」はいつまでたっても旭区の幼い頃の思い出である盆踊りです。
 心に故郷を持っている人間は、仮に人生の過程のなかでいろいろな試練に遭ったとしても、社会的なつながりのなかで強く生きていけます。
 今年に入って、いわゆる「被害者は誰でもよかった」というようなむごい通り魔事件が続発しています。誰もが、あまりに悲惨な結果に「何故こんなことに・・・」と言葉をなくし胸をつまらせてしまいます。加害者の心象風景は想像だにできませんが、やもすれば地域社会の連帯が薄れつつある現代社会がそうした事件の背景の一つかも知れません。
 そういうわけで「こころの故郷」を持つことは、人間形成のうえでも極めて大切なことと思います。
 盆踊りを実施しようとすると、準備や後片付け、経費の工面、歌い手の確保、参加の呼びかけやPR、そして当日の警備など大変な労力を要するわけですが、実施することにより地域コミュニティ、連帯感の形成など、大切なものがいっぱい生まれます。何よりも子ども達の心の中に温かな「故郷」を芽吹かせることができます。
 「今日の盆踊りの風景は一生子ども達の心に残っていくだろうな。そして生まれ育った旭区を故郷として育っていってくれるはずだ」と思いつつ、盆踊りを楽しませてもらっています。
 地域の皆様、いつもながらご苦労様です。

平成20年8月1日
旭区長 岡田文秀

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