区長退任にあたって(5年間ありがとうございました)
現在、大阪市では新たな市政改革の方向性として、「地域から市政を変える」という大きなテーマを設定し、そして、そのことを市政改革の考え方の基本であり、根底にあるものとして打ち出しています。
「新たな市政改革の基本的な考え方について(案)」が市政改革検討委員会から昨年に出されていましたが、本年2月にはその「新たな市政改革の基本的な考え方について(案)」を深化させ、よりわかりやすくした形で「新たな市政改革の骨子(案)」が市民の皆様に提案されました。背景にあるものは、大阪市の深刻な財政状況であることは間違いありませんが、単に歳出カットや事業の再編、再構築を打ち出しているだけではなく、今までの大阪市の行政の枠組み(パラダイム)を変えようとする意気込みを感じさせる内容となっています。
その枠組みを変えることの一番端的な例が「地域から市政を変える」というキーワードだと考えています。「地域から市政を変える」とういう発想は今までの大阪市になかったものであり、地域に住み、地域社会を構成し、日々の活動の大半が地域で行われている私たちにとって、魅力的な発想だと考えています。
「シンクグローバル アクトローカル」という言葉があります。思考や考え方は世界的に広い視野で、行動は地域の中で、という考え方ですが、その考え方が拡がりつつあります。これも地域社会の重要性を謳ったものであります。「地域から市政を変える」ためには、区役所の役割と働きが重要になります。区役所が地域社会のニーズをくみとり(そういう感性を職員が持ち)、課題や解決策を地域とともに考え行動する。端的に言えば区役所が地域社会と市役所とのコーディネーターになるということだと思います。そのコーディネート役は市役所との間だけでなく、府や国を含めた行政一般であったり、企業であったり、地域社会の構成員の内部である場合もあるかもわかりません。
今回「新たな市政改革の骨子(案)」で提言されているのは、「地域から市政を変える」ための仕組みづくりです。その仕組みは、現在の校下社会福祉協議会に類似した組織ですが、市政改革検討委員会の議論のなかでは(仮称)「地域協議会」として提案されていましたが、なおかつ検討が必要として、今回の骨子(案)ではその表現は使われていませんが、その意味するところや考え方は変わっておりません。(詳しくは「新たな市政改革の骨子(案)」をご覧ください)
私は、平成17年4月1日に旭区長として就任し、5年を経過しようとしています。本年3月末をもって定年により退職となりますが、この5年間はいわば激動の5年間でした。大阪市にとって市政改革・区政改革の大きな変革の時期であり組織や職員にとっても激動の渦のなかにいたと言っても過言ではありません。大阪市や区役所に対する批判の嵐が、制度やその運用面に関して行われ、様々な改革が行われました。職員の不祥事もありました。
現在の旭区役所は従前と比べて、市民サービス面は格段に良くなったと、お褒めの言葉をいただけるようになりました。区民の皆様の信頼に価する区役所であることが、我々の存在理由です。
旭区は素晴らしい地域です。犯罪や交通事故も少なく交通の便も良く安全で住みよい地域です。商店街もあり、医療環境にも恵まれ、淀川やワンド群、城北公園や新森中央公園など自然環境も豊かです。区民センター、図書館、芸術創造館、城北市民学習センターなどがあり、それぞれ充実した施設と活動内容を有しています。何よりも地域コミュニティが形成されていて、住む人々の心の温かい「あったかなまち」です。例年の区民まつりやスポーツフェスティバルも大いに盛り上がります。子ども達の見守り活動や生涯学習活動も活発です。NPOやボランティアさん達の活動の素晴らしさは言葉にあらわせません。各校下での地域ネットワーク委員会による「ふれあい喫茶」や高齢者食事サービスもあり、そのほかの地域活動も大変盛んです。
私はこうした旭区こそ「地域から市政を変える」のモデルになり得る区にふさわしいのではないかと考えています。大きな枠組みをつくるということになりますので、そう簡単にはいかないと思いますが、5年後、10年後そういう地域になって欲しいと願っています。
5年間多くの区民の皆様に支えていただいて、ここまでこれたという感謝の気持ちで一杯です。
全ての区民の皆様のご健康、ご多幸と旭区の発展を祈りつつ、旭区長としての退任のあいさつとさせていただきます。
5年間本当にありがとうございました。
平成22年3月15日
旭区長 岡田 文秀
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