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多文化共生講演会「世界の紛争地や辺境の地で、私が出会ったこどもたち」

[2010年3月1日]

厳しい現実の中にあってたくましく生きる子どもたち、生きることの意味とは…

   平成22年2月23日(火)午後2時から中央区民センターにおいて写真家の長倉洋海(ながくら ひろみ)さんを講師に招き、講演会「世界の紛争地や辺境の地で、私が出会ったこどもたち」が開催されました。

    この講演会は、中央区人権啓発推進協議会と中央区生涯学習区民会議が多文化共生講演会として催したもので、当日は会場いっぱいの250名もの来場者が集まりました。


世界の紛争地や辺境の地を精力的に取材して、子どもたちの生きざまや暮らしを写真として記録してこられた長倉さんは、約70枚の写真をスクリーンで紹介しながら、厳しい現実の中にあって力強く生きる子どもたちのたくましさや、生きることの意味を私たちに情熱的に語ってくれました。

長倉さんのお話の概要


私は世界各地で子どもたちや大人、人々の生活の写真を撮ってきました。どこに行っても子どもたちが目に飛び込みます。心を開いてくれた子どもたちと付き合い、写真を撮ります。


僕も子どもだったからこそ、今、目の前にいる子どもたちの気持ちに近づけます。自分の持っている垣根を低くすることで、子どもと同じ高さに立てます。相手を好きになり、あなたを撮りたいと思うと、その気持ちが相手に伝わるのです。







斜めになった机で、
 中腰で勉強するコソボの子どもたち

    子どもたちの写真を撮っていると、子どもなのに大人に見えることがあります。子どもと大人は、いつから大人というのはありません。成人式というのがありますが、20歳になるから大人になるのではありません。

    大人と子どもは一緒に生きていくものなのです。

    日本の社会では子どもの姿はほとんど見えません。子どもは子どもの世界に閉じ込められています。大人はつらいとき、子どもの元気な姿を見て元気づけられます。また、子どもは大人からさまざまなことを学びます。子どもと大人が一緒に生きていくことが大事なのです。







                 黒板を見上げるゼケルラーは
                  アフガニスタン山の学校の2年生

    アマゾンのクリカチ族の村では、子どもは13、4歳になると外界と切り放され、一年近く孤独に耐える通過儀礼があります。そこで子どもたちは大人から自分たちの民族の由来などを学び、村や人々の未来を考えるようになるのです。

   エル・サルバドルの子どもたちは小さいときからまちで働き、母親と一日を過ごし、仲間たちと助け合うことを教えてくれる市場でいろいろなことを学びます。人生を支えるもの、乗り越えるもの、それは家族であったり、友達であったりしますが、それを見つけていく過程こそが生きていくということです。今の日本の子どもたちは引っかかりのない人生を送っています。

    子どもに答えは必要ありません。子どもはいろいろな疑問を残しながら、さまざまな経験をし、答えを見つけたとき、人生はいいもの、楽しいものという発見があるのです。そこに人生の厚み、面白さがあるのであって、疑問は疑問のままでいいのです。心にたくさんの引っかかりがあり、反発があり、それがあっていろいろな旅をして還っていきます。






伝統的な踊りの練習をする
 クリカチ族の子どもたち
  -ブラジル・アマゾン-

    私が長年にわたって取材してきたエル・サルバドルのへスースは「私は難民キャンプで育ったことを誇りに思っている。ここは、私の人生の思い出がたくさん詰まった宝石箱なの」と笑顔で話してくれました。

    紛争地や辺境の地の厳しい暮らしや労働に自分自身を失わず生きる子どもたち、決して微笑を忘れない子どもたちの姿から私たちはいろいろなことを学ぶことができるのです。








                   1歳の娘を抱き上げる
                    ヘスース(エル・サルバドル) 
              

参加者の声

・子どもたちのきれいな瞳に未来を感じた。生きてよかったと思える社会を作るのは私たちおとなの責任だと思います。(60代・女性)

・さまざまな国の人たちの生き方を写真で分かりやすく説明してくれたので大変良かった。彼らは辛いことをたくさん経験しているけれども、その分僕らよりも感動の多い人生を歩んでいるのではないかと思いました。(20代・男性)

・貧しく厳しい生活の中での子どもたちがそれでも精一杯生きているのが分かり、生きることの意味を考えさせられました。(50代・女性)

・世界の実情、特に紛争地の苦悩を理解できた。わが国の平和が一層ありがたいと思いました(70代・男性)

・長倉さんの人が好きということが伝わりました。子どもたちの厳しい現実の辛さ、でも笑顔がとても良かったです。(60代・女性)

長倉 洋海さんのプロフィール


世界の紛争地を精力的に取材し、中でもアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードやエル・サルバドルの難民キャンプの少女へスースを長いスパンで取材し続ける。
写真集「マスード愛しの大地アフガン」で第12回土門拳賞を受賞。2006年にはフランス・ペルピニャンの国際フォト・ジャーナリズム祭に招かれ、「マスード敗れざる魂」を開催し、大きな反響を呼んだ。紛争地を中心に子どもたちの微笑みの写真にエッセイを加えた「きみが微笑む時」、シルクロードをテーマにした写真集を2009年発刊。最新刊には写真家30周年を記念した「地を駆ける」がある。2004年、テレビ放映された「課外授業・ようこそ先輩『世界に広がれ、笑顔の力』」がカナダ・バンフのテレビ祭で青少年・ファミリー部門の最優秀賞「ロッキー賞」を受賞。

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