もっと知りたい あべの発見!7つのあべの物語
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13大型の竪穴住居のまわりの溝に接して掘られた土壙どこう(穴)からは、赤色顔料のついた土器が出土しました。土器は、口径16・8㎝、器高9・4㎝の鉢です。器面はナデで仕上げられており、底には製作時に粘土の接着を防ぐために敷かれた木の葉の痕あとが残っています。赤色顔料は水銀朱の可能性が高く、内面全体と外面に点々と付着しています。出土状況から、朱を入れる容器として使われた後、捨てられたものと思われます。水銀朱は古代中国では不老不死の薬として重宝されていました。日本でも、弥生時代〜古墳時代に、朱は葬送そうそうを含めた祭祀さいしに使用されたことが知られています。墓の中に朱を入れた土器を納めたり、遺体の周りに朱を撒まいた例が数多く報告されています。しかし、住居跡から朱を入れていた土器が見つかることはまれです。では、どうして住居跡から出土したのでしょうか。住居の大きさは、それを解明するひとつの手がかりになると思われます。弥生時代後期〜古墳時代前期の畿内における竪穴住居の平均面積は30㎡前後ですから、約80㎡もあるこの住居はかなり大きいといえます。このような大型の住居は、例えばムラの有力者の住居、あるいはムラ全体の共同施設など特別な意味あいをもった建物であったことが考えられます。もしかしたら、朱を使った祭祀を司る人が住んでいたのかもしれません。復元された土器【竪穴住居の炉】中から焼けた粘土塊、土器の破片が出土しました。大型の竪穴住居跡内面に赤色顔料が付着した鉢

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