大阪の経済2017年版
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Ⅰ-5 需要面の構造Q.大阪市の支出側の内訳の経年トレンドは?A.“民間最終消費支出”の割合が増加基調にある一方、最大の特徴である“財貨・サービスの移出入ほか”は減少基調 市内総支出としての需要面からの特徴をみると、大阪市は卸売業など域外取引により経済規模を拡大する広域中枢都市であることが最大の特徴であり、“財貨・サービスの移出入ほか”の割合が他都市と比較して突出して高いことがそれを示している。そのため、内外の経済動向の影響を受けやすく、長引いた全国的な不況のもと、大阪市経済は勢いを欠く状況となっており、また、企業流出もあり、“財貨・サービスの移出入ほか”の割合は減少基調となっている。しかし、最近は大型テーマパークの活況や外国人旅行者の増加などにより対個人向けの移輸出型消費が増加しつつある。 他方、市民の消費力を示す“民間最終消費支出”の割合は、2000年以降続いている人口・世帯の増加により緩やかな増加基調で推移した。12年以降、主要ターミナルでは大型商業施設の新・増設が相次ぎ、13年には09年以降の最大となった14Ⅰ大阪市の経済構造〈概況〉・外需に相当する“財貨・サービスの(純)移出入ほか”の割合が突出して大きいが、近年は、縮小基調となっている・市民の購買力等を表す民間最終消費支出の割合は、他都市に比べ小さいが、人口の増加などにより増加基調・民間企業設備資本形成の割合が他都市に比べ大きく、企業の投資活動に支えられたビジネス都市の特性がある〈大阪市の基礎データ〉 市内総生産の支出側の内訳(名目)民間最終消費支出:6兆7,803億円政府最終消費支出:2兆1,138億円民間住宅資本形成: 3,026億円民間企業設備資本形成:2兆3,480億円公的資本形成:   2,588億円財貨・サービスの移出入ほか:6兆9,326億円市内総支出(市場価格):18兆7,361億円資料:大阪市「大阪市民経済計算」2013年度

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