大阪の経済2017年版
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Q.大阪市の卸売業の特徴は?Q.大阪市の卸売業の長期的な傾向は?A.かつては全国の流通の中心地であったが、地位の低下が続いている。しかし、依然として関西圏等における流通の中枢機能を担っている 繊維製品、機械工具などの卸売企業がそれぞれ特定地区に集中立地し「問屋街」を形成して発展した歴史があり、全国の流通の中心地として1960年には全国の販売額の約3割を占めていたが、繊維産業の衰退や、大手総合商社の東京移転などで全国的地位の低下が続いている。 直近の業種別販売額では、化学製品、電気機械器具、鉄鋼製品などの販売額が多くなっている。繊維品、衣服は、販売額の全国シェアがそれぞれ5割弱、2割強と引き続き高い割合を占めている。 また、卸売業の集積度を図る指標である中心性比率は2012年、13年と下降するも、高水準を保っているA.事業所、従業者数、販売額ともに減少基調 事業所数、従業者数は、長期に渡り減少基調。販売額は、大幅減となったリーマンショックからの回復が全国よりやや遅れており、全国シェアは低下傾向。しかし、大阪市景気観測調査では、黒字企業が赤字企業を5年連続で上回る状況Ⅱ-2 卸売業34Ⅱ大阪市の産業動向〈概況〉・販売額では、リーマンショック後の回復が全国よりやや遅れている・業種別販売額では、歴史的に集積の厚い繊維品と衣服で、依然高い全国シェアを誇る・卸売業の集積度は高く、関西圏などにおける流通の中枢機能を担っている〈大阪市の基礎データ〉( )内は全市に占める割合事業所数:2万3,765ヶ所(12.5%)従業者数:31万2,068人(13.8%)販売額:30兆8,055億円/年生産額(付加価値額):3兆6,849億円(21.2%)資料:事業所数、従業者数は総務省「経済センサス-基礎調査」2014年、販売額は経済産業省「商業統計調査」14年、生産額は大阪市「大阪市民経済計算」13年度

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