大阪の経済2017年版
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Ⅱ-3 小売業Q.大阪市の小売業の特徴は?Q.大阪市の小売業の長期的な傾向は?A.市域外の商圏需要を取り込んで活発、需要吸引力は全国で最高水準 大阪市の小売業は、大阪市民だけではなく、大阪都市圏や訪日外国人を含めた観光客の需要に広く応えており、市域外の需要吸引力は東京都区部や名古屋市を凌ぎ、全国の大都市の中で最高の水準を維持している。近年、梅田や天王寺・あべのエリアにおいて、駅直結型や駅前・駅周辺型の商業施設の立地が相次ぎ、今後も拡張計画が予定されるなど、勢いを増す見通しであるA.長期的に小規模店舗の減少が続いているが、大型店は好調を維持 事業所数は長期の減少基調から直近では横ばいに転じた。従業者規模別では4人以下の規模で依然、減少。販売額と生産額は直近は回復に転じた。 百貨店は、2011年以降、開業やリニューアルによる増床が相次ぎ、販売額は、訪日外国人の急増もあって、全国を上回る増加ペースで推移したが、16年は訪日外国人の購買行動の変化や、リニューアル工事着工に伴う減床などにより減少に転じた。他方、スーパーは、人口増加が持続していることを背景に、積極的な出店が相次いでおり、販売額は全国を大きく上回る増加基調。15年以降は出店ペースが緩みつつあるが、堅調な状況が持続している。 このように活況を呈する小売業であるが、一方で、求人需要の増加に対して充足率は低水準にあり、人手不足が慢性化している40Ⅱ大阪市の産業動向〈大阪市の基礎データ〉( )内は全市に占める割合事業所数:2万8,709ヶ所(15.1%)従業者数:23万4,561人(10.3%)販売額:3兆9,893億円/年生産額(付加価値額):1兆1,108億円(6.4%)資料:事業所数と従業者数は総務省「経済センサス-基礎調査」2014年、販売額は経済産業省「商業統計調査」14年、生産額は大阪市「大阪市民経済計算」13年度〈概況〉 ・持続的な人口増加や、近年、増加している訪日外国人を背景に、百貨店、スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア等の販売額は全国の増加ペースを上回って推移したが、2016年は勢いが陰りつつある・一方で、新規求人に対する充足が追いつかず、人手不足の慢性化が続いている

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