ラルフ・シュライフォーゲル氏による講演会と高校生デザイン・ワークショップ

これらの講演会・ワークショップは終了しました

ラルフ・シュライフォーゲル氏による講演会と高校生デザイン・ワークショップ

 大阪市では、中之島4丁目に近代美術館の整備を計画しており、すぐれたコレクションの形成につとめるとともに、展覧会やイベントを数多く開催してきました。このたびの講演会ならびにワークショップは、美術館開館後の多様な活動を先取りするものとして、また整備に向けての機運醸成のために開催するものです。講師に、東京での個展開催のために来日するスイスのトップデザイナーであるラルフ・シュライフォーゲル氏をお迎えし、タイポグラフィ(注)をはじめとするスイスのグラフィックデザインの動向を紹介していただきます。

 講演会は一般の市民・デザイン関係者を対象に大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で開催するもので、タイポグラフィの輝かしい伝統を持つスイスのグラフィックデザインの最新事情を紹介していただきます。スイスのグラフィックデザインを理解する助けになるばかりでなく、世界の最前線で活躍するデザイナーの視点を知る機会となることでしょう。

 ワークショップは大阪市立工芸高等学校の生徒を対象に同校で実施するもので、未来のデザイナーをめざす大阪の高校生たちが世界の最前線で活躍するデザイナーであるシュライフォーゲル氏と接することで、日常の学習では得ることのできない貴重な経験を得ることが期待されます。

(注…タイポグラフィ=文字をデザインすること。あるいはデザインされた文字のこと。)

〔写真〕シュライフォーゲル氏肖像と氏のポスター作品
作品は右上より時計回りに《Cinemafrica 1991》《Communicate》《NY》

 

一般向け講演会 「スイス・グラフィックの変革」

◇講師: ラルフ・シュライフォーゲル氏(グラフィックデザイナー)

◇日時: 2010年8月9日(月) 午後7時~8時30分

◇会場: 大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室

◇主催: 大阪市立近代美術館建設準備室、財団法人大阪市博物館協会

◇協力: 財団法人DNP文化振興財団

◇後援: スイス大使館

 

高校生デザイン・ワークショップ 「デザインアイデアの見つけ方」

◇内容:
生徒たちが自分の創作物をじっくり観察し、思い描いた効果が得られたかを客観的に判断することを学ぶのが目標です。

◇講師: ラルフ・シュライフォーゲル氏(グラフィックデザイナー)

◇日時: 2010年 8月9日(月)午前10時~午後4時/8月10日(火) 午前9時~午後4時

◇会場: 大阪市立工芸高等学校

◇参加者: 大阪市立工芸高等学校の生徒20名(非公募)

◇主催: 大阪市立近代美術館建設準備室、財団法人大阪市博物館協会

◇協力: 財団法人DNP文化振興財団、大阪市立工芸高等学校

◇後援: スイス大使館

 

講師プロフィール

ラルフ・シュライフォーゲル Ralph Schraivogel (グラフィックデザイナー)

1960年 スイス生まれ。チューリッヒ・デザイン学校を卒業後、82年に自らのデザインスタジオを開設する。94年第14回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞、モスクワ国際ポスタービエンナーレ金賞、97年第8回ショーモン国際ポスターフェスティバル一等賞、95年、97年スイス連邦デザイン賞、2006年5つ星デザイナーの饗宴5Star賞(大阪芸術大学)。09年第9回世界ポスタートリエンナーレトヤマ グランプリ受賞。コレクション:ハンブルク美術工芸博物館、富山県立近代美術館、ワルシャワ・ポスター美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)。AGI会員。

 

イベント実施レポート~ラルフ・シュライフォーゲル講演会・ワークショップ(8月9、10日)

2010年8月9日、10日に、スイスのグラフィック・デザイナー、ラルフ・シュライフォーゲル氏をお招きして、講演会と高校生向けワークショップを開催しました。

 

講演会「スイス・グラフィックの変革」(8月9日夜)
講演会「スイス・グラフィックの変革」

8月9日の夜に、大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室にて、ラルフ・シュライフォーゲル氏による講演会「スイス・グラフィックの変革」を開催し、56名の方々に聴講していただきました。講演会では、スイスのグラフィック・デザインの歴史を概観した後、シュライフォーゲル氏自身の作品について、その遍歴や転機などを話されました。

 

高校生デザイン・ワークショップ「デザインアイデアの見つけ方」(8月9、10日)
高校生デザイン・ワークショップ「デザインアイデアの見つけ方」

8月9、10日の2日間にわたり、ラルフ・シュライフォーゲル氏を講師に、大阪市立工芸高等学校にて、同校の生徒を対象にしたワークショップ「デザインアイデアの見つけ方」を開催し、25名の方々が参加されました。

このワークショップは、偶然の力を取り入れながら、発想を自由に膨らませて作品化することに主眼を置くもので、講師から与えられた「ACDC」(豪州のロックバンドの名前でもあるが、特に意味を持たない)という4文字と、新聞の中の写真を素材に、主にコピー機での複写とコラージュ(切り張り)によって、文字と写真の混在した白黒の作品を制作しました。

ここでは自由に発想することがまず重要で、そのためには制作途上で他の受講生の作品をコピーして素材にしてもよいとのアドバイスもありました。普段の美術の授業とは違った切り口の授業は、生徒たちに大きな刺激になっただろうと思います。

作品制作の合間には、講師が自身の最新作「Evil-Live」についてスライドショーをする時間も設けられました。「Evil-Live」という作品の完成までにどれだけ多くの試行錯誤があったかをスライドで具体的に示すことで、スランプに陥った時には、プロでも迷うことがあることを思い出して苦境を乗り切ってほしいと、「芸術家の卵たち」にエールを送っていました。

2日間という短い期間でしたが、シュライフォーゲル氏の教育者としての熱心さが十分に伝わってきた、充実したワークショップでした。