小出楢重 菊花

菊花

小出楢重 《菊花》1926年(大正15・昭和元) 油彩,カンヴァス 105.5×55.0cm

作品解説

大阪島之内に生まれ、芦屋で43歳の生涯を終えた小出楢重は、最も大阪らしい画家と言えるでしょう。艶のある濃厚な色彩と、はりのある筆遣いで小出が描いた裸婦や静物は、日本近代洋画の中でも、際だってレベルが高い油絵と評価されます。なかでも、1927年(昭和2)に竣工したアトリエでの制作三昧から生み出された晩年の作品は、余人の追随を許しません。《菊花》はその少し前の作品ですが、八角変形の大画面に配された大輪の菊は肖像画のように堂々として、蒸し暑さと涼しさが混じり合う空気の中に、まるで打ち上げ花火のように束の間の生命を爆発させます。自然界に充ち満ちた「生命」を描くこと、それが病弱な小出の終生のテーマだったのかも知れません。

作家紹介

小出楢重 KOIDE Narashige 1887–1931

1887年(明治20)、現在の大阪市中央区(当時は南区)長堀橋筋に生まれる。実家は薬種業の「天水香」。東京美術学校の日本画科をへて1914年(大正3)、同校西洋画科を卒業。1915年(大正4)、再興第2回院展に《山の初夏》で初入選。1919年(大正8)、第6回二科展で《Nの家族》が樗牛賞を受賞。以後、関西を拠点に二科展で活躍。1921年(大正10)から翌年にかけて渡仏。1924年(大正13)、大阪に信濃橋洋画研究所を鍋井克之、国枝金三、黒田重太郎とともに開設。1931年(昭和6)、兵庫県芦屋市の自宅にて43歳で死去。

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