「具体」アーカイブ

★本ホームページ内の「戦後日本美術オーラルヒストリー」のコーナーで「具体」メンバーのインタビューを掲載しています。

「具体」アーカイブについて

1 経緯と公開・活用の目的

大阪新美術館建設準備室は、平成26、27(2014、2015)年に、具体美術協会に関する貴重な資料群をご寄贈いただいた。(参考:報道発表資料「具体美術協会関係資料の寄贈を受けました」 平成27年9月1日)寄贈者は、具体美術協会リーダー・吉原治良および会員・吉田稔郎のそれぞれのご遺族と、具体美術資料委員会である。これらの資料は、具体美術協会(以下「具体」)の活動をおさめた映像フィルムや写真、具体展ポスターやパンフレットなど数万点におよび、「具体」を知る上で大変貴重なものである。

具体美術協会は昭和29(1954)年に結成され、大阪・中之島を活動拠点の一つとして活躍した前衛美術集団で、吉原治良をリーダーとし、18年の活動の間に、白髪一雄、村上三郎、元永定正、田中敦子、嶋本昭三、吉田稔郎など延べ約60名の会員が在籍した。平成24(2012)年に国立新美術館で、平成25(2013)年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で大規模な回顧展が開催されるなど、近年改めて国内外で評価が高まり、多くの研究者から注目を集めている。

大阪市は吉原治良の生誕地であり、「具体」の活動拠点であったグタイピナコテカは中之島に位置していた。大阪市の新しい美術館は、吉原治良と「具体」にゆかりの深い地に開館する予定である。新美術館建設準備室では、すでに吉原作品を約800点、具体美術協会会員の作品約100点を所蔵している(平成29年3月現在)。ここに新たに加わった貴重な資料群を整理、公開、活用し、「具体」に関心を持つ国内外の人々の研究環境を整えることで、大阪新美術館は「具体」作品・資料や研究に関する拠点ミュージアムをめざしていく。「具体」に関する様々な資料は、各作家やご遺族、他の美術館などによっても所蔵されており、大阪新美術館は、各所蔵先と密に連携しながら、「具体」の顕彰に努める。

2 めざす姿

  1. 吉原治良と「具体」に関する貴重な記録が広く後世に伝えられ、「具体」の活動やその意義が顕彰されるために、所蔵資料の長期的な保存・管理を行い、研究を希望する人々に適切な形で公開する。
  2. 関係機関と連携しながら、「具体」研究に関する継続的な調査と情報の収集を行い、「具体」の作品や資料、研究に関する拠点としての機能を果たす。
  3. 展覧会や連携事業等の美術館の諸活動において、所蔵作品と資料を相互に連動させて活用し、研究成果を広く公開、発信する。

3 収集方針

すでに所蔵している資料を核として、次の資料を収集対象とする。

  • 吉原治良に関する資料
  • 具体美術協会会員作家に関する資料
  • 具体美術協会の活動に関する資料
  • その他関連資料

4 活動方針・内容

(1) 保存、管理、収集
  • 映像や写真、資料や図書など、それぞれに適した環境の整備と長期間の保存・管理
  • 具体美術協会に関する継続的な資料収集(現在までの研究成果を含む)
(2) 調査・研究
  • 資料の内容、作成状況に関する調査・研究
(3) 公開・展示、普及・連携
  • 所蔵資料の概要・目録等の段階的な公開
  • 新美術館の展覧会活動における資料の活用
  • 他の美術館等への資料貸出、共同企画展の開催、研究者への画像提供など、館外での資料公開の促進
  • 関西の「具体」資料を有する各施設、機関とのネットワーク構築および各連携先への調査、所蔵資料の把握

5 これまでの活動

主催事業
  • シンポジウム「日本の戦後美術資料の収集・公開・活用を考える-大阪新美術館建設準備室所蔵『具体美術協会』関係資料を中心に-」
      日時:平成28年3月20日(日・祝)
      会場:国立新美術館
      共催:国立新美術館、文化庁
  • 「大阪新美術館建設準備室所蔵 具体美術協会関係資料 映像上映会」
      日時:平成28年3月26日(土)・27日(日)
      会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター
  • トークイベント「〈記録写真〉をよむ-『具体美術協会』関係資料より-」
      日時:平成28年10月7日(金)
      会場:大阪市立総合生涯学習センター
  • 報告会「『具体美術協会関係資料』の整理・公開・活用の現在と未来」
      日時:平成29年3月18日(土)
      会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター
  • 映像上映
      日時:平成29年3月18日(土)・19日(日)
      会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター
報告・発表等
  • ケーススタディ 日本からの現代美術発信に向けて 「具体美術協会関係資料」
      (文化庁 新進芸術家海外研修制度発足50周年記念 国際シンポジウム 「日本の現代美術を支える-未来へ、そしてレガシーへ」
     第2日「現代美術アーカイヴの構築に向けて―保存・発信・活性化」)
      日時:平成29年1月14日(土)
      会場:慶應義塾大学
      主催:文化庁
Copyright 大阪新美術館建設準備室 All Rights Reserved.