浮田要三/作品

1961年(昭和36)頃 油彩,カンヴァス・板 92.0×74.0cm

浮田要三/作品

作品解説

浮田要三は、子どもが詩や作文を投稿できる雑誌『きりん』の編集者として吉原治良の知己を得たことがきっかけで作品制作を始め、その後創立間もない具体美術協会に参加しました。このようなやや変わった経緯で「具体」に入会した浮田ですが、作品も「具体」の初期作家の中で異彩を放っています。制作を始めた当初は児童画の影響を感じさせる作風でしたが、やがて物質感の強い分厚いマチエールで、シンプルな形態を塗り固めるような作風へと至ります。そこには「具体」第一世代の作家を特徴付ける派手なアクション性や爆発的な色彩はありませんが、「具体美術宣言」の「人間精神と物質とが対立したまま握手をしている」状況を象徴するような作風にも見えます。1961年(昭和36)頃制作の本作品では、厚く塗り重ねられた絵具により、中央にどっしりとおおらかに描かれた少しユーモラスなかたちが、「具体」時代の彼の作品の特徴をよくあらわしています。

作家紹介

浮田要三 UKITA Yozo 1924–2013

1924年(大正13)、大阪市に生まれる。1947年(昭和22年)、大阪の出版社、尾崎書房に入社し、翌年創刊される月刊誌『きりん』の制作・編集に携わる。『きりん』表紙絵の依頼を機縁に吉原治良と交流を深め、またその勧めで作品制作を始める。1955年(昭和30)、具体美術協会に参加、以後具体美術展を中心に制作活動を行う。1964年(昭和39)、同会を退会し、以後10年以上にわたり作家活動を休止する。1970年代後半より活動を再開、以後国内外で個展、グループ展多数。また養護施設などへの制作の助言も積極的に行う。2008年(平成20)、『きりんの絵本』刊行。2013年(平成25)、88歳で死去。

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