名坂有子/作品

1966年(昭和41) ラッカー・樹脂系絵具・接着剤・石膏,板 137.8×137.8cm

名坂有子/作品

作品解説

名坂は1960年代前半から具体美術協会に参加した、第二世代の作家です。円のイメージを反復させ、一定のパターンを一つのユニットにして制作を展開させます。この作品では、同寸法の円が正方形をなすよう9個並びますが、それぞれの同心円には個性があり、光沢のある色彩のグラデーションが華やかです。一見するとメタリックな印象ですが、素材は石膏です。回転板を用いてできた浅い凹凸のある石膏面に、一方向からエアブラシを噴射した表面には独特な質感があり、まるで立体物を複写した印画紙のように平坦に見えるなど、物質と視覚のズレが目をとらえて離しません。本作は1966年(昭和41)、第2回ローザンヌ国際展(スイス)に出品されました。カラフルな作品以外に、銀色を主体にした渋いモノクロームの制作もあり、いずれも宇宙的な無限の空間を思わせます。

作家紹介

名坂有子 NASAKA Yuko 1938–

昭和13年(1938)、大阪に生まれる。樟蔭女子大学卒業後、1962年(昭和37)、第15回芦屋市展に段ボールに無数の穴をあけた大作を出品、市長賞と15周年記念賞を受賞。同年、第47回二科展、女流画家協会展に出品。また同年より吉原治良に師事し、翌年具体美術協会会員となり、解散まで在籍する。1964年(昭和39)、グタイピナコテカで開催した個展では、回転板を用いて描画した同心円のモチーフを繋ぎ合わせ、壁面全体を覆い尽くす大作を出品する。同一モチーフの反復を強調することにより、壮大な絵画空間の創出をめざした。60年代後半には一時、マグネットを用いたキネティック・アートも手掛けた。1970年(昭和45)、日本万国博覧会政府館4号館ドームパターンを担当。「具体」解散後も平面作品を発表し続ける。

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