縄をまとう男

1931–1933年(昭和6–8)頃 油彩,カンヴァス 99.5×80.0cm

縄をまとう男

作品解説

1929年(昭和4)、家業である吉原定次郎商店の西宮今津工場発足に伴い、工場長として赴任した吉原は、工場内にアトリエを構え、勤務のかたわら制作に励みました。この作品に描かれた、水中眼鏡を付けてホースの様なものを持つ男の姿は、浜で見かけた潜水夫から着想を得たのかもしれません。しかし、砂浜と空しか見えない、どことも知れない場所にぬっと立ち、身体には縄をぐるぐる巻きにした異様な姿は、不思議な迫力を醸し出しています。日常にあるものを組み合わせつつ、現実にはありえないシチュエーションを創りだすスタイルは、この時期吉原が傾倒していたデ・キリコをはじめ、シュルレアリスムの影響を示しています。

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