平成20年4月3日    大阪市長会見要旨

こんにちは。よろしくお願いします。 新年度になりました。定例会見をこれから基本的に月4回、木曜日のこの時間にさせていただくことになりました。どうかよろしくお願いします。いろんなスケジュールの都合で変更があるかもしれませんが、その場合は事前に必ずお伝えいたしますので、よろしくお願いします。

【不適正資金等の調査の進捗状況について】

最初に、不適正資金、いわゆる裏金に関しまして、現時点の状況についてご説明申し上げます。
一昨日の4月1日に、不適正資金問題調査検討委員会が1回目の委員会を開きました。一旦2月29日で締め切りました調査について、再調査を表明しておりましたが、その再調査を、早速行うということを決めております。
調査内容につきましては、前回調査の再調査に加え、新たに大阪市からの委託事業に関し、その会計事務、現金保管事務に何らかの形で携わっている場合に、団体へ委託した事業趣旨から逸脱した支出を行ったものについても、対象としております。これは、最初の調査、2回目の調査では対象に含んでおりませんでしたので、漏れがあるといけないということで、これを加えております。具体的に申し上げますと、虚偽の精算報告により、書類上はゼロとして精算し、残金をそのまま団体の会計に積み残したままにしていたもの等の会計手続きに不適正があるものも対象にしたということでございます。
再調査については、私から明日4月4日に全職員にメールで周知することにしております。庁内ポータルにもその内容を掲載します。職員にパソコンの配置がない職場には、所属を通じて直接本人に伝えてもらうことになっています。回答期限は、4月18日までにメールか郵送でもらうことにしております。
前回と同じ調査、しかも所属長が誓約書を提出している、その誓約書については、私は「効力がある」、「効力は失われていない」ということをずっと言い続けておりますけれども、そんな後でなぜ、もう一度やるのかというご意見もあるかもしれません。やはり、前回までの調査におきまして、申告する勇気がなかった職員がいるかもしれない。そういう職員に対して、「最後のチャンスとして勇気を出して申し出てほしい」ということを言いたいと思います。このまま口を閉ざしていれば、明らかにならないかもしれないけれども、精神的な重い荷物を背負って残りの職務をされるよりも、早くそういった思いから解放されて、前向きに大阪市のために働いてほしいと、そういう気持ちもございます。それから、委員会では、不適正資金に関わった職員の責任問題についてなんですけれども、5月の末までに返還額の確定、それから処分、監督責任について確定することとしております。
不適正処理に関わった職員で、年度末に退職した職員、74人おりますけれども、この関わった職員というのは、調査の段階で名前が出たという意味で、今申しております。74人についても、何の措置も講じないということには当然なりませんし、到底、市民の納得も得られないところですので、誓約書を提出してもらっております。この誓約書は、責任問題が確定した結果、本来在職していたなら受けたであろう懲戒処分に相当する事実が判明した際には、懲戒処分に見合う給与上の負担額、及び返還額について、支払い約束を私に対してしていただいたものです。
「優先的に調査をする」と申しておりました環境局と経済局の資金のやり取りですが、経済局に対しては、環境局の資料をもとにした徹底調査を行い、関係者に対しても資料を示しながらヒアリングを行いたいと思っております。また、「東住吉区の組合との資金のやり取りについては、双方に対してヒアリングを行う」というふうに検討委員会から報告を受けております。
それから、この調査検討委員会で、外部の専門委員を一人、お願いすることになりました。現時点で一人ということで、この後もまたお願いすることになると思いますけれども。この方は、つい先ほど、私、お会いしてまいりまして、快諾を得まして、今日のプレスで発表していいという了解も得ております。弁護士で佐藤信昭氏。もと大阪地検の検事正でいらっしゃいます。佐藤信昭氏にこの専門委員に入っていただきまして、今後のこの調査の進め方でありますとか、あるいは、責任の及ぶ範囲でありますとか、といったものを、専門家の立場としていろいろと、ご指導いただこうということでございます。その他にも、公認会計士の方にどなたかもうお一人、入っていただこうというつもりで進めております。なお、佐藤弁護士でございますけれども、大阪市の法律顧問をしていただいております元検事総長の土肥孝治弁護士に先日お会いしまして、「どなたか、いい方は、いらっしゃいませんでしょうか」というお願いをしましたところ、ご紹介をいただいて、本日、快諾を得たしだいでございます。裏金問題については、検討委員会の進捗状況にあわせて判明した事実ですとか、あるいは、方向性についても、これからも定例会見におきまして説明してまいりたいと思っております。なお、佐藤弁護士の来ていただく、お手伝いいただく頻度ですが、当面、委員会、2週間に1回ぐらいに来ていただこうかなという考えを持っておりますけども、これも、出てきた事実であるとか、その内容によって、直接、担当からお電話をさせていただいたり、事務所へ伺ったりしての、調査ということも考えられるかなと思っております。裏金に関しては以上でございます。また後ほど、質問等、お受けいたします。

【大阪市立東洋陶磁美術館名誉館長の称号贈呈について】

それから、次に資料をお手元にお渡ししておりますけれども、大阪市立東洋陶磁美術館の名誉館長の称号贈呈についてご説明申し上げます。
中之島にございます、大阪市立東洋陶磁美術館で昭和57年の開館以来、館長を務めてこられました 伊藤 郁太郎 氏、76歳になられますが、平成20年3月31日をもって館長職を退任されました。報道資料をお配りしておりますが、大阪市では、伊藤氏の館長在職25年間の長きにわたる功績を称え、『大阪市立東洋陶磁美術館名誉館長』の称号を贈呈させていただくこととし、4月9日水曜日の午後1時から、東洋陶磁美術館におきまして贈呈式を行いまして、私から称号証書をお渡ししたいと思っております。
ご存知のとおり、東洋陶磁美術館は、大阪市が世界的にも有名な安宅コレクション約1,000点を寄贈されたことを記念いたしまして、昭和57年11月に開館した美術館でございます。今日では、2点の国宝と13点の重要文化財を含む館蔵品がおよそ4,000点になっております。東洋陶磁のコレクションとしては世界第一級の質と量だということは間違いない事実だと思います。大阪市が世界に誇りうる美術館であります。
貴重な作品の寄贈を受けるには、館長の識見や美術館への信頼があってこそ、「ここへ預ければ大丈夫だ」という気持ちで寄贈していただいた方がたくさんいらっしゃいますので、その意味でも、25年間館長を務めてくださって、そして、貴重な東洋陶磁の寄贈の受け入れや館蔵品の充実に尽力されてきた伊藤氏の功績は大きく、またコレクションを活用した展覧会などによって、文化の振興にも多大な貢献をされてきたと思います。
このようなことから、その功績を称え、感謝の意も込めまして、4月9日に『名誉館長』の称号をお贈りさせていただきたいと思っております。
なお、東洋陶磁美術館は、昨年の4月から9月まで、開館25周年を記念する特別展「美の求道者 安宅英一の眼―安宅コレクション」展を開催した後、設備改修工事のため半年間閉館していましたが、この4月1日から再オープンしまして、テーマ展「天にささげる器―朝鮮時代の祭器―」を開催しております。今週から始まっておりますこの東洋陶磁美術館の特別展なんですが、ぜひ皆さんにもご覧いただきたいと思いますし、東洋陶磁にご興味のある方は、大阪までわざわざこの東洋陶磁美術館を見にこられるという方もたくさんいらっしゃいます。そして、「大阪に来たら、まずここを見て気持ちを落ち着けて、ほっとした気持ちで、またまちの見物にでかけるねん」という方たくさんいらっしゃるようですので、大阪市民でまだ見てへん人も結構いるんちゃうかなと思うので、是非、見ていただきたいと思います。東洋陶磁の魅力を堪能していただきたいと思います。9日には、私もじっくりと見させていただきますし、贈呈式の際の取材も、ぜひ皆さんよろしくお願いしたいと思います。

【『なにわ元気アップ会議』について】

もう一つ、資料を配らせていただいています。『なにわ元気アップ会議』でございます。1回目の開催が決まりましたので、お知らせいたします。
4月10日の13時40分から、北区の中津福祉会館で開催いたします。
『なにわ元気アップ会議』は、これまで積極的に市政に参加し協働を実践されている市民グループの皆さんと私が、直接対話をして、広く市民ニーズの把握に努め、これからの市政への反映を図っていきたいという思いから、「作りたい、作りたい」と言っていたものでございます。それから、先日も取材していただきました市民協働チームのみんなが、走り回りながら、これからどんどん輪を広げていきます。その第一歩とも言えるわけでございます。
大阪を元気にするために、市民と行政が一体となって創意工夫をし、困難な課題にチャレンジすることが大切であり、これからのまちづくりには、市民参画、市民と行政の協働が不可欠であるという、そういう視点に立って、『なにわ元気アップ会議』を絶好の機会ととらえ、実践してまいりたいと思っています。
1年間で24回は開催したいと思っています。24区ございます大阪市でございますので、順次全区で開催、これを目標に、「これを上回ることは、なんぼ上回ってもええやろ」というつもりで、どんどん出かけてまいりたいと思います。
市民協働チームが一緒に動いてくれますが、より多くの市民の方に直接お会いして、いろいろなアイデアをお伺いしたい。あるいは、「市が今、こんなこと思ってるねん。どうですか。」というふうな意見も双方向でつかまえる機会にしたいと思っておりますので、公務の合間、様々な機会を利用して、気軽にまちに飛び出して、市民の皆さんが活動されている場所に、積極的に参加させていただきたいと思っております。チームのメンバーには、「とにかく、動こうや」というふうに言っています。「土曜日、日曜日、関係なく動き回って、いろんなところで、いろんな人の話を聞きたい。あるいは、今、大阪市がほんまに一生懸命やろうとしていることを、分かってもらう機会にしたい」というふうに言っております。いろんな機会、「どこへでも行くで」と言ってますので、チームは今、日程調整に走り回っておりますが、週末の日程、これからどうなるか非常に楽しみにしております。週末の日程等も含めまして、『なにわ元気アップ会議』、日程が決まりましたら、順次、お伝えしてまいりますので、また、そちらの取材の方もよろしくお願いしたいと思います。
私の方からは以上でございます。
質疑応答
記者
来週、いよいよ橋下知事とのトップ会談ということですが、改めて、水道事業についてですが、府の方は「市が周辺に安く提供できても、他が高くなってしまうんじゃないか」とか、ある程度、見解が違うようですが、そのあたり、どのようにお考えですか。
市長
細かい見解の違いというのがあるからここまで何も進まなかったんだというふうに思っています。ですから、見解がどう違うのかというのも、お互いが公の席で自分の思いを述べるというのは、これが初めての機会だと思いますので、すごく楽しみにしています。
実は私は、府の水道部が何を思っているのか、直接聞いたことがありません。皆さんが日頃、取材をされている記事を通して、あるいはテレビを見たりして知っている範囲のことしか知らないわけですから、「大阪市の思いはこうである」、「大阪府はこう思っている」ということを皆さんにお示しした上で、「ああそうか、府の水道部の人、そんなこと考えてたんか」ということも出てくるかもしれません。個別的な事、あるいは具体的な事というのは、その場で初めて知ることになりますので、それも楽しみにしています。私は市の意見しか聞いていない部分がありますので、どこか中途半端な部分があるかもしれないなと思っていますし、先日橋下知事と電話で話した際にも、「お互いに聞いたことのない意見がきっと出ると思うから楽しみですね」と言っていましたので、その日になるのがお楽しみという気持ちでおります。
記者
WTCの件ですが、先日の特定団体再建検討委員会で、市の方向性がある程度決まらないと、これ以上進まないというような結論に達していたようですが、市長としては、委員長からお聞きになっているかどうかはともかくとして、今の段階で、いつまでにお考えを示そうと思っていらっしゃいますか。
市長
先日の3月31日の委員会ですが、私も副市長も非常に日程が込んでいて、その委員会の中に入れていなかったので、細かい内容のレクチャーを受ける前に新聞で見るみたいな感じになりまして、「あっ、そうだったんだ」というのが正直なところですが、その後、ちょっと担当者から話を聞きますと、ボールを投げ返したというよりも、10項目をシミュレーションした後なので、今後、これをどう進めるかという具体的なものをそろそろ示してほしいという意見はあったようです。それを示す日程感につきましても、なるべく早くということは、やはり間違いない事実だと思いますので、今度、検討委員会ではなく、委員長の惣宇利先生ともお会いして、具体的にお話をしようかなとは思っています。6月26日に予定されている賃料訴訟の判決がございますけれども、やはりそのあたりの日程感というのが一番大きな節目、ひとつのキーポイントになるのかなとも思っています。でもその一方で、ずっと市会で言い続けておりますけれども、やはり私が先頭に立って、市民負担をいかに少なくするか、市民にいかにこれ以上の負担を与えないようにするか、もし負担がかかったとしてもそれをいかに少なくすることができるのかという方向性を絶えず探りながら、いろんなことを考えていきたいと思っています。当然その中には、銀行の皆さんとお会いしてお願いをしたりというような場面も出てくることになると思います。そういう動き方については、できるだけ早く動きたいという意向を私の方から申しておりますので、担当の職員で、そのあたりの日程、あるいは方向性みたいなものも、調整してくれているはずです。
 

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