平成20年8月21日    大阪市長会見要旨

皆さんこんにちは、よろしくお願いします。

【平成20年度内部監察における結果について】

まず本日は、先日8月15日に発表させていただきました委託費に係る内部監察の調査結果につきまして、私からコメントさせていただきます。
不適正資金問題をふまえ、平成20年度の定期監察におきまして、大阪市の全ての局・区で共通の課題を定めて行う共通課題監察として、委託費の執行についての調査を実施してまいりました。今回、監察の結果で、10件の不適正事案や委託料の目的外使用が新たに判明しました。今回の調査結果では、飲食等にかかわって個人的費消があったことが明白になっており、言語道断であります。14年、15年当時、団体の手続きを経て、そのような支出がまかり通っていたことが信じられません。団体会計からの支出であっても、元はといえば、公金から支出された委託料が原資でございまして、職員が仕事の一環として団体事務を行っている以上、弁解の余地はありません。出席者が確認できれば、当然厳しい処分になると考えております。
この間、市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んでおりますけれども、新たに不適正資金が発覚したことで、市政への信頼を損なう結果となりまして、市民の皆様に心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。
この間、ずっと私は、「『うみ』を出しきりたい、『うみ』を出しきりたい」と言い続けておりますけれども、まだ区役所における旧税務担当の調査も残っております。その調査結果も含めまして、これから出てきたものは全て、隠さず公表してまいります。また当然ながら、返還や処分など、厳正に対処してまいりたいと思います。
私の役目でございますけれども、たとえ過去に行われていたことでも、だめなものはだめということで、きちんと正していきたいと思っておりますし、大阪市自体、自律的に正していける組織にすることが自分の役目だと思っております。そのことが、市民の皆様の信頼回復につながる唯一の道とも思っております。
私を含め内部統制の仕組の中で、それぞれの責任者が、この現実を理解し、本当の意味で責任を持った対応を行い、職員一人ひとりが高いコンプライアンス意識を持ち、積極的にコンプライアンスを推進する組織風土への改革を推し進めてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。

【ミュージアムウィークス大阪2008について】

次にまいります。 大阪市には、歴史・美術・自然・科学など幅広い専門分野の博物館群がありますけれども、これらが共同で行う事業につきまして、2件、ご紹介させていただきます。
まず1件目でございますが、『ミュージアムウィークス大阪2008』と銘打ちまして、お手元に『ミュージアムウィークス大阪2008開催のお知らせ』という資料をお配りしておりますけれども、大阪市立の博物館・美術館・動物園といった8つの施設で、各施設の『お宝の一品』を同時公開する共同キャンペーンでございます、『ミュージアムウィークス大阪2008』を9月13日(土)から10月13日(月・祝)まで開催することになりました。
去年に続いて2回目の開催でございます。今年は『大阪』をテーマに、各施設が選りすぐりの名品を同時公開しようというものでございまして、『大阪の「国宝」』の油滴天目茶碗(ゆてきてんもくちゃわん)、あるいは、普段、なかなかご覧いただくことができません、貴重なもの、例えば、「つゆとをち つゆときへにし わかみかな なにわの事も ゆめの又ゆめ」と詠みました有名な豊臣秀吉辞世の和歌の『豊臣秀吉自筆辞世和歌詠草』(とよとみひでよしじひつじせいわかえいそう)など、これは大阪城天守閣ですね、大阪にゆかりの深い『お宝』をいろいろとご覧いただこうと思っております。
期間中は、この『お宝の一品』を詳しく解説するミュージアムトークでありますとか、オリジナルグッズがもらえるスタンプラリーも行います。展示にちなんだ多彩なイベントを用意しておりますけれども、日程の関係上、クローズする館もございますので、そのあたりは注意して出かけていただきたいと思います。
是非この機会に、多くの方に訪れていただき、大阪の誇る超一級のコレクションのすばらしさと、ミュージアムの新たな魅力を知っていただきたいと考えております。

【『おおさか事典』・『大阪事典』の刊行について】

『おおさか事典』(PDF:316KB) 『大阪事典』(PDF:355KB)
続きまして、『大阪事典』『おおさか事典』でございますが、大阪市の、歴史・美術・自然・科学など幅広い専門分野の博物館群が連携しまして、『大阪』を総合的、多角的に扱った書籍を作りました。小学校向けでは『おおさか事典』、中学校向けでは『大阪事典』という名の本で、教科書に出てきます項目ですとか、それに関連する項目につきまして、博物館、あるいは美術館が所蔵する資料を素材に使って、『大阪らしさ』、あるいは『大阪ならでは』という切り口で解説したものでございます。
いくつかご紹介したいと思いますが、本日パネルを用意しております。
『新撰増補摂州大坂地図』(PDF:1MB)
これは『水の都』と呼ばれます、大阪の今から300年以上前のまちや水の回廊の様子が描かれた地図なんですけれども、今は北を上におきますけれども、昔はこのお城を上に書いたということで、こういう(東が上の)描き方になっているそうです。現在になおしますと、(北を上にして)こういう形になるわけですね。ですから、ここが中之島で、これが蜆(しじみ)川、中之島が二つあったんやなと。今の新地本通りがこのあたりになるそうです。例えば、ここにあるのが、4つのコーナー、すべて橋が架かっていました。これで四ツ橋の語源になったというような地図でございますけれども、(市標)『みおつくし』の起源でありますとか、あるいは、大和川が人工河川であること、さらには、大正から昭和にかけて全国に先駆けて女性画家が活躍したことなど、児童・生徒だけでなく、大阪市民の中でもあまり知られていないこと、忘れられつつあることが、この『大阪事典』『おおさか事典』に含まれております。それから、大阪市内の8月の平均気温が、この20年で1.2度も上昇しているといった、環境問題について考える内容なども盛り込んで、大阪に関する情報を満載しております。
この事典なんですが、市内の小中学校に配本いたします。クラス単位での利用ができるようにということで、一校あたり50冊ずつといたしました。皆さんにも事典をお配りしておりますけれども、本日は特別に、本書に収録しました実物資料、『大阪事典』の17ページにあります鶏形の埴輪を持ってまいりました。17ページを見ていただきますと、写真が載っておりますが、これが実物でございます。レプリカではございません。この鶏型埴輪、長原86号墳というところから出てきたそうです。
子どもたちが本書を使いながら、自分のまちのことをしっかりと学んでくれることで、大阪らしさを感じていただき、あるいは、大阪への愛着を深めてもらう、そういうことを期待しております。子どもだけでなくて、大人でもですね、「えっ、大阪、こういう所やったんか」という部分で言いますと、非常に興味深いものが、中にはたくさんございます。
我々、常々大阪の文化の話をしておりますけれども、大阪の文化というものを積極的に発信していきたいとも思っておりますし、もっともっと多くの人に、「大阪は、ええまちや」ということを分かっていただこうというふうにも思っております。評判によっては、別途、これを販売することもあるかなという話もしております。これは今後の反響次第ということになるかと思います。

【FM大阪への出演について】

次にまいります。FM大阪に、今度、出演することになりました。ラジオ番組にゲスト出演いたしますのでお知らせします。
本日の報道発表でございますけれども、FM大阪の『なにわルネサンス「大人の文化村」』、毎週日曜日の深夜といいますか、正確には月曜日の午前1時から2時までの1時間番組なんですが、2週間にわたりまして、ゲスト出演することになりました。
23日の午後4時30から収録を行いますので、収録につきましては、取材可能となっております。もし、お時間ありましたら、のぞいてみてください。
テーマは大阪の文化、あるいは文化全般ということで、好きにしゃべってくださいと言われています。大阪が誇る有形、無形のすばらしい文化財産、あるいは、私自身が今までの人生の中でふれあった文化、芸能、芸術、そういうものについても、お話したいなと思っております。

【『なにわ元気アップ会議』について】

次に、『ウエルカムなにわ元気アップ会議』と『なにわ元気アップフォーラム』について、お知らせでございます。
お手元の報道発表資料でございますが、8月27日の水曜日、午後3時30分から城北市民学習センターで、市内の小学校区でご活躍いただいております『はぐくみネットコーディネーター』の皆様16人のご参加をいただきまして、『地域の教育力を学校・家庭・地域の協働で高めよう』というテーマで、『ウエルカムなにわ元気アップ会議』を開催いたします。
また、翌日、8月28日の木曜日は、午後7時から大阪駅前第2ビル6階にございます、大阪市立大学大学院創造都市研究科の101教室におきまして、地域の中でまちづくりに取り組んでおられます六波羅 雅一(ろくはら まさかず)さんと寺西 興一(てらにし こういち)さんと、『まちづくりと市民協働の秘訣!』というテーマで、『なにわ元気アップフォーラム』を開催いたします。
いずれも、地域での取組みの状況や、市政への活発なご意見も伺えることと楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。

【Team OSAKAの表敬訪問について】

それから最後に、すでに18日に報道発表をさせていただいております。今日、この会見の後、ロボカップ世界大会5連覇のチーム『Team OSAKA』が表敬訪問に来られます。歴代の優勝ロボットも来ているということでございますので、また、この記者会見、終わりましたら、取材の方、よろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
質疑応答
記者
府との水道事業の関係ですが、外部委員会、8月中にも、第1回をという話でしたが、どのようになっているのでしょうか。
市長
はい。できたら8月中に第1回を開催したいということで、ずっと日程のすり合わせをやっているのですが、かなり日程が混んでいて、うまく両方が合わない状況で、ひょっとすると9月に入ってということになるかもしれませんが、未だ、まだ残りの日程を懸命に調整中ということでございます。
記者
マンションのアーバンさん、咲洲にマンションを売っているところで、この間、事実上破綻という形で民事再生をされましたけれども、咲洲プロジェクトということで、一応、洲の活性化といわれている点からも、影響が少なからずあるかと思うんですけれども、その点について、どのような情報が市長のもとに入っていて、どういった方針で市としてフォローアップしていくのか伺いたいのですが。
市長
これは一企業のことですので、市がどうこうという話ではないかと思いますが、情報収集には努めております。確か8月13日に民事再生の申請がございまして、現時点、昨日の時点で、一昨日の写真を見せていただきました。まだクレーンは残っておりますし、作業は続いているということです。工事が続けられているということですので、今後の推移を見守りたいということと同時に、民事再生の申請の手続き上のことですけれども、通常の民事再生よりは、かなりスピードが早い感じで進んでいるようです。それだけ影響も全国各地に及ぶということだと思いますけれども。そういった状況を見ながら、咲洲プロジェクトにとりましては、あそこに新たにマンションを造っていただいて、人に入っていただきたいという思いもございますので、注意して見守るとしか言いようがございません。
記者
まだ、どうするかという連絡は入っていないのですか。
市長
私はまだ聞いておりません。今、4棟が建ち上がっており、23階建ての13階部分ぐらいまでは、もう建ち上がっており、なおかつクレーンも残っている。全国的にいろんなニュース、注意して聞いていたのですが、いきなり翌日に工事現場から機材が撤収されたみたいなところもあったようですので、それと比べると、進捗、進んでいるという部分で、少しは胸をなでおろしてはいますが、これも先行きどうなるか。決定が11月の初旬から中旬にかけてだと聞いておりますので、それまでちょっと注意して見守りたいと思います。
記者
2点ありまして、1点が、今のオリンピックは、大阪市が誘致しようとしたオリンピックだったんですが、市長はどのように見てらっしゃるのかということ。もう1点は、『テクノポート大阪』について終止符を打たれたと、(新聞に)載っていましたけれども、市長はどのように考えておられる。この2点についてお願いします。
市長
はい。オリンピック(招致)の時、オリンピックのこの議論がなされた時には、私、毎日放送におりまして、「大阪、ちょっと無理なんちゃうか」と思っていました。あの時に大阪が残っていたとしたら、全然違う歴史がこの何年間か、大阪のまちに刻まれたわけですから、今の大阪にいながら、あのオリンピックを見てどうこうと言うのは、全然また違う話になると思います。あのまま大阪が開発の波に入っていって、オリンピックを大阪でやれたとしても、どうなったかなとかは思いましたけれど、これは、思っても仕方がないし。
『テクノポート大阪計画』については、あれは公式に発表したことではないんですよね。公式に発表しておりません。私は、「咲洲、今の咲洲をもういっぺん描き直さないといけない時期に来ていますよ」ということを言い続けております。ですからそういった意味で、その咲洲プロジェクトがどういった絵を描いてくれるのか。そこへ、府の橋下知事がいきなり、「WTCへの府庁移転という話を一つの選択肢として考えたい」というふうにおっしゃった話もあり、あのエリアをどう描いていくかというのがこれから大阪市のベイエリアの一つの大きなテーマになったと思っております。前向きなテーマになったというのが、正直な印象でございます。報道では『テクノポート大阪計画』をどうするとなっていましたか。
報道担当課長
『白旗』と書いてありました。
市長
白旗?それについて私は、白旗を振ったという報告は、まだ聞いておりません。
記者
先ほど、WTCのお話が出ていましたけれども、明日、大阪府知事がWTCを訪問されるということで、市長の方から、知事にこういう点を見てほしい、こういうとこを是非見てほしいと(いうのはありますか)。
市長
そういうふうに私から言わなくても、知事は全部見るつもりでいてはると思うので、大丈夫だと思います。夏休み前にメールで、「行きませんか、一緒に」というお誘いがあったんですけれども、「日程が合わず」でした。知事は、今までもいらしたことがおありだと思うのですが、細かいところまではご覧になってないと思うので、明日のお昼過ぎですか、いらっしゃって、WTCの状況をじっくり、ご覧なりたいというころは全部見ていただいたらいいんじゃないですか。
記者
それに対して、「9月議会で、その構想を改めて府議会に提案したい」と知事はおっしゃっていますが、議会側からは、いくらで売却されるのか、いくらで買うのかという部分が出てこないと、議論しようがないという感じなのですが、大阪市側から、額なり、提示できるのはいつごろなのでしょうか。
市長
販売物件として手を上げたわけではないですし。今後の処理策の一つとして、いろんな組合せを考えているところでございます。ただ、前にも記者会見といいますか、知事がここにお見えになった時に申しましたように、大阪市としては、非常に良い、ありがたい提案だとは思っていますけれど、その後いろいろリーガルチェックを受けていますけれども、やはり越えなければならないハードルが、具体的に、例えば価格の問題にしても、鑑定価格がいくらになるかというのが非常に大きな要素でございます。メディアの皆さんは簿価の160億を、まるでその価格のように報道されていますけれども、あれは特定調停を結ぶ際に、本来7百数十億あった資産価値を一気に下げたという、確かそういう経緯があったはずでございますので、その160億という簿価が、すなわち今の販売価格にふさわしい価格かどうか、それよりも上なのか下なのか、鑑定を取らないと分からないので、まだ何も言えないという状況です。
記者
冒頭の話に戻るのですが、正直、「またか」というような問題が出てきてですね、今、市長は、今後もすべて隠すことなく、うみを出しきっていきますということでしたけれども、今、現在進行中で残っている調査ですね、結果が出るのは、時期的にはだいたいいつごろがめどになるのか。それと、処分については、あの指針の通り、懲戒免職というような、こういう厳しい処分ということになるということでいいのかを、教えてください。
市長
個人的費消について、懲戒処分が打てるかどうかということで言いますと、最高に厳しいのは、やはり懲戒処分、懲戒免職ということだと思いますけれども、いろんな条件を考えないといけないという部分があります。例えば、公金をいったん別の目的でプールして、それを自在に使ったというのと、今回の場合は、委託費ですね、任意団体への委託金の使途をめぐって、とんでもない使い方があったということですから、ちょっと性格が違うとは思っています。処分についても、厳罰で臨むのは、ずっと言っておりますので。なおかつ、「そら、あかんやろ」というのが、出ています。やはりどう考えても、どう弁解しても、弁解のしようのない使い道があったのも事実ですから。ただ残念なことに、誰がそういう使い方をしたのかというのが、まだつかめていません。それが確定、特定された時点で、また情報の収集等をしながら、きちっとした処分をさせていただきたい。「なんぼでも出てくるな」というのとか、あるいは、市民の方もあきれかえっていらっしゃる方、きっとたくさんいらっしゃると思います。私もこの間、委託費というのは、そもそも、そんなものに使えるのかと聞いたり、あるいは、例えばゴルフ、プレー代ではなくてコンペの参加費でも、今の市役所に、あれは14年、15年、あるいはゴルフの場合は17年まででしたか、そんなふうに使える費目、通るようなものがあるのかと聞いたのですが、もちろんその当時からも、そういうものは無かったというのを聞いています。それはやはり、監督の仕方、あるいは経理をチェックする際のチェックの甘さ。もちろん、使う際の。いくらいったん公金から任意団体に移されたお金、委託されたお金だとしても、もとは公金で使うべきお金という形で委託をしているわけですから、とても信じられない思いが多かった。それを、どんどん出していきながら、大阪市の体質を変えていきたい。ほんまにそういうことをやってたということが信じられないというのが、正直な印象です。
あと、そうですね、処分の時期、8月末とか言っていましたが。
情報公開室長
税の調査については、勧告で、「8月中をめど」と言われていますので、できるだけすみやかにということです。
市長
税務調査は、まだ発表しておりませんので、それを受けて、やはり処分ということに、もう一度なっていくと思います。15日に発表させていただいたのと一緒に処分発表になるのかな。
情報公開室長
同じ取組みのものですから。
市長
時期的に、それぐらいのスケジュールでいきたいと思っています。
記者
またちょっとWTCに戻るのですが、特定調停の調査を進めておられるかと思うのですが、進捗と、それから、調査の公表時期はどれくらいでしょうか。
市長
既に7回のヒアリングをしております。第1回の時は打ち合わせ的な会合で、7月17日に第1回をやりました。あと、23日、30日、8月6日、11日、13日、19日に、ヒアリングを実施しておりまして、今まで大体、当時の債権プロジェクトチームの経緯でありますとか、あるいは特定調停の申し立て内容、あるいは調停での話し合いといったものの、当時の課長レベルへの聴取、ヒアリングをやりました。今後、当時の市長室長、あるいは助役、市長に対して順次ヒアリングをしていく予定でございます。年内をめどに報告書をまとめたいと思いますが、ある程度まとまれば、中間報告をさせていただきます。また、当時の市長室長、助役の皆さん、あるいは市長へのお話を聞かせてくださいという日程等も、あの相手方、先方の了解が得られれば、スケジュールをお出ししようと思っています。
 

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