平成21年6月11日 大阪市長会見全文

【大阪市消費拡大キャンペーンの取組みについて】

みなさんこんにちは、よろしくお願いします。
本日はまず、『大阪市消費拡大キャンペーン』の取組み内容について、ご説明申し上げます。国の定額給付金の支給を大阪市内における消費の拡大につなげて、地域商業の振興を図っていくために、商店街や小売市場などと共に『大阪市消費拡大キャンペーン』を実施するということは、すでに皆さんにもお知らせしてございます。6月15日より、いよいよスクラッチ事業がスタートし、その前日の14日には『キックオフイベント』を開催する運びとなりましたので、そのお知らせをさせていただきます。ちょっと賑やかな飾りになっておりますけども、その前に本日ゲストに来ていただいておりますのでご紹介いたします。本市とともにこのキャンペーンを共同で取り組んできていただいた『大阪市消費拡大キャンペーン実行委員会』を構成する市内の商店街、小売市場を代表する団体の方々で、私の手前の方から、大阪市商店会総連盟の 角(すみ)理事長 でございます。続きまして、大阪市公設市場連合会の 佐々木(ささき)会長代行 でございます。そして、大阪市小売市場連合会の 東海(とうかい)会長 でございます。また、この事業に関しまして、様々なサポートをしていただいて、実行委員会にも参加していただいている大阪商工会議所の 坂上(さかうえ)中小企業振興部部長にもご出席いただいております。ありがとうございます。
それでは進めさせていただきます。本日発表の資料の方をごらんくださいませ。今回、本当に多くの商店街や小売市場の皆さんに参加していただきました。6月5日現在での参加状況でございますが、296箇所、7,975店舗でありまして、市内商店街・小売市場などのおよそ6割が参加していただいていることになります。商店街、小売市場別の内訳としましては、商店街が234箇所、7,913店舗、小売市場が62市場、62店舗となっております。詳しくは、資料の『参加状況一覧』をご覧くださいませ。各商店街、小売市場では、それぞれ特性を活かした個性豊かなイベントが行なわれると聞いております。まだ、これから取組み内容が決まるというところもあるようですが、景品抽選会やプレミアム商品券の販売、スタンプカード、ワゴンセールなど様々な取組みがこの期間、大阪市内で行われるということなんですが、ここで、せっかくおいでいただいてますんで、ゲストの皆さんに、商店街や小売市場でどのような取組みをされるのか、是非皆さんにもお知らせしたいと思います。まず角理事長から、よろしくお願いします。

大阪市商店会総連盟 角理事長
商店街の方では色々な取組みがあるんですが、もちろんそのスクラッチカードで『あたり』がでますと、それぞれお徳感のある商品、あるいは商品券、あるいは金券等をお渡しするというのはあるんですが、もちろんプレミアム商品券をお渡しすることもあります。あるいはまた、はずれ券集めていただいて、再抽選ていうのもあります。そんなこんな色んな取組みもしてます。夜店をやるとこもあります。中にはいわゆるエコ対策として割り箸を持って来ていただいたら、スクラッチカードでまた『あたり』がでる、そんな感じもあります。それから廃品の関係とか、石鹸づくりとか、そんなんもやってるところもあります。挙げますときりがございませんので、この辺にしときます。


角理事長ご自身のところではどういう取組みを考えておられるのでしょうか。

大阪市商店会総連盟 角理事長
うちはね、実はすごいんです。港区だけなんです。『みんなで大阪再生しまっせセール』いうのをやります。これは港区全体で307店舗が参加しまして、第1チャンス、これはスクラッチカードで『あたり』が出たら100円のお買い物券、金券ですね。はずれましても、はずれ券5枚で第2抽選会、ガラガラ抽選やります。しかもこれを抽選チャレンジして、終わってもパンチを入れまして、角の三角券を使えるようにして第3チャンスの実行委員会に応募できるっていう形でやっております。これは港区だけなんですけども、賞金総額約1,000万で307店舗が参加します。


ありがとうございます。すごいポスターが出てきました。それでは続いて、佐々木会長代行よろしくお願いします。

大阪市公設市場連合会 佐々木会長代行
私ども公設市場連合会では、500円ごとにスクラッチカードをお渡しして、当選されたお客様には、今おっしゃたように100円のお買い物券、またポイントをやっておるところはポイントを2倍渡しをするとか、また問屋さんにお願いをいたしまして、原価で100円以上の商品を多数取り揃えて、お客様にその中から選択をして持って帰っていただくというようなことを色々考えて、現在進めておりますので、6月15日からということで、具体的に個々の店で、市場でやっていくと思いますので、それと第2ステージ、第3ステージとございますので、第2ステージは市場独特のガラガラ抽選会等を行ってやっていくということを現状進めておるところでございますので、簡単ではございますがご報告とさせていただきます


ありがとうございます。続いて東海会長お願いします。

大阪市小売市場連合会 東海会長
私たちは、大阪市の小売市場連合会、24区加盟全市場が参加するということになってございまして、各市場ごとに、それぞれ趣向を凝らした取組みを行うというようなことでございます。例えばスクラッチカードに『あたり』がでれば、食パン1斤あるいは卵1パックいうような身近な商品やエコバッグを渡すとか、またあたり券一枚で、空くじ、また5枚でガラガラ抽選1回行ってもらう。市場独自の商品券、特賞は1万円、5千円、2千円、末等でも最低50円相当の金券を渡すとか、さらには隣接の商店街さんと共同イベントを行うところもございます。それぞれに思いを馳せらせているところでございます。以上でございます。

はい。ありがとうございます。今回のキャンペーンはお聞き及びのように、今聞いていただいたように市内全域に及びます。そして「こういったことを今までやったんやろか」って聞きましたら、「いや初めての取組みや」ということで、商店街や小売市場、皆さんそれぞれの思いを色んなアイデアを凝らして、一斉にキャンペーンに取り組んでいただくんですが、これは佐々木会長代行どういったお気持ちでしょう、現在いよいよ間近に控えまして。

大阪市公設市場連合会 佐々木会長代行
そうですね。今までで公設市場連合会というのは、大阪市の経済局とずっと色々と指導していただいておりましたんで、今までは経済局とタイアップして色んな事業を行うことが多々あったんですが、今回のように商店街と市場と共同で全市的にやるイベントというのは初めてなんで、私どもといたしましては、この事業が成功して今後また、今まで考えられなかった零細な我々商店と市場と、スーパーに対抗してやっていくという中で、色んなイベントをこれからこの事業を成功さして、考えて、大阪の商店の商店街、市場の活性化に取り組んで、なお一層努めて「我々小さい商売人の根性を見せつけたいなあ」という思いで、現状15日を目指して取り組んでおるところでございます


ありがとうございます。東海会長いかがですか。

大阪市小売市場連合会 東海会長
はい。私たちも是非市場が、よそがやってるので私ら大阪商人のど根性ということで「負けてられへんぞ」ということなんで、全部が励みを持って今頑張ろうとしておるところでございます。


ありがとうございます。角理事長がいきなりあれだけのポスターをお出しになったんで、よけいにライバル心が燃えてくるのかなあという、大阪ならでは商店街というものが持っていた活気、あるいは小売市場が持っていた活気、ちゃんと顔と顔が合わさって色々なお商売をやってこられた歴史みたいなものが、この月間って言いますかね、このキャンペーンで一挙に盛り上がってくれたらいいのになあと思っております。『大阪市消費拡大キャンペーン実行委員会』のホームページで随時こういった取組み状況をご紹介しておりますし、キャンペーンではPR用のCDを作りまして商店街や小売市場等にお配りしております。多くのお店や商店街で、繰り返しこれを放送してもらいまして、キャンペーンを盛り上げていこうとするものでございまして、音楽にメッセージを載せてこのキャンペーンを周知するということですが、今回、大阪の商店街や小売市場などの良さや買い物の楽しさというものをお伝えしたいと思い、私がメッセージを読ませていただきました。皆様にも参考にCDをお配りしておりますので、後で聞いていただいたらと思っております。

大阪市商店会総連盟 角理事長
少し市長よろしいですか。実は、『大阪市消費拡大キャンペーン実行委員会』っていうものをつくっております。今回、今市長がおっしゃいましたPR用のCDですね、これを作成する件につきまして、色々な話がありまして、当然お祭りイベントちゅうのは音と光が重要になります。そこで音楽はいいんですけれども、「セリフを誰に言ってもらおう」ということになりましてね。もちろん専門の方もいらっしゃるんですが、皆さんに相談しました結果、「平松市長はこの人もともとアナウンサーやで」と、「プロやで」ということで、是非皆さんに非常にアピールもできます。インパクトもありますから、「是非平松市長に頼んでみよう」と、「だめもとでいいから頼んでみよう」ってことで、お願いしましたところ、市長どうもありがとうございます。快くお引き受けいただきまして、素晴らしいCDが出来てます。是非一度お聞きください。


今かけるんですか?僕まだ出来上がり聞いてないのに。初めて皆さんといっしょに出来上がり初めて聞くんで何となくどきどきするわ。

〈CD音声データ〉
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初めて聞きました。もちろん録音した時は知ってますけど、その時は音楽なかったんで、どういう感じになるかなあと思ってたんですが、昔とった杵柄(きねづか)と申しますか、割と自然に聞けるんではないかななんて感じでございました。ということで、是非皆さんもこの『大阪市消費拡大キャンペーン』にご協力いただきたいなと思っております。そのキックオフイベント、実はキャンペーンの中心となるスクラッチカード事業が6月15日からスタートいたしますんで、そのオープニングイベントとしまして、前日の14日の日曜日、午後1時30分から2時にかけて、私も出席いたしましてキックオフイベントを開催いたします。会場は、旭区の千林くらしエール館前で、東西にあります千林商店街と南北の今市商店街の交差する付近に確かございます。このイベントには地元の千林商店街振興組合、今市商店街振興組合、千林くらしエール館テナント会の皆様のご協力をいただいて、私からスクラッチカードの事業の説明をさせていただくほか、今回のキャンペーンポスターの図案、この図案ですね、これを作成していただいた方への記念品贈呈でありますとか、大阪にちなんだ問題を出すクイズ大会も企画しております。そして私も商店街でせっかく行きましたらお買い物させていただいて、皆さんより一足早くスクラッチカードをもらって素敵な賞品ももらいたいなあと思っております。
それから32型の薄型テレビや中央卸売り市場直送のフルーツなど、11のコースの中からお好きな賞品を選んで応募していただく特賞プレゼントの応募用紙、これでございます。

大阪市消費拡大キャンペーン チラシ(PDF3.36:MB)
ここに応募用紙がございます、これも出来上がりました。これはスクラッチカードについておりますここの三角の部分ですね、下の三角の赤い所を切り取っていただいて、ここです、応募券、むこうにもございますが。これを切り取っていただいて10枚貼っていただくと、特賞プレゼント抽選会の応募をしたということになる訳で、締め切りは8月7日金曜日、当日消印有効になっております。是非、応募いただきたいと思います。発表は賞品の発送をもってかえさせていただきますけれども、8月下旬から9月の上旬に発表する予定です。これ貼ってあるということは、剥がしていいってこと?本当はこれこするんですよね。これスクラッチでやると、これで『あたり』ということになりまして、多分そっちも『あたり』やと思いますけど、時間がないのでこの辺にしたいと思います。どうもご苦労さまでした。

【東京での生活保護制度に関する討論会参加について】

続きまして、東京で大阪の宣伝をして来ようと思いますけど、そのお知らせでございます。今回は二つ項目がございまして、どちらも今週末、6月13日の土曜日、午後でございます。 一つ目は、『財団法人東京市政調査会第23回の「都市問題」公開講座、平松大阪市長がパネリストとして生活保護制度を討論』という本日発表の資料をご覧いただきます。13時半から、東京千代田区の日本プレスセンターにおきまして、『いま、見直すべき生活保護制度』というテーマで討論会が開催され、私もそのパネリストの1人として参加させていただきます。生活保護制度は大阪市にとりまして最重要課題のひとつでございまして、平成21年度予算における生活保護費は2,444億円でございます。実に一般会計歳出総額の15%にもなっております。もはや一自治体での対応は限界を超えておりまして、社会保障制度全般を含めた抜本的な対応、改革というのが必要不可欠であるということを訴えていきたいと思います。また、負担のあり方についても、この機会に大阪市の生活保護の現状や国に対して求めている社会保障制度の枠組み、全体のあり方を踏まえた生活保護制度の抜本的な改革や、人件費を含めた全額国庫負担による財政措置などを訴えてまいりたいと思っております。

【東京での『いらっしゃ〜い!大阪』キャンペーンの実施について】

二つ目は、新型インフルエンザ対策として実施いたします観光プロモーションのお知らせでございます。『いらっしゃーい!大阪』キャンペーン、なんとなく今日はこういう感じのトーンになってしまいます。すいません。『いらっしゃーい!大阪』キャンペーンということで資料をご覧ください。新型インフルエンザの関係で大阪を含め関西への影響が、かなり巨額の影響が出たというニュースもありましたけれども、この13日に桂三枝師匠と、今宮戎神社の福娘さん、さらには、こういった行政のプロモーションへの参加は初めてということとなりますが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの人気キャラクターであります、エルモとクッキーモンスターにも参加してもらいまして、「関西は元気ですよ」、「大阪は大丈夫やで」ということを声を大にしていっしょにアピールしてきたいと思っております。こんな時こそトップセールスマンとしての腕の見せ所だと思っておりますんで、大阪の広告塔として、新型インフルエンザのマイナスイメージ、風評を払拭して参りたいと思っております。どうかメディアの皆さんのお力添え、ご協力もよろしくお願いしたいと思います。私からは以上でございます。
質疑応答
記者
市長、今度、生活保護制度を討論に行かれるということなんですが、大阪ものすごい、一番、全国で一番ということで、財政を圧迫しているということもあると思うんですが、今まで、市長が国に対してね、全額負担とかですね、全額というか、負担をしてくれとかですね、言ってるんですけど、それだけではこの問題は解決しないんじゃないかなという、私は気がするんですけども、抜本改革というふうにここに書いてありますけど、市長はどういうふうに、この制度を直す、直すといいますかですね、改革していけばいいかなとお考えでしょうか。
市長
非常に大きな質問をいただいて、これこそがまさしくシンポジウムの中で話し合わなければならない問題であるという認識でございますが、今、最初に記者さんおっしゃった全額負担、国庫全額負担ということも今まで言ってきてると言われながら、その声の大きさが果たしてどこまで大きかったんだろうかっていうふうに、私やや疑問に思っている部分がございます。それと同時に、一時期、大阪市が生活保護の認定にあたって、割とずさんな認定してんのん違うかっていう、国の一方的な思い込みという部分もあったように私は聞いております。そんな中で、やはり、昭和25年から全く変わっていない制度というものが、これからも地方の4分の1負担というような形で続けていける状態ではないということは、この間の派遣村でありますとか、色々な雇用状況の不安、その一方で、高齢化社会の到来、もう働けない人たち、しかも、若いときからそういった年金の積み立てもしていなかった人たちがたくさんいる。その人たちを同じ制度のままで、最後のセーフティネットとして持っていていいのだろうかという大きな曲がり角にまさしくきてる。それをやっぱり、一番大変な思いをしている大阪市が声をあげずして、わかっていただくことはできないんじゃないかという思いでおります。ですから、抜本的な、国に対しては本当に抜本的な制度改革、本来の憲法25条で保障されている権利を守るということであれば、これは完全な国庫全額負担でやるべきであるということを、大きな声で訴えてまいりたい。これは、今回シンポジウム出ますけれども、これにとどまらず、これから私、市長である限りはですね、ずっと言い続けていきたいと思っています。
記者
今、生活保護の関係なんですけども、大阪市、かなり厳しい現状なんですが、他都市でですね、やはり同様の状況になっているかと思うんですけども、今回、声をですね、あげていく中で、他都市との連携といいますか、やはり国に伝えていくためには、同じ境遇の市というのが手を携えるというのが大きな力になるかと思うんですけれども、そのあたりはどういうふうにお考えになりますでしょうか。
市長
同じ境遇の都市というものがどの程度あるかというのを、現実に数字を見ますと、大阪市が突出している状況にございます。ですから、そういう突出している都市の現状というものを、やっぱり、今急激に増えはじめた生活保護世帯に直面しておられる市に、あるいは、県に分かっていただくということが、まず大事だろうなと思います。もう既に、知事会でありますとか、政令市市長会、それから、全国市長会等でも、こういったまとめをお願いしようという動きになっております。既に動いている形になっているところもありますんで、今、ご指摘いただいた全国的な自治体からの声として、これは国にきちんと要望できる体制ができつつあると思っております。
記者
土曜日はですね、生活保護の関係で、厚労省等、直接、市長が行かれるということは、ご予定にはないんでしょうか。
市長
厚労省の方には、予定は今のところ入っておりません。ですから、このシンポジウム、昼からですね、午後からのシンポジウムに出て、その後、今度は逆に一転明るいほうの、大阪にいらっしゃいキャンペーンをやろうと思っております。
記者
いずれ、そういうこともお考えで。
市長
そうですね、これから、大きな声をあげていく際に、一番有効であろうと思われる手段は必ずとっていきたい。ありとあらゆる手段で、今、大阪市がどういう状況にあるのか、そして生活保護自体がどういった現状なのかというものを、やはり、きちんと多くの人に分かっていただいたら、やっぱりこれ、制度を変えなければならないなというのが分かっていただけるという部分で、思っております。
記者
昨日、交通局さんが発表され、方針を明らかにされた赤バス、100円バスの廃止についてなんですけども、あらためて市長ご自身、市民の方にどういうような説明で理解を求めていきたいと思っておられるかっていうお話をお伺いしたいんですけども。
市長
はい。方向性として全路線を見直すというのが、昨日、出させていただいたということなんですけども、これはやっぱり、バスのあり方検討委員会でしたっけ、市バスのあり方検討委員会で、交通局が出した中期計画では物足りないという厳しい指摘が確かあったように記憶しておりまして、その厳しい指摘を受けた上での方向性ということですから、私はきわめて自然な成り行きであると。ただ、ここで間違えていただきたくないのが、今あるサービスの本当に必要な部分というのはどういうことかって言いますと、赤バスがあるからこそ通えている病院であるとか、そういう需要をきちっと調べたうえで、そこをセーフティネットとして何がほかで受けられるのか、そういったものをきちんと研究していくべきであろうという結論が出たんだと、私は思っております。「営業係数」っていう言葉でいいんですかね、100円稼ぐのに一体いくらかかるんだということをみてみましたら、すべての路線で400円を超える、1路線だけが、赤バスですけども、1路線だけが400円を切っているという状況であれば、これはやはり多くの市民の方にそういった現状をみていただいて、分かっていただける大きな材料であると思っておりますし、大変に厳しい財政状況におかれている大阪市がそれを続けていっていいのか、あるいは、空気を運んでいるだけやないかっていう声もありますんで、それを見直すのは当然の動きであろうと思っております。
記者
同じく赤バスについてなんですけれども、実際これを導入した時には、それなりの利用があるという見通しで導入されたと思うんですけれども、見通しの甘さっていうのがそもそもあったんではないかという、これはこの赤バスだけじゃなくて、WTCの問題とか市政全般にそういったものが、非常に目につくんじゃないかという印象を受けるんですけども、いかがでしょうか。
市長
はい。公っていうものは、何かを始める時に理屈を立てないと始められないのが、これが公でございますから、新しいものを導入する時には、当然それなりの効果があると見込んで事業は始めるもんです。で、それに対し信念を持って始めるんでしょうけれど、それが現実とそぐわなくなってきた時に、方向転換するだけの機動性っていいますか、あるいは、修正可能なものであるという認識自体がやはりないんではなかったかと。それが、ずるずるずるずる色んなものを引きずってしまう原因になったんではないかと思いますんで、せっかく今までしがらみのない、市役所の中にしがらみのない人間として市長にならせていただいた以上、色んなものをきちっと見直していきますよと。ただ、見直すにあたって、ほんまに必要なものは残します。それが「選択と集中」っていうふうに言わせていただいている部分ですから、例えば駐輪問題にしてもしかり、街頭犯罪のワーストワン返上にしてもしかり、みんな思っていたことなんですが、そこに徹底して突っ込んでいくだけの思いっていうものと、「市民協働」と言わせてもらってます、今日のキャンペーンにしても、私は市民協働の一つの大きな表れだと思ってますが、そういった市民の皆さんにきちんと訴えかけていけば、大阪市民の皆さんは本当に大阪思いの方が多いですから、受け入れていただける部分もあるし、あるいは、反対が起きたとしても、その方たちときちんと話し合っていけばいいと、私は思っております。ですから、変わりつつある大阪というものを感じていただくのがこの間ではないかと。色々と今までありました。だから、「それをきちんと直していきましょ」っていうこと、言いたいんです、そういうこと。はい。色んな面で言いたいんです。
記者
新型インフルエンザのことで2点お伺いしたいんですが、1点は市長がプロモーションに行かれるっていうことですけれども、京都の方では15億の損害が、キャンセルが出ているとかありますが、大阪市では具体的にはどういった風評被害があって、数的にどういうふうな打撃を受けているのかということが分かれば教えていただきたいのと、行政としての今の新型インフルエンザの体制なんですが、他の自治体ではやや縮小気味といいますか、発熱相談センターにしても、土日ではなくて平日だけにするとかですね、そういった動きも出てきているようなんですが、大阪市として今後どのように、今24時間で発熱相談センターやってますが、どうされるんでしょうか。
市長
はい。まず被害の状況ですが、細かい数字を持ち合わせておりませんので申し訳ありません。私、先日もユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行きまして、ガンペル社長とお話させていただいた際に、かなりやはりお客さんが減っている。それから修学旅行の一つのコースにもなっておりますんで、それが軒並みキャンセルになった時期がございましたんで、早くそれが回復することを祈っているという答えを聞いております。それから宿泊施設ですね、市内の。宿泊施設でも、集客施設でも同様に、2週間から3週間っていうもの、かなり大きな被害が出てますから、何とかそれを盛り返したい、「もう大丈夫ですよ」ということを言ってまいりたいと思います。
一方で、じゃあインフルエンザが終わったのかというと終わってはいないんですよね。終わってはいないですけれども、克服可能であるということが皆さんに分かっていただいたという部分ではないかと思います。疫学的な見地からの新型インフルエンザの対応というものは、これは今後の体制っていうものを考えるうえでも、きちんとデータとして残していかなければならない部分は対応しつつ、一方で発熱外来っていうものに、かなりの労力をかけていただいているお医者様方のご協力体制、あるいは我々の保健所の体制っていったものも、少しずつ、やはり見直していく時期が近づいているし、既にもうそういう体制に入ってもいいかなという思いもあります。
一方で、やはり危惧しておりますのは、南半球は今冬でございまして、私どもの姉妹都市でございますメルボルン、これがオーストラリアで、全体、オーストラリア全体で1,000人を超える新型インフルエンザの患者がある中で、メルボルンのありますビクトリア州、特にメルボルン市では800人を超える患者があるという情報を聞き、私、昨日でしたか、メルボルン市長に宛ててファックスをさせていただきました。向こうの状況を聞きましたら、マスクをしている人は、ほとんどいらっしゃらないということですし、それで、やはり日本と同じように罹ってる方も、発熱外来も向こうにあるんですけれど、罹っておられる方も冷静に対応していただいてて薬が効くので、休校措置も3日ほどで大体解除されているというふうに聞きました。冬場に向けて、我々は今度同じような第2波がどういう形ででてくるのかというのを、きちんと見守らないといけないんで、そういったデータを、今向こうも、メルボルンも非常に忙しい状況ですから、ある程度落ち着いた段階で、そのデータ等を問い合わせてその間の対応をどうされたか、あるいは、患者さんの状況がどうであったかっていうものを取り寄せて分析はしたいと思っています。はい。
記者
個別の案件なんですけれども、近代美術館の計画で、外郭の有識者会議が動きはじめましたけども、改めてちょっと確認をしておきたいんですが、これは、建設を前提とした検討なのか、あるいは、建設の是非も含めてゼロからの議論ということなのか。ちょっと市議会の市長のご答弁だけでは、少し分かりづらい部分もあったかなと思うので、この点をちょっと確認しておきたいんですけれども。
市長
今詳しい数字がちょっと、ひょっとしたらとんでるかもしれませんが、当初計画がずっとまだ生きてるんですよね。近代美術館という建物はこれぐらいの広さがないといけないとかですね。その当初計画が生きたままきてるんです。私は、「これは無理や」ってはっきり言ってます。こんなに広いものを今建てるだけの財力もないし、かといって、じゃあ4,000点を超える作品を、やっぱり一番、その美術館の中で見ていただきたいというすばらしい作品がいっぱいありますんで、近代美術館をつくりたいという思いはあります。ですから、今回お願いしているのは、どういった、もちろんスキームとかですね、今の土地をどの程度使うとかという設計の基本的な容量をどれくらいにするのかといったこととかを含めて、私自身はお願いしたいと思っているのは、建てる方向で、近代美術館を建築するという方向で、お金集めも含めまして、市民の方にいろんな形をお願いしたいと思いますし、ふるさと納税をどの程度使わせていただけるんやろうかとか、あるいは、市役所の職員にもういっぺん、「ふるさと納税で、近代美術館建てるの手伝うてや」というのも言うていきたいと思ってますし。本当にすごい作品がいっぱいあります。その作品を市民の建物の中、大阪市の建物の中で、きちんと見ていただきたいという、その思いで走っていきたいと思っています。ですから、基本はそういうことなんですけれども、これから細かいところは出てくると思います。
記者
じゃあ、基本的に白紙に戻るというようなことは、これは想定されていなかったと。
市長
白紙になるというのは、初期の、第一期の近代美術館の計画、何平米になってたかな、2万平米?、誰か分かる?
小倉情報公開室市民情報部長
2万4、5千平米と思います。
市長
という、ごめんなさいね、もし数字が違ったら、あとで訂正で入れますんで。「そういうものではないでしょう」と。お金がいっぱいあったときに、土地を先買って、ドーンと近代美術館を建てましょうね、佐伯祐三さんの作品を初コレクションという形でいただいた、「これを飾るのにふさわしいのはこういう建物です」という夢を描いた時代の大きな建物ではないにしても、やっぱり近代美術館という名前にふさわしい、そして、そういったものを建てて、皆さんに見ていただきたいという思いがある。それを広く、経済界、あるいは、大阪市民の皆さんに、大阪市に企業基盤をもっていらっしゃる方たちにも協力をお願いしていきたいという思いです。
記者
すみません。それと、あと2点ほど、恐縮ですけれども。橋下知事がですね、府立大の見直しを進められていて、市立大との統合みたいなお話もですね、ある程度口にされているようですけれども、それについて市長のご認識と、何か話し合いに進展があればということと、あと、府市連携ということで、水道統合ですね、これで前回から何か変わっているような状況があるのか、スケジュール感に何か変更があるのか、これをちょっと確認させていただきたいと。
市長
はい。昨日でしたかね、府立大学に初めて知事がいらっしゃって。で、あまり市大のことはおっしゃらなかった。むしろ私立の大学からの話があるみたいにおっしゃったって聞いてますが、先日お会いした際に、「私、また大学の方も」っておっしゃったんで、「いや、いまは、府立大学、市立大学、逆に別々に、私はそれぞれの力を表に出していっていい時期だと思う」というふうに、方法ということに関しては、私は、否定的なお答えをしました。これは私自身、大学、公立大学っていうものがどうあるべきかとか、細かい話し合いはしておりませんけれども、私自身のイメージとして、確かに巨額の税金を使わせていただいてますが、使わせていただいているからこそ、大阪市立大学で研究された内容であるとか、あるいは大阪市立大学が持っている遺産であるとか、といったものが市民にどう生かされるかが、見えるようにすることが大事であろうというふうに思いますんで、その努力をまだしていない部分を感じますから、それをさせていただきたい。ですから、明日まで地下2階の食堂で、抗疲労研究チームのその成果というものを分かりやすい形で市民にお知らせすると。これも、大阪市立大学がこういう、「世界で疲労に関する研究では先頭をいってるよ」っていう、それを広く皆さんに分かっていただくという意味でも、私は意義のあることだと思うし、今後そういったものを、大阪市立大学をいろんな形で、もちろん独立行政法人なんですけれども、刺激をさせていただきたいと思いますし、それによって、「府立大、市立大というものの存在感をいよいよ増したうえで、ひとつになって、もっと大きいもんになりましょう」というのはまた別かなあと思いますが、現時点では、私は、市立大学は市立大学、府立大学は府立大学で、お互い競い合ってほしいと、むしろ。そういう気持ちでございます。
それから、水道協議ですけども、具体的な進展ということはございません。「7月までにお願いします」というふうに言ってるんですが、これは、「7月までにコンセッション型でいきましょうという態度表明さえしていただければ、私どもとしても何とか、まとめることはできますよ」ということを申している訳でございまして、別に、前にも申しましたが、7月がデッドラインだという訳ではありません。ただ、府営水道の方からデータ等を取り寄せる動きも具体的にもう始まっておりますんで、当初、9月とおっしゃってた部分、府が9月とおっしゃってた部分も、少しでも前に出しながら、というより、7月末までに知事には、「コンセッション型でいこう」というふうに言っていただきさえすれば、さらに一歩前進ということが言えると思います。
市長
数字です。すみません、新型インフルエンザの数字でございますけれども、大阪市の観光の影響ですが、旅館等のキャンセル状況です。79,000人、これは、5月16日から24日までのおよそ1週間のキャンセル分でございます。8日間です。79,000人、6月5日集約時点で、影響額、概算が13億3,000万円。13億3,000万円が旅館等のキャンセル状況です。
それから、近代美術館、24,000平米、280億円というのが、最初の規模としてあがってたんですが。これは私は、ちょっといまでは無理で、「何平米あったらおさまるんだ」っていう話をしっかりしてほしいっていうふうに言っております。
記者
先ほどの府大と市大の統合の話なんですけども、先日、知事にお会いされたときに、また、知事から「大学の話を」ということでふられたということなんですけれども、具体的に知事からどういうまた、大学に関するお話をされたんですか。
市長
いや、具体的に細かい話し合いっていうんじゃなくて、「大学もいっしょにやりましょうよー」っていう知事のいつもの言い方で。「大学もいっしょになりましょうよ。大阪一つでいいじゃないですか」って言うから、私は、「じゃあ何大学って言うんですか、大阪府市大学っていうんですか」とか、大阪大学はいまもうあるわけですから。「じゃあ他にどう言えばいいんでしょうね」みたいな、そんなかわし方だったのかもしれませんが、協議をしようということに対しても、私はいや私自身が、大阪市立大学の可能性というものをもうちょっと、いま理系学舎のですね、建替え問題ありまして、先日見に行ってきましたけれども、まあ狭隘な大変な施設です。ここやっぱりきちんと、南部先生というノーベル賞学者を生み出したところでもございますんで、やはり大阪市民に今の状況を知らせれば、「何してんねん、大阪市は。もうちょっときちんと勉強できるところつくらんかい」というふうにたぶんおっしゃっていただけるやろうと思います。かといって、何でもかんでも素晴らしいものをどんどん建てるというんじゃなくて、そこで知恵を使いましょうということを言ってますんでね。知事はでも、そうはいっても諦めないと思いますんで、色んな形でおっしゃってくると思いますんで、その度に逆に、「府立大学がその分野ですごいんだな」、「市立大学がこの分野ですごいんだな」ということが出れば、それでひとつの効果かなと私は思っておりますし、多くの学生が大阪市立大学を目指して大阪に来て欲しいと、そういう思いでいっぱいです。
 

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