平成23年3月8日 大阪市長会見全文

【人こそが活力の源!『人の都 大阪市』キャンペーンを展開します】


皆さんこんにちは。今日はまだ少し寒い中、こういうかたちで定例会見をやらせていただきます。2月25日に中之島中央公会堂での地域4団体主催のシンポジウムの場で、ほんの少しだけご紹介させていただきましたが、今後の新しい市政の方向性、そのスローガンについて、今日はきちっとしたかたちでご説明したいと思い、寒い中ではございますが、この屋外でやらせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。この場所、どういう場所かということなんですが、この、皆さんから見ると右手にございます、この建物が適塾でございます。福沢諭吉、それから橋本佐内、大塩平八郎などを育てた大阪の人の素晴らしさを象徴する場所であるということで、今日この場所に来ていただいたわけでございます。今日はこの後、60秒の映像もご覧いただくことになっておりますけれども、その中で、『人の都 大阪市』というロゴを紹介しております。なぜ人の都なのかということで、その前にこのボードをご覧いただこうと思います。

これは、ちょっと小さい字で申し訳ないんですが、大阪市に関するデータの一部でございます。公立小中学校の耐震化率が94.4%、府の平均が67%ということになっています。ひったくりワースト1返上に向けて、本当に市民の皆さんの大きな協力をいただきました。去年、念願の政令市ワースト1を脱することができましたが、防犯カメラの設置台数、これは新規設置台数で平成21年度、約5,700台、大阪市内に付けることができました。大阪府全体では約6,800台ですから、大阪市が8割を占めると言っていいと思います。
そして、大阪市の人口ですけれども増加に転じています。関西全体の景況感を見てみますと、「近畿の景況感、全国最高水準へ、雇用も大幅改善」という、これは日本生命の調査なんですが、といった報道もされておりました。
そしてこちらが、2011年1月、今年の1月ですが、イギリスの雑誌『エコノミスト』の調査部門が発表した世界で最も住みやすい都市ランキングで、大阪市はアジアでトップでした。調査対象が世界の140カ国、ごめんなさい、世界の140の都市で、世界ランキングでいうと大阪市は12位、アジアでトップです。東京は18位ということでした。
で、この下が森記念財団が発表した世界の主要35都市の都市総合力ランキングで、大阪市は「居住」の分野で、バンクーバー、パリについで世界第3位に挙げられております。

このように大阪市は世界的に見てもメジャーな存在やと思うんですが、例えば「大阪市といえば何々のまち」とこう聞かれて、はっきりした像をその場ですっと言えない部分は、きっとあるのではないか。大阪のイメージを、どう今後かたちづくっていけばいいのかということで、ずっと頭を悩ませておりました。

ところが、こういった「大阪といえば何のまち?」って聞かれると答えられないのに、逆に「大阪人ってどんなん?」というふうに聞かれると、意外とピンとくる人たちが多いのではないかと思うんです。知恵とか、あるいは工夫というものが、大阪のまちを育ててきた歴史があります。そして、街並みよりもどっちかっていうと、人間性のあたたかさ、そういった印象のほうが強いのではないか。こういうまちっていうのは、日本の中でも、私は大阪以外には無いん違うかなと思っています。今、大阪都構想というものが話題になっておりますけれども、大阪市をあずかる市長の私としましては、非常に大きな危機感を持っております。何に対する危機感かということなんですが、それは人を単に人口規模でありますとか、頭かずだけでとらえて議論をする、そんな風潮に対しての危機感でございます。1人ひとりの人間が持っている思いや誇りに対する謙虚さが欠落している考えだと、私、思っております。

あらためて申し上げますが、大阪市の成長のための最大の資源、私はそれは最大の魅力である「人」ではないかと思います。大阪市は、そういう「人」を大切にするまちでありたい。この適塾に象徴される、大阪の人の多彩さや、あるいは能力の素晴らしさに、もう一度、心から信頼を置いて、この大阪を誇りに満ちたまちにしていきたい。今日は、その宣言の日にしたいと思っております。では、60秒の映像をご覧いただきましょう。どうぞ。

ご覧いただきましょう、このマークなんですけれども、もうおわかりのように大阪市のかたちを表しておりまして、人の横顔が重なり合って大阪市のかたちになっている。人と人がつながって、豊かな地域社会をつくっていくことを象徴したものでございます。今後、この『人の都 大阪市』をスローガンといたしまして、いろんな施策に横軸を通していきたいという思いです。また、このスローガン、市民の皆さんの生活の中でもロゴマークといっしょに使っていただければ、とてもうれしいなと思っておりまして、あちらに並んでおります、あのボード、こういった使われ方のイメージです。

そういうことで、これから大阪を明るく盛り上げていこうと思っておりますし、そうありたいという気持ちでございます。いっしょに大阪市を盛り上げてもらうメンバー、今日は来てもらっておりまして、大阪市をホームタウンとするJリーグ、セレッソ大阪のマスコットで、東住吉区民でもあります『ロビー』と『ロビーナ』です。とうもありがとう。ここ(肩の「OSAKA CITY」のマーク)をちゃんと見てもらわないと。今年からユニフォーム、「OSAKA CITY」と、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)、先日、長居競技場で勝ちました。この時も、このマークを付けてピッチを駆け巡っておりました(正しくはACLでは付けない)。
そして、こちらです。今年から大阪市を本拠地として市民球団となる、プロ野球オリックス・バファローズの新しいマスコットでございまして、まだ名前が決まっておりません。はい。今、募集中ということですよね。これから大阪市のPRをいろいろなところでやってもらいますし、地域の子どもたち、まちに出かけてって、このマスコットキャラクターといっしょに、「大阪市はええまちや、人の都 大阪市」というかたちで宣伝していきたい。そして協力をいただきたいと思っております。多くの皆さんと大阪を明るく、そして元気にしていきたい、そう思っておりますんで、よろしくお願いいたします。

【市長がイタリア、デンマークを訪問し、トッププロモーションを行います】

さて、では次にまいります。キャラクターはこのままいてもらいますか?はい。「人の都」、人材ということでは、クリエイティブの分野で優れた人たちに、この大阪に集まってきてもらいたいということを言い続けておりますし、そのために私の動きということで、来月の12日からミラノの国際的なデザインイベントであります、『ミラノ・サローネ』に行ってまいります。そしてミラノ市長との間で、デザイン交流開始についての合意をとりつけたいと考えています。ちなみに2011年、今年はミラノ市と大阪市の姉妹都市提携30周年にあたる年でもあります。世界からデザイナーなどが集まる『ミラノ・サローネ』の開催中のこのタイミングというのは、ミラノ市と連携して「クリエイティブ・デザイン都市大阪」を世界にアピールする絶好の機会になるとも思っています。今回の訪問は本市特別顧問の喜多俊之さんから提案いただいたことがヒントとなって実現いたしました。今年9月には、御堂筋デザインストリート推進関連事業として、ミラノから著名なデザイナーをお招きして国際シンポジウムを開催したり、ミラノ市と連携するデザイン関連イベントを数多く展開する予定になっております。
ミラノ訪問に先立ちまして、デンマークのオーフス市も訪問いたしまして、大阪の高いロボット技術をPRしてきたいと思っています。オーフス市は、医療福祉分野へのロボット技術導入を進めておられます。オーフス市の医療機関や研究所を訪問し、ロボットのまち大阪との今後の交流・提携に向けた意見交換を行ってまいります。

【区長人事異動内示の前倒しについて】

最後に、これも「人の都 大阪」という大きな方向性、スローガンに向けての動きになると思っております。市民の視点に立って区役所が変わらなければならないと言い続けているわけですが、人を大事にする、あるいは地域のつながり・絆を大事にするうえで、区長の役割というのは大変重要であると思っています。区長の人事異動に関しましては、昨年までは3月下旬に内示しておりましたが、今年は1週間ほど早めて3月中旬に行う予定です。十分な準備をして、4月から腰を据えて、市民の皆さんの期待に応える区役所の改革に取り組んでもらおうと思っております。本日は以上でございます。

質疑応答
記者
大阪市はかつて『大阪咲かそ』っていうキャンペーンもやってたと思いますし、大阪府のほうで『すきやねん大阪』とかいうキャンペーンもあったかと思いますが、そのあたりとどこらへんが違うのかっていうことが1点と、『人の都 大阪市』と、「市」が入ってるところに、なんかちょっと意図も感じるんですが、そのあたりご説明いただければと思います。
市長
はい。確か『大阪咲かそ』は西尾市長時代、それから国際集客都市キャンペーンというのが磯村市長時代にありまして、様々なキャンペーンをこれまでやってまいりました。で、私、市長になって3年、いろいろと市内を走り回り、なおかつ地域の方々と話をする中で、本当に地域から市政を変えるという新しい方向性をはっきり打ち出すことができたのも、大阪市にいろいろなかたちでご協力をいただいている企業の人たち、あるいは地域の人たちのおかげでございます。そういった意味で、やっぱり人の魅力を最大限に生かすことができるまち、あるいは、そういった人たちが寄り添い、なおかつそこに行政がしっかりと共に住むということを出すためには、やっぱり今一度、地域の、基礎自治体優先の原則とか固い言葉で言うてる部分を、もういっぺん、『人の都、大阪市』っていうところに帰りたいということからまとめたものでございます。自分自身が3年間やらせていただいたことの延長線上で、これからめざすべきまちの姿というものを表現するには一番いい言葉かなあと思っています。
記者
あと、「市」については。
市長
私、大阪市長ですので、大阪市長ですのでまず大阪市。で、なおかつ大阪市に働きに来られてる方たちも企業市民という感覚で思っておりますので、そういった方たちにも今後あらゆる協働、市民協働というかたちにも参画していただきたいですし、そういう、うねりを広げていきたい。だから「市」が入ってるのは別に、意図的でもなんでもなくて、私は大阪市長で、大阪市の今後のスローガンとして「人の都」を訴え続けていきたいということでございます。
記者
市議会のほうでですね、議員報酬を下げるという動きがですね、本格化しつつあるんですが、市長としては議員報酬の高い安いについて、どのような考えを持っておられますか。
市長
議員報酬につきましても、これは議員の皆様で協議してお決めになることであるというつもりでおります。で、確かに比較すると、政令市の中でも、あるいは全国的にも大阪市会議員の報酬は高いということが、なってる、そういうふうに比較するとなっておりますが、私自身として、じゃあ高いのか安いのか、何が適正なのかっていう水準を持ち合わせていないので、これはもう議会の方がお決めになるという方向で進んでいただければと思ってます。はい。
記者
基準を持っていないというのと、議会の人で決めてほしいという理解をしたんですが、それでもあえて、率直に市長が議員報酬についてどう思っておられるのか。
市長
これは議員の方が、何て言うんですか、他にお仕事を持ってらっしゃって、会社を経営されておられたり、収入がおありの方とそうでない議員の方がありますし、なおかつ議員活動として、日頃どういった事務所を持ち、どういった方たちと地域の活動をされているか、そういった、そのかかる経費の問題もある。なおかつ政務調査費についても、これは大阪市も1円からの領収書を公開というかたちとも、公開というかたちにもなっておりますので、情報公開の透明度は増したと思いますが、議員の活動の内容そのものが、しっかりと市民の皆さんにお知らせできてるかどうかっていうのは、これはもう市会議員としての限界がやっぱあると思いますね。ですから、それが高いのか安いのかって、一概に言えるもんではないだろうというふうに私は思っています。中には半減であるとか、それとか極端なことを言えば、ボランティア議員とかいう制度をおっしゃってる方もあるようですが、今の日本の議会制度っていうものを考えた時に、やはり、きちんとした議員活動をやられるうえで必要な経費、それとそれに見合う生活を保障する手段というものとしての報酬が妥当かどうかというところで、もちろん景気が悪いから下げるのがいいんだ、あるいは選挙が近いから下げることが争点になるみたいなことで言われてること自体も、ややムード先走りという感じはしないでもありません。はい。何をしていただくのかということです。
記者
まちづくりという点でですね、もう1つ気になる事業ということで、近代美術館についてなんですけども、今ね、評価部会が開催されてますが、その中で例えば委員の中からですね、サントリーミュージアムなど、既存の施設を活用して、要は本体建設費用をもう少しコストを下げれないかというような声もありますが、いかがでしょうか。
市長
ごめんなさい。それは、その部会って僕にも報告あったっけ、部会の。
情報公開室長
大規模事業評価部会で、まだ決まってないんで。
市長
まだ正式報告もらってないですよね?もらってないですよね?
情報公開室長
今、審議の途中です。
市長
はい。具体的な報告受けてません。ただ、サントリーミュージアムというものをサントリーさんから大阪市にいただきました。で、あそこの展示エリアってのは、1,000平方メートルなんですよね。で、これは近代美術館が所蔵している4,000点を超える、4千5、6百あったと思いますが、作品を収蔵・展示するのには不向きであると。それともう1点、やはり近代美術館というものに関する、その長年にわたる大阪市民の思いというものを、最初に佐伯祐三コレクションを寄贈していただいた山田發次郎さん(正しくは山本發次郎)、山發コレクションという名前で有名ですが、これをきっかけに始まった大きな流れが途絶えてしまってることに対する、私は大阪を文化が香る都市格の高いまちにしたい、なおかつ土地まで確保してあるのにほったらかしにされている。そういった現状を、しっかりとした構想と、さらには市民の皆さんに本当にゆったりとくつろいでいただけるような空間のイメージで、従来からある美術館構想とは少し違うかたちでの審議もお願いしているはずでございます。今後、そういった大規模事業評価委員会(正しくは大規模事業評価部会)でしたっけ、の、委員会での審議をしっかりとやっていただいたうえで、それを読ませていただいて、その意に沿うかたちで進めてまいりたい。で、費用に関して、建設費用に関しては、20年、10年前ぐらいか、最初にこの案が出た時と比べて、かなりもうコストカットはしてます。で、コストカットをしながら質を維持するっていうことが知恵の使いどこやというふうに思ってます。はい。
記者
あのね、それに関してなんですけども、担当者の方にお話を伺ったんですが。
市長
どなたですか?
記者
あのですね、準備室の方です。はい。美術館準備室の方にお話を伺ったんですが、やっぱこう、運営するにあたってですね、市税にやっぱり負担を強いていくことになると。こういう面でですね、市民の方に理解を得られるのはどうかなと。
市長
はい。大阪市というまちの市税収入の構造を見ていただきますと、今は市民税収入と、それから法人市民税の収入がございまして、昔、景気のよかった頃には法人市民税の収入のほうが市民税の収入よりも倍以上あった時代もあるやに聞いてます。そういったことを考えると、市の都市格を上げるっていうのはどういうことかっていうと、多くの人たちに集まって来ていただく大都市としての都市格、さらには維持費がかかっても、これは将来の大阪市の子どもたち、あるいは関西の子どもたち、そういった一級の美術品に触れる機会を、近くで、そして安くで触れられるという機会を提供するのは、私は維持費がかかっても公がやるべきことではないかと思っています。もちろん、その維持費についても、あらゆる知恵を使いながらですね、民間のご協力をいただいたり、供託金であるとか寄付をいただくというかたちで盛り上がっていかないと、単に行政が箱物つくるんかみたいに思ってらっしゃる方あるんですが、そうではないんです。これは本当に、4,600ぐらいある中の3千5、6百は市民からの寄託を受けている作品であり、中には素晴らしい価値を持っている作品もたくさんあります。そういったものを倉庫に眠らせてるほうがいいのか、逆に経費がかかっても多くの人に見ていただく。日本中から、あるいは世界からもいろんな方に見に来ていただくというものが、単にランニングコストだけには変えられないものにつなげる、その決意を持って取り組みたいということです。ただし、無駄遣いであるとか、何て言うんですかね、大きな箱物つくってあとはほったらかしとか、そういうふうには絶対にしないという決意を持って取り組みたいという気持ちで、今、大規模行政評価委員会の。
情報公開室長
事業。
市長
大規模事業評価委員会の、その答申待ってるところです。はい。
記者
すみません、最後にすみません。今ね、この財政難の中でこの計画をですね、中止しようというようなお考えになられたことってありますか。
市長
いや、私はむしろこれ、市会の委員会でも答弁した記憶があるんですが、こういった不況で、例えば80年前に大阪城が建ちました。あの時が世界大恐慌のあとです。市民の寄付であれが建ってます。そういったものが80年後の今、さらにもう一度、我々は大阪城を新たな観光資源として再興したいという思いを持っています。それと同じように、時を経ても価値のあるものをしっかりと後世に残すということが、逆にこの不況の時、閉塞感がいっぱいの時であるがゆえに、それを打ち出していきたいという、逆バネみたいなつもりでおるんですが。はい。
記者
ありがとうございます。
情報公開室長
先程、市長「山田發次郎コレクション」と言いましたが。
市長
山本。
情報公開室長
「山本發次郎」でございます。
市長
ごめん、「山本」ですね、すみません。
記者
今日の発表と関係ないんですけれども、河川事務所の現金抜き取り問題で、懲戒免職となった職員の方が大阪市を提訴されましたけれども、処分取消を求められて。その訴訟の中で、処分の執行停止の申立てというのを大阪地裁にしているんですけれども、これに関して地裁からですね、大阪市の主張を出すようにということで、多分求められてると思うんです。で、すでに大阪市の主張を出されているのであればですね、どういう内容で主張をなされたのかというのを教えていただければと思うんですけども。
市長
はい、わかりました。2月末に大阪地方裁判所が、その訴訟を進めるにあたって意見書を出すようにということでした。で、その執行停止の申立ては訴訟の判決が確定するまでの間の緊急措置として、懲戒処分の執行の停止を求めるものだということで、その懲戒免職処分の取消請求の審議に先立って手続きが進められているということです。ですから大阪地方裁判所の求めに応じまして、意見書を提出したという報告は受けております。で、その内容ですけれども、もちろん本市が行いました行政処分、これの正当性を主張しているわけですが、妥当である旨を述べて執行申立ての却下、これを求めています。執行停止の申立ての却下を求めております。で、この点、詳しい内容につきましては裁判所で判断されることですから、この場で詳細を述べることはできませんけれども、今回の懲戒免職処分に関する市民の皆さんへの説明責任という意味で、今日は少し述べさせていただきたいというふうに思います。まず申立人でございますけれども、公務の遂行中に10万円もの大金を発見し、一旦、いわゆる懐に入れた、これを「領得」という、法律用語では言うらしいですが、領得したのちに廃棄したとしております。しかしその際、警察に届けたり、あるいは告発の際の証拠として保全するというようなことをしておられません。およそ全体の奉仕者としての意識から、かけ離れた行為をとったというふうに判断をしたわけです。で、これまでは告発者保護の観点から明確には申し上げておりませんでしたが、告発人は、ごめんなさい、申立人は、告発を行う前から同僚職員への暴言であるとか恫喝、あるいは器物損壊等の行為を行っておりまして、多くの同僚職員がその申立人を恐れていた旨の証言をしております。また、これまで告発者保護の観点から申し上げていなかったことということで今申し上げたんですが、処分量定ということですが、確かに事実の解明につながった告発行為を軽減要素として考慮しております。これも、記者会見でも前、申しました。で、考慮してもなお総合的な判断としては、公務員としてあるまじき行為を行ったものとして免職が妥当であるという結論ということです。あたかも申立人が身の危険を賭して勇気ある内部告発を行ったことに対して、本市が見せしめ、あるいは報復目的で懲戒免職処分を行ったかのような構図で捉えられているところがあると、この間ずっと感じておりました。しかし、私どもが認定した事実からは、そういったものではありえません。意見書ではこうしたことをきちっと述べたというふうに聞いています。今後、裁判所で判断されると思います。これから法廷になると思いますが、その法廷の場でも我々の主張をずっと展開していきたいと、このように思っています。
記者
「人の都」ということなんですけども、企業も資本は人だと思いますし、まちも人がいないと成り立たないと思うんですが、なぜ今、この時期にこういったスローガンを掲げられたのかということと、これを聞いた、目にした市民の方々にどういう意識を持って動いてほしいと思ってらっしゃるか、具体的にどういった広がりになっていくのか、教えていただけますでしょうか。
市長
はい。いろんなところで私が出会った人たち、特に大阪市を好きやと、これは『大阪咲かそ』も同じだし、『すきやねん大阪』も同じ動きだと思いますが。で、そういった方たちがあまりにもこの経済の不況とか、就職難であるとか、あるいは身分、雇用の安定とか、閉塞感に覆われている時代。しかし、皆さんには、しっかりしたこの大阪市民という基礎があるんですよというものを、是非お隣さんとか、お向かいさんとか、あるいは地域の方々と共有していただきたい、その動きを地域懇談会を通じてもずっと言い続けています。「地域から市政を変える」と言いましても、今までの市政改革というのは、どうしても行政側の改革、経費削減であるとか、その方向が表に出てました。しかし、それと同時に私は市民の協力を得て、街頭犯罪を減らしてきたり、あるいは違法駐輪を減らしてきたり、ごみを減らしてきたり、それをやってくれたところに必ず人がいた。それをあらゆるところで言い続けてましたんで、このタイミングだというふうに思ったのは、今まさに大阪都構想、これは私は「妄想」と言ってますけれども、ずっとその中身を、具体的な中身さえ出していただけたら私は議論する用意があるということで、例えば区割りが出た時に財政調整をどうするのか、現在の税収がこうなのに、一体どうやって市民に市民サービスをやるのかということを用意してたんですが、一切それは出ないまま、大阪市がつぶされようとしている動きがあります。そういった時に、是非、皆さんが住んでいる大阪市っていうのは、もともと素晴らしいまちで、その素晴らしいまちを支えてくれた多くの人がいるんですよということをわかってもらいたい。それは企業市民の方だって同じなんですよ。このまちをこの3年間走りながら、本当に目に見えるかたちできれいになったよねとか、これは私だけではなくて、私より前の人たちが中之島の整備をやったり、いろいろなかたちで取り組んできてくれてます。で、この時期にこそ、もう一度「人の都」としての大阪市を、是非、皆さんは誇りに思っていただきたいという思いで言わせていただいています。で、今後は、例えばですね、いろんな運動をやっていただいている地域の市民の皆さんに、あれはランドセルの後ろについてますけれど、例えばスタッフジャンパーのところに『人の都 大阪市』っていうのを付けていただいたり、スタジアムもありますけれども、セレッソ大阪さんにもご協力いただきたいと思ってますし、それからオリックス・バファローズの皆さんにもご協力いただきたいというふうに思っていますし、いろんな展開できると思います。大阪府さんが『大阪産(おおさかもん)』ていう、そのロゴを使って、飲食店であるとか、野菜の店であるとか、確かあれは申請して許可を得て使えるということになるんだと思いますが、我々も、そんなに堅苦しい申請ではなく、これを自由にダウンロードしていただいて、どっかに付けていただけるようなかたちであったり、キャンペーンであったり、いろんな場所で展開していきたいというふうに思います。あとは私、前にもブログにも書いたんですけど、外国の方にしても、大阪に来られた方ってのは、この庶民性、垣根の低さ、あたたかさ、人のあたたかさといったものに、すごく感動されます。それをもういっぺん、大きな市民運動にしていきたいなあというふうに思います。
 

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