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報道発表資料 新たに大阪市指定有形文化財及び天然記念物を指定しました

2018年5月11日

ページ番号:434472

問合せ先:教育委員会事務局文化財保護課(06-6208-9069)

平成30年5月11日 14時発表

 大阪市教育委員会では、大阪市文化財保護条例に基づき、市内に所在する3件の文化財について、平成30年5月11日(金曜日)付けで、大阪市指定有形文化財・大阪市指定天然記念物として指定しました。

 本市では、市内に所在する文化財で、国や大阪府が指定していないもののうち、本市の歴史や文化を理解するうえで欠かすことのできない重要なものについて、その保存及び活用により市民の文化の向上及び発展に寄与することを目的として、平成11年度から大阪市指定文化財を指定しています。

 今回は、幕末の大坂城を撮影した湿板写真原板(しっぱんしゃしんげんばん)や、特別史跡大坂城跡の本丸内における発掘調査で出土した三葉葵文鬼瓦(みつばあおいもんおにがわら)を有形文化財として指定します。また、三木茂博士が収集し、メタセコイアの発見とその後の普及に重要な役割を果たした化石標本を天然記念物として指定するなど、合計3件の文化財を指定しました。

 これらを新たに加えた大阪市の指定文化財の総数は、合計250件となります。

(これまでに指定した大阪市指定文化財については、大阪市指定文化財分類一覧表 でご覧いただけます。)

新たに指定した大阪市指定文化財3件の内訳(〔括弧内〕は所有者)

大阪市指定有形文化財 2件

歴史資料 1件

幕末大坂城湿板写真原板(ばくまつおおさかじょうしっぱんしゃしんげんばん)〔大阪市(大阪城天守閣)〕 一括(6点)

概要:コロジオン湿板法(湿板写真)は1851年に考案され、19世紀後半に広く用いられた写真技術である。この写真原板は宮内庁書陵部にある49点とともに、慶応元年(1865年)~2年(1866年)の第二次長州征伐の時期に大坂城が軍事拠点となった際に撮影されたものと考えられている。内容は、大手門・大手口多聞櫓、南仕切門・太鼓櫓、蛸石、本丸東側の諸櫓、人面石、中之島からの遠望といったもので、宮内庁書陵部所蔵分の大半の写真が建物や石垣を基本的に正面から記録を目的に撮影されているのに対して、特筆すべきものを選んで印象的な写真を意図したかと思われるものを含む。大坂城の姿を写真としてとどめた最古の記録であり、大手門や大手口多聞櫓などをのぞいて多くの建物が戊辰戦争の際に焼失しており、往時の大坂城の姿を知るうえできわめて貴重な資料といえる。また、わが国における写真撮影技術の受容とその発展の歴史を知るうえでも欠かせない資料である。

大手門の写真
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大手門

南仕切門・太鼓櫓の写真
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南仕切門・太鼓櫓

蛸石の写真
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蛸石

本丸東側諸櫓の写真
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本丸東側諸櫓

人面石の写真
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人面石

中之島からの遠望の写真
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中之島からの遠望

考古資料 1件

大坂城跡本丸内出土三葉葵文鬼瓦(おおさかじょうあとほんまるないしゅつどみつばあおいもんおにがわら)〔大阪市(教育委員会事務局)〕 一括(5点)

概要:本資料は大阪城天守閣の南東側において平成25年(2013年)に行われた発掘調査で出土した。この調査では重要文化財「金蔵」の東に広がる空閑地に形成された瓦廃棄土坑が10基以上検出され、多量の瓦が出土した。これらの瓦は、徳川期大坂城の本丸内にあった建物に用いられ、その廃絶や改修に伴って廃棄されたものである。出土した多量の瓦のうち、徳川氏の家紋である三葉葵文を意匠とした全形をうかがえる5点の鬼瓦を指定した。徳川期大坂城の本丸内建物に用いられたことが確実な資料であり、これらのうち最大の鬼瓦は千貫櫓の鬼瓦や指図に記された鬼瓦との比較から、徳川再築当初のものである可能性や天守に準じる主要な建物に用いられた可能性が推定される。近世城郭完成期の瓦資料として一級のものであり、今後、幕府による城郭整備に用いられた瓦としての位置づけや、城内に残る徳川期の建物に葺かれた瓦との編年的な比較検討など、さまざまな研究を行ううえでの基準資料が得られたという点で、貴重な資料と考えることができる。

三葉葵文鬼瓦の写真
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三葉葵文鬼瓦

三葉葵文鬼瓦の写真
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三葉葵文鬼瓦

大阪市指定天然記念物 1件

三木茂博士収集(みきしげるはかせしゅうしゅう)メタセコイア化石標本(かせきひょうほん)〔大阪市(大阪市立自然史博物館)〕  一括(457点)

概要:植物学者の三木茂博士は、大阪層群(大阪地域に分布する350万年前~30万年前)に相当する地層から圧縮化石とよぶ植物化石を発見したことから、植物化石の研究に進み、多くの資料を採集し研究をおこなった。その結果、従来はヌマスギ属やセコイア属に分類されていたヒノキ科の針葉樹の化石の中にそれらと異なる植物化石があることを発見し、新属メタセコイアを設立した。三木の業績の特筆すべきことは、新たな種を発見したのではなく、従来別の種と考えられていた既知の標本の中に、属のレベルでそれらとは異なる未知の植物があることを発見したことにある。丹念に日本各地から多くの資料を集め、基本に忠実な観察により分類、研究する中で成し遂げられたものである。この研究のために収集、整理したメタセコイア化石標本はその基礎資料と言うべきものであり、極めて貴重なものと言えよう。457点の内訳は、圧縮化石(プレパラート標本)が337点、印象化石が120点である。化石の発見後、中国で現生種が発見され、“生きた化石”として注目された。三木はアメリカの研究者と協同して国内での普及に努めたことから、メタセコイアは現在見るように市民に親しまれる存在となった。

圧縮化石のプレパラート標本の写真
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圧縮化石のプレパラート標本

球果の標本の写真
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球果の標本

枝葉の標本の写真
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枝葉の標本

印象化石標本の写真
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印象化石標本

なお、大阪市立自然史博物館では、「三木茂博士収集メタセコイア化石標本」の天然記念物指定を記念して、指定標本の一部が展示されます。

 期間: 平成30年5月12日(土曜日)~6月17日(日曜日)

 場所:大阪市立自然史博物館本館 第2展示室(大阪市東住吉区長居公園1-23

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