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大阪市の環境問題の歴史

[2009年3月16日]

1.本市の公害行政(戦前・戦後から昭和50年代まで)


 

 本市における公害問題は、紡績工場のばい煙問題にさかのぼり、その対策として明治29年に制定された「製造場取締規則」(府令)において、わが国で初めて公害という用語が使われました。市域拡張以後、工業化が進んだ結果、昭和2年に「煤煙防止調査委員会」を発足させ、煙害の被害調査、ばい煙防止取締り等の研究調査を実施し、昭和7年、わが国で最初の「煤煙防止規則」(府令)が公布されました。

 第2次世界大戦後、産業活動が活発化するのに伴い、昭和25年には「大阪府事業場公害防止条例」が施行され、さらに、昭和33年には「煤煙防止月間」を設け、スモッグ対策を大阪府、堺市等の隣接都市と協調しながら進めてきました。この頃、交通騒音を主眼とした「町を静かに」のキャンペーン活動が市民運動にまで展開され、大きな成果を収めました。また、昭和34年には本市独自の「地盤沈下防止条例」を制定し、地下水採取規制に努めてきました。一方、昭和35年には「大阪市ばい煙防止会連合会」(現・大阪市都市環境協議会連合会)が設立され、事業者の自主的なばい煙防止活動の推進が図られることとなりました。

 昭和37年には、市長の諮問機関として、学識経験者などからなる「大阪市公害対策審議会」(現・大阪市環境審議会)を発足させました。同審議会は昭和40年に、大気汚染物質(亜硫酸ガス、浮遊ばいじん、降下ばいじん)に関して、わが国初の環境管理基準を答申するなど、以後、本市の公害行政にとって重要な役割を果たしていくこととなります。

 一方、昭和20年代後半から昭和30年代にかけて、水俣病などに代表される深刻な公害被害が続出し、昭和42年に「公害対策基本法」の制定を始めとして、昭和45年のいわゆる「公害国会」を経て、わが国の公害関係諸法の整備拡充が図られていきました。この間、本市では、大気環境を常時監視するため昭和40年に大気モニタリングステーションを設置し、昭和45年6月に大気汚染対策を中心とした西淀川区緊急対策・公害特別機動隊を発足させるなど、監視及び規制指導体制の強化を図ってきました。こうした組織・機構の整備とあわせ、昭和46年8月に、硫黄酸化物対策を中心とした「大気汚染防止計画基本構想(クリーンエアプラン‘71)」を策定し、さらに昭和48年11月には自動車排出ガス対策を含めた総合的な「クリーンエアプラン‘73」に改定整備しました。

 また、自動車排出ガス問題については、昭和43年に大阪府、大阪府警察本部、大阪陸運局(現・近畿陸運局)、関係民間団体とともに「大阪自動車排出ガス対策推進会議」(現・大阪自動車環境対策推進会議)を発足させました。今日では、当推進会議は、自動車環境問題の全般にわたり活動を行っています。

 一方、水質汚濁防止対策では、昭和48年3月に、下水道整備と河川の浄化及び環境改善を目標とした「水質汚濁防止対策(クリーンウォータープラン)」を策定し、昭和49年6月、庁内に「大阪市河川浄化対策本部」を設置し、河川浄化対策を強力に推進してきました。

 その他、昭和42年から公害防止設備資金融資制度を設け、公害防止設備の設置、改善を進めてきたほか、昭和44年から公害防止事業団事業等を活用して、公害発生源工場の移転・集団化事業を促進するとともに、その跡地を公園等の公共の用に供するなど、公害防止の推進と生活環境の改善に努めてきました。

 昭和50年代に入ると、都市化・産業化が年々進展していく中で、人々の生活様式の向上に伴い、公害問題はさらに複雑かつ多様化していきました。本市は、工場・事業場等に対する徹底した規制・指導と、自動車交通公害に関する諸問題を中心に取組を進め、昭和59年1月、これまでの対策を継承しつつ、長期的な観点から健康で快適な都市環境の創造に向けた「大阪市大気環境保全基本計画(ニュークリーンエアプラン)」を策定しました。

 また、河川浄化対策については、ほぼ初期の目標を達成するまでになりましたが、寝屋川水系の上流域を含めてなお対策を強化する必要があり、昭和58年5月「大阪市水域環境保全基本計画(クリーンウォータープラン‘83)」を策定しました。

 

2.公害行政から環境行政へ(昭和60年以降)


 

 昭和50年代には、大阪市を含む大都市で二酸化窒素による大気汚染が依然として環境基準未達成の状況であったことから、国は、昭和60年12月に「大都市地域における窒素酸化物対策の中期展望」を発表しました。本市では、ニュークリーンエアプランに基づき、昭和60年4月に固定発生源に係る窒素酸化物対策として「大阪市窒素酸化物対策指導要領」を策定する一方で移動発生源対策を強化するため、平成元年2月に「大阪市自動車公害防止計画」を策定しました。

 さらに、これまでの計画を包括する一方で、快適な環境を求める市民意識の向上等の状況に合わせ、従来の規制型の公害行政から未然防止・予防型の環境行政へ、さらには良好、快適な環境を創造していくために、中長期的視野にたって、地域の望ましい環境のあり方及びその実現にむけた環境分野の総合的な計画として、平成3年7月に「大阪市環境管理計画(EPOC21)」を策定しました。EPOC21では、平成元年に大阪市公害対策審議会から答申された「浮遊粒子状物質対策のあり方について」を受け、浮遊粒子状物質の目標値を設定するなど種々の発生源対策を推進してきました。  

 また、移動発生源対策では、幹線道路沿道の環境を保全するため、低公害車の普及拡大を目的として、平成3年8月に設立した「大阪低公害自動車コミュニティシステム事業推進協議会」を中心に、天然ガス自動車、電気自動車等の普及に努めるとともに、平成2年4月から毎月20日をノーマイカーデーとしました。さらに、二酸化窒素による大気汚染状況の顕著な改善がみられないことから、二酸化窒素濃度が比較的高くなりやすい冬季に重点をおいた季節大気汚染対策を実施することとし、昭和63年から、特に濃度が高くなる12月を「大気汚染防止推進月間」と定め、工場・事業場に対する燃焼管理の徹底、ビル等暖房温度の低めの設定、自動車公害対策として自動車運行の自粛などの呼びかけ等を国・府と連携して実施することとしました。

 悪臭対策としては、昭和48年8月の悪臭防止法の施行以降、特定悪臭物質について、本市の規制基準を設定し、工場等の規制指導を実施してきましたが、特定悪臭物質の規制のみでは解決されない問題に対応するため、昭和61年4月「大阪市悪臭防止指導要綱」を施行し、人の嗅覚を利用した官能試験法を導入しました。このほか、昭和62年3月に、今後の総合的な環境施策の推進を支援するため「環境データ処理システム」を導入しました。

3.環境行政の展開

 本市では、平成2年3月に「大阪市環境保全基金」を創設する一方、環境教育を総合的・体系的に推進していくため、平成3年7月に「大阪市環境教育基本方針」を策定しました。平成4年10月には、市民の環境学習や実践活動へのきめ細かな相談や支援を行なうための施設として、「大阪市市民環境学習ルーム」を開設。また、平成9年4月には、「大阪市立環境学習センター(愛称:生き生き地球館)」を鶴見緑地公園内に開設し、環境学習の拠点施設として活動を開始しました。さらに、平成10年6月に同センターの隣接地に自然体験観察園を開園するとともに、平成11年2月以降、同センターより環境学習のための情報提供を継続して行っており、加えて、平成18年4月には、同センターの展示内容をリニューアルするなど、内容の充実を図っています。

 従来の大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造を変革するため、廃棄物やリサイクルに関する一連の法律が整備されており、平成12年6月には、こうした循環型社会の形成に寄与する環境ビジネスの育成・振興の拠点として大阪環境産業振興センター(ATCグリーンエコプラザ)を開設しました。

 国際環境技術協力では、国際協力事業団(JICA、現・国際協力機構)に協力し、平成元年度から大気汚染対策コース等を実施し、研修員の受け入れを行っています。また、平成6年4月には、「国連環境計画(UNEP)国際環境技術センター」が鶴見緑地公園内に開設されました。このセンターを支援することを目的として、平成4年1月、大阪府、経済界とともに「(財)地球環境センター(GEC)」を設立し、開発途上国への適正な環境技術の移転等について、国際協力を推進しています。

 平成5年11月、国では、公害対策基本法に代えて環境基本法が制定されました。また、平成6年12月には同法に基づく「環境基本計画」が閣議決定されるなど、地球環境時代にふさわしい、わが国の環境政策について長期的かつ包括的な指針が示されました。本市においても、平成6年8月に大阪市環境審議会に対して「環境基本条例のあり方について」諮問を行い、平成7年3月に環境行政の礎となる「大阪市環境基本条例」が制定されました。この環境基本条例の理念を実現するためには、市民・企業・行政が一体となって環境保全行動を進め、地球環境保全を積極的に推進することが求められており、同年5月にその行動指針・行動目標を定めた「地球環境を守る身近な行動指針(ローカルアジェンダ21おおさか)」を策定しました。

 その後、平成11年4月に施行された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、平成14年1月に「大阪市役所温室効果ガス排出抑制等実行計画」を策定し、本市の事務事業に伴う温室効果ガス排出抑制の取組みを進めるとともに、市民・事業者・行政が協働して市域の温暖化対策を推進するため、平成14年8月に「大阪市地球温暖化対策地域推進計画」を策定しました。また、平成14年度より家庭から排出される二酸化炭素の排出抑制を目的として、各家庭において環境家計簿を記入して電気・ガスの省エネルギー活動に取り組んでいただく「なにわエコライフ認定事業」を実施しています。さらに、市民、環境NPO・NGO、事業者、学識経験者、行政が協働して地球温暖化防止活動を推進していく体制として、平成16年6月に「なにわエコ会議」を設立し、家庭での省エネ運動や環境教育の普及啓発、中小企業向けの簡易な環境マネジメントシステムの普及など、様々な実践行動を推進しています。

 平成7年7月には、「大阪市環境影響評価要綱」を策定し、大規模な事業の実施にあたり、環境に及ぼす影響について事前の調査、予測、評価等を行うための手続き等を定めましたが、平成9年6月に「環境影響評価法」が制定されことに伴い、大阪市環境影響評価要綱と環境影響評価法の手続きとの整合を図るため、平成11年6月に「大阪市環境影響評価条例」を施行しました。また、平成7年7月には「大阪市自動車公害防止計画」を改定し、自動車による窒素酸化物対策のより一層の具体化と粒子状物質対策の推進、騒音・振動対策等総合的な対策を実施してきました。さらに、低公害車・低排出ガス車の大量普及や大型ディーゼル車対策などの重点施策を強力に推進するため、平成14年1月に新たな「大阪市自動車公害防止計画」を策定しました。

 平成8年8月には、大阪市環境基本条例に基づき、環境の保全と創造に関する施策の基本方針を定めた「大阪市環境基本計画」を策定。また、水環境の保全を図るため、平成11年5月には、快適な水辺の保全と創造、水質の保全、水資源の活用を進めていくために「大阪市水環境計画」を策定し、環境施策を推進してきました。しかし、ヒートアイランド現象や土壌汚染等の新たな課題や今日の多様化する環境問題に的確に対応するため、平成15年2月に「第Ⅱ期 大阪市環境基本計画」を策定し、環境施策を総合的・計画的に推進してきており、平成19年3月には、向う5年間の重点的取組を盛り込んだ後期計画を策定しています。

 庁内の取組みとしては、平成9年5月に行政自らが率先して環境保全行動を推進するため「大阪市庁内環境保全行動計画(エコオフィス21)」を策定し、職員一人ひとりが具体的な環境保全行動に取り組むとともに、市役所本庁舎をはじめとする本市施設において順次環境マネジメントシステムの構築を図り、ISO14001規格の認証取得を進めています。また、環境への負荷の少ない物品等の調達を通じて、循環型社会の形成に寄与するために、平成14年4月に「大阪市グリーン調達方針」を定め、グリーン調達を推進しています。

 物の燃焼過程で非意図的に生成されるダイオキシン類対策については、平成10年8月に「大阪市ダイオキシン類対策方針」を、同年10月に「大阪市ダイオキシン類対策指導指針」を策定しました。また、平成12年1月のダイオキシン類対策特別措置法の施行に伴い、本市の方針・指針を見直し、排出基準の遵守や適正な維持管理等さらなる発生源対策を推進しています。

 また、工場跡地の再開発等に伴い判明する土壌汚染に対応するため、平成15年2月に「土壌汚染対策法」が施行されたことを受け、本市においても同法に基づく規制・指導を実施するとともに、土壌汚染関連情報の整備など各種の取り組みを進めています。

 本市におけるヒートアイランド対策は、平成14年度に大阪市の関係局が連携して「大阪市ヒートアイランド対策推進連絡会」を設置し、取り組んできています。また、平成17年3月に「大阪市ヒートアイランド対策推進計画」を策定し、総合的かつ効果的に施策を推進するための方向性を示しました。本計画では、屋上緑化や保水性舗装などの施策に加えて、省エネルギー運動の推進など、市民や事業者との協働による対策も包含しています。これらを総合的に実施するモデル事業として、西区南堀江地域において、「大阪市ヒートアイランド対策モデル事業」を平成17年度から開始しており、市民や企業等と協力して、植栽や保水性舗装などの整備や打ち水の普及啓発などを通してその効果を検証していきます。

 平成17年6月の健康被害報道を契機として、アスベストが大きな社会問題となったことから、アスベスト対策の強化が求められ、平成18年1月には、「大阪府生活環境の保全等に関する条例」が改正され、解体等工事における事前の届出やアスベストの使用の有無についての事前の調査などの規制強化が図られました。また、国では「アスベスト問題に係る総合対策」が取りまとめられ、平成18年2月に、アスベスト対策関連4法令(大気汚染防止法・地方財政法・建築基準法・廃棄物処理法)の改正及び被害者の救済を目的とした「石綿による健康被害の救済に関する法律」が制定されました。

 また、大阪市域における大気汚染は大幅に改善されましたが、一部の交差点では、二酸化窒素などの環境基準に不適合となっています。また、幹線道路沿道では、自動車騒音に係る達成基準の低い区間が残されていることや、さらに、地球温暖化対策に寄与する自動車からの二酸化炭素の削減に向けた取組みが求められています。こうした状況の中、平成19年2月に「大阪市自動車交通環境計画」を策定し、環境負荷の少ない省エネルギー型のまちづくりを進めています。

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大阪市環境局環境管理部環境管理課

住所: 〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルO’s棟南館5階

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