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第8号 パニック障がい 精神科医師 谷 宗英

2017年1月6日

ページ番号:5959

「パニック障がい」とは


「交通事故で大ケガをして、パニック状態になった。」「突然転勤を命じられて、パニックってしまった。」などのように、「パニック」という言葉は日常茶飯事に使用されています。最近、「パニック障がい」という病気が増えています。いったいどんな病気なのでしょうか。

 「パニック障がい」とは、パニック発作を繰り返すことが特徴的な病気です。パニック発作とは、突然、理由もなく、強い不安や恐怖に襲われ、動悸、頻脈、息苦しさ、胸の苦しさ、めまい、体の震え、手足のしびれなどの症状が出現します。その時は恐怖のあまり、死んでしまうのではないかと思い、救急車で病院を訪れたりしますが、もちろん検査をしても異常がなく、しばらくすると症状は自然におさまります。しかし、何日間かしてまた繰り返す傾向があります。

予期不安と広場恐怖


 パニック発作を繰り返すうちに、「また発作が起こって、外出先で倒れたらどうしよう。」などと、発作の再発を恐れるようになります。これを予期不安と言います。この予期不安の結果、一人で外出することや乗り物に乗ることが不安で、避けるようになります。これを広場恐怖と言います。場合によっては、自宅から一歩も外へ出ることができなくなることもあります。人によっては、このような不安から、気分が落ち込んでうつ状態になったり、不安を忘れようとしてアルコール依存症に陥ることもあります。原因は不明ですが、脳のある部位の神経活動の興奮によるものと考えられています。

 治療については、パニック発作を起こらなくする薬があります。その一つとしては、抗うつ薬です。もともとはうつ病の治療薬ですが、パニック発作にも有効です。効果が現れるまで数週間かかりますので、根気よく服薬を続ける必要があります。最近ではSSRIという新しいタイプの抗うつ薬がよく使用されています。また同時に、抗不安薬、世間一般には精神安定剤と呼ばれるものを併用することもあります。この発作にも有効ですが、予期不安や広場恐怖にも有効です。速効性で、抗うつ薬の効果を補います。薬物治療の結果、発作や不安がなくなってきたら、これまで制限されてきた活動に徐々に挑戦し、行動範囲を広げていきます。

早めのケアがたいせつ


 以上のような治療によって「パニック障がい」はよくなっていきます。しかし、「パニック障がい」の患者さんは、「気のせい」くらいにしか受け取られないので、他人になかなか理解してもらえず、一人で悩んでいることが少なくありません。適切な治療をするのが遅れたために、なかなかよくならないケースもありますので、なるべく早く専門医にかかるべきでしょう。

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