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第6号 「依存」と「自立」 精神科医師 金子 浩二

2017年1月6日

ページ番号:5968

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 子どもは成長し、学童期、思春期、青年期を経て、いずれ親から巣立って行きます。言うまでもなく、これは自立への過程です。「自立」とは、「誰の助けも受けずに、自分の力で物事を行っていくこと」とあります。一方、「依存」とは、「他のものによりかかり、それによって成り立つこと」と全く反対の意味となっています。こんな逆のイメージを持ちやすい依存と自立ですが、両者には非常に大切な関係があります。

無意識の依存が自立への第一歩



 「あの人はしっかりしている。」という言葉は、自立の良いイメージを感じさせるもので、「甘えた行為」「甘えん坊」など依存を感じさせる言葉には、どこかマイナスのイメージがつきまといます。困ったときに甘えたい気持ちを持つのが人間ですが、こういった悪いイメージが依存と自立の葛藤を生み出す一因となります。葛藤自体は悩ましいものですが、通常は結果的に自立を促していくもとになります。赤ちゃんは親的人物による絶対的な保護のもとに依存が保障されています。この意識しない依存が、不安を最小限にすることで、自立への第一歩を踏み出しやすくしていきます。

 成長するにつれ、依存の対象は、友人や先生といった人物だけでなく、没頭できるような趣味や仕事、または象徴的なイメージや組織へと変化し、それに合わせて自立のかたちも変化していきます。それは、上手な依存を獲得することによって、最終的に誰の助けも受けない様な状態(自立)に到達していくことを意味します。

自立への再挑戦


 しかし、一度は自立が達成できた成人にとっても、依存と自立の問題が過去のものになる訳ではありません。結婚や出産といった家族関係の変化や、転職や定年といった社会との関わりの変化に伴い、依存と自立の関係を見直す必要があります。

 グローバリズムのような社会変化とそれに伴う構造改革によって、我々は激しい競争社会の中に巻き込まれていくことになります。それは、これまで形作ってきた依存と自立の関係を、それぞれの立場で、それぞれが依存できる対象を上手に変化させることによって新しい依存と自立の関係を再構築する改革と言い換えられるでしょう。この社会変化を、再び親離れをしていくだけの苦労を背負い込まされている問題と考えることもできますし、自立への再挑戦というチャンスを与えてくれていると考えることもできます。

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