食品の表示は、一般消費者や食品関係営業者に、その食品の的確な情報を提供し、購入時の選択や取扱う際の重要な判断基準の一つとして不可欠なものです。
食品の表示に関しては、食品衛生法のほかに、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、計量法などがあります。食品衛生法の表示は、「食品の安全確保」の目的からそれぞれの食品について必要な事項が決められており、これに合う表示がないものは販売したり、販売のために陳列したり、また営業上使用することはできません。(このことは、製造者のみならず販売者等にも適用されます。)
また、公衆衛生に危害を及ぼすおそれのある虚偽及び誇大な表示についても規制されています。
【主な注意事項】
- 容器包装を開かないでも容易に見ることができる場所に記載すること
- 邦文で、食品の購入者や使用者が読みやすく、理解しやすい用語を用いて正確に記載すること
- 製造者氏名(法人の場合は法人名、個人の場合は個人名)及び製造所所在地を正しく記載すること
- 保存方法や使用方法に基準があるものについては、保存方法等を記載すること
- 表示に用いる文字は、日本工業規格Z8305(1962)に規定する8ポイント以上の大きさの統一のとれた活字とすること
ただし、表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下のものにあっては、同規格に規定する5.5ポイント以上の大きさの統一のとれた活字とすることができる。
【記載事項】
1 名称
- 商品名ではなく、食品の内容を的確に表し、社会通念上一般化した名称を表示します。
- 添加物及びその製剤では「食品添加物」の文字を表示し、添加物は定められた物質名、製剤名を用います。
2 製造者氏名及び製造所所在地
- 原則として、製造者氏名(法人の場合は法人名)及び製造所所在地を記載します。
- 輸入食品の場合は、「輸入者」として輸入業者の氏名及び営業所所在地を記載します。
- 製造者氏名及び製造所所在地の表示については、製造所固有の記号(固有記号)による例外的な表示方法が認められています。
固有記号
製造者氏名及び製造所所在地の代わりに、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た製造工場を表す記号を表示するものです。製造所固有記号に使える文字は、アラビア数字、ローマ字、ひらがな、カタカナです。
製造者表示(自社工場)の場合と販売者表示(製造者)の場合があります。
3 使用した添加物
- 原則として、使用した添加物や原材料に含まれている添加物は全て表示します。
- 原則として、すべて物質名で表示します。ただし、一定の方法で簡略化したわかりやすい名前(簡略名、類別名)で表示することは差し支えありません。
- 定められた用途を目的として使用した場合には、当該食品添加物名及びその用途名を併記します。
例:保存料(ソルビン酸K)、漂白剤(次亜硫酸Na)等
次の8用途に使ったときは、添加物の名称に用途名も併記します。
(1)甘味料 (2)着色料 (3)保存料 (4)増粘剤,安定剤,ゲル化剤,糊料
(5)酸化防止剤 (6)発色剤 (7)漂白剤 (8)防かび剤,防ばい剤
- 通常複数の添加物を組み合わせて定められた14の用途を目的として使用した場合には、個々の添加物の名称を表示する必要性が低いことから、一般消費者が理解しやすいよう、一括した名称を用いてよいことになっています。
(1)イーストフード (2)ガムベース (3)かんすい (4)酵素 (5)光沢剤(6)香料
(7)酸味料 (8)軟化剤 (9)調味料 (10)豆腐用凝固剤(11)苦味料
(12)乳化剤 (13)pH調整剤 (14)膨張剤
- 加工助剤、キャリーオーバー、栄養強化の目的で使用されたものについては省略することができます。
加工助剤
製造工程で使用されるが、最終食品に残存しないか又は残存してもその量が微量で効果を発揮しないもの
キャリーオーバー
食品材料に使用されていたもので、最終食品に持ち越された量が微量であり効果を発揮しないもの
4 保存方法
- 保存方法の基準が定められている食品及び添加物については、その基準に合う保存方法を記載します。
- 保存方法の基準が定められていない食品及び添加物についても、必要な一定の保存方法を具体的に記載します。
5 使用方法
- 使用方法の基準が定められている添加物については、その基準に合う使用方法を記載します。
6 消費期限または賞味期限
- 期限表示は、「定められた方法」により「未開封の状態」で保存することを前提としています。そのため、原則として、期限表示と併せて「保存方法」を表示しなければなりません。
- 常温で保存できる食品は、常温で保存できる旨の表示を省略することができますが、温度のほかに表示された期限に影響を与える保存の条件(光、湿度等)がある場合は、その旨を表示することになっています。
| 表示の名称 | 対象となる食品 | 表示の定義 |
|---|---|---|
| 消費期限 | 品質が劣化しやすく、製造後、製造日を含めておおむね5日以内に消費すべき食品 | 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。 |
| 賞味期限 | 品質の劣化が比較的緩慢なもので、消費期限表示対象食品以外の食品 | 定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。 |
劣化速度が比較的緩慢な食品に係る期限表示については、食品衛生法の「品質保持期限」と農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(以下、「JAS法」という。)の「賞味期限」の2つの用語及び2つの定義が存在し、劣化速度が速い食品に係る期限表示の用語である「消費期限」についても、2つの定義が存在していたことから、消費者、食品事業者双方から分かりにくいとの指摘がありました。
このため、平成15年7月31日に食品衛生法施行規則の一部が改正され、劣化速度が比較的緩慢な食品に係る期限表示については、「品質保持期限」を廃止し、「賞味期限」に用語が統一されました。また、「消費期限」及び「賞味期限」の定義についてもJAS法と統一が図られ、同日から施行されることとなりました。
なお、平成17年7月31日までに製造され、加工され、若しくは輸入される食品又は添加物に係る表示については、従前の「品質保持期限」の記載をすることができます。
7 原材料
- 缶詰、食肉、食肉製品、加工乳、乳製品等に表示が義務付けられているものがあり、主要な原材料の分量が多いものから記載します。
- 原料肉が食肉の場合その動物名「牛」「豚」等を、魚肉の場合は「魚肉」と記載します。
8 遺伝子組換え食品
- 表示の対象となる食品は、大豆(枝豆及び大豆もやしを含む。)、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、並びに大豆、とうもろこし及びばれいしょの加工品です。
- 分別生産流通管理が行われたことを確認した遺伝子組換え食品またはこれを原材料とする加工食品にあっては、遺伝子組換えである旨を表示します。
- 分別生産流通管理が行われていない食品またはこれを原材料とする加工食品にあっては、遺伝子組換え不分別である旨を表示します。
詳しいことはこちら ⇒ 遺伝子組換え食品の表示
9 アレルギー原因物質を含む食品
- 過去に重篤なアレルギー症状の原因となったことがある食品を特定原材料として指定し、これを含む加工食品(容器包装されたもの)については原材料を表示しなければなりません。
- 現在、特定原材料として7品目、それに準ずるものとして18品目が挙げられています。
| 特定原材料(7品目) | 小麦、そば、卵、乳、落花生、えび、かに |
|---|---|
| 特定原材料に準ずるもの(18品目) | あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ(*)、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
詳しいことはこちら ⇒ アレルギー物質を含む食品の表示
*「アレルギー物質を含む食品の表示について」(平成16年12月24日 食安発第1224002号)により、可能な限り表示する食品として「バナナ」が追加されました。
10 保健機能食品
- いわゆる健康食品を類型化し、規格基準や表示について規制する保健機能食品制度が始まりました。
- これは、個別に許可等を要する「特定保健用食品」と規格基準が規定される「栄養機能食品」とに分けられ、「一日摂取目安量」や「摂取する上での注意事項」等を表示することになりました。
| 特定保健用食品 | 特定の保健の用途に資することを目的とし、健康維持、増進に役立つ又は適する旨を表示することについて、厚生労働大臣により 許可又は承認された食品です。 |
|---|---|
| 栄養機能食品 | 高齢化、食生活の乱れ等により、その人にとって不足しがちな栄養成分の補給、補完に資することを目的とした食品です。 |













