大船橋（おおふなばし）

　木津川運河は、大阪港築港計画の一環として開削され、大正5年に完成した。そこに架設された大船橋の旧橋は、運河南側に造成された船町と対岸の南恩賀島を結ぶ唯一の陸上連絡路であり、跳開形式の可動橋（大阪最大）であった。しかし、航路の変更や産業発展に伴う自動車交通量の増加により、開閉は休止した状態のままになっていた。

　架設後40年間、潮風や大気汚染といった環境の厳しさや重交通に耐えてきたが、老朽化により架替え工事に入り昭和53年に完成した。工事実施にあたっては、取付け道路に隣接する建物の状況、河川の利用状態、工事中の交通処理法、限られた作業スペースなどとともに、旧橋の構造についても十分な検討を行い、それらに関する厳密な施工条件を配慮して、既設の下部工をほぼそのままの状態で利用し、上部工だけを全面的に取り替えるという方法を選択した。

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