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第1章 計画の策定にあたって(1)

[2009年7月27日]

1 策定の趣旨

 大阪市では、市民の学習活動を総合的に支援するため、平成4年(1992年)2月に「生涯学習大阪計画」(以下「前計画」という)を策定し、市民のだれもが、いつでもどこでも、必要に応じて楽しく学び続けられる「人間尊重の生涯学習都市・大阪」の実現をめざして、生涯学習の総合的・体系的な推進を図ってきました。
 市民の学習活動は、生きがいや心の豊かさ、新たな知識や技術などを獲得するための学習のみならず、社会の変化に伴うさまざまな課題に対応するための学習活動などの分野に着実に広がってきています。
 しかしながら、平成4年(1992年)の前計画の策定以降も、市民を取り巻く社会環境は大きく変化しており、市民の価値観や公共サービスに対するニーズが多様化するなかで、成熟した市民社会を創造するためには、市民が社会の担い手として、NPO(*1) 、企業、行政と対等のパートナーシップを築き、協働していくことが重要になっています。
 家庭を取り巻く社会環境の変化のなかで、児童虐待や育児放棄の増加、問題行動の低年齢化、いじめ、不登校、ひきこもりなど、青少年をめぐる問題は深刻度を深めています。こうした状況の背景には、社会構造の変化のほか、家庭の教育力の低下とともに「地域の教育力」の低下が大きく関係していると考えられます。今日、青少年が夢と希望を育み、ひとりの人間として自立して歩めるよう、学校や家庭だけでなく、地域社会のなかでの「居場所」づくりや体験学習の機会、世代間の交流等による「地域の教育力」の向上がますます必要となってきています。
 また、「団塊の世代」の退職や少子・高齢社会への対応、多文化共生の取組み、環境問題への取組み、情報通信技術の急速な発展に伴う情報活用能力の向上などが課題となっています。さらには、「人権教育のための国連10年行動計画」(平成7年(1995年))、これに続く「人権教育のための世界プログラム」(平成17年(2005年))など、国連を中心とした国際社会の取組みに呼応し、すべての人が人間として、互いの個性と価値観の違いを認め合いながら、主体的に生き、社会に参画できるしくみづくりを進めていくことが期待されています。
 社会環境が著しく変化し、将来の予測が難しい今日の状況のなかで、市民が自らに適した手段・方法で、主体的に生きる力を身につけ自己実現を図るばかりでなく、学んだ知識・技術等をまちづくりに活かしながら、再び課題に直面すればまた新たな学習に取り組む、という「まなび」(*2)と「行動」が循環する市民主体の循環型「生涯学習社会」づくりが求められます。
 まちづくりを通して市民がさまざまな問題に対応していくためには、大阪市はもとより、NPO、企業などと協働していくことが大切であり、そこでは、市民一人ひとりが、直面するさまざまな課題を自らの意思と責任において、主体的に市民自治の観点から解決するという「自律と協働の社会」づくり(詳しくは第3章)が重要です。
 このような社会づくりのためには、「市民が、自分たちでものごとを決め、社会的な課題に対しては市民相互、あるいはNPOや行政や企業などとともに解決に当たるため、市民一人ひとりが自律し連帯することのできる力」である「市民力」(*3)を育むための学習が必要です。
 大阪市は、「生涯学習大阪計画」を策定することにより、「市民力」の育成を進め、「地域の教育力」の向上に向けた「教育コミュニティ」(*4) づくりなど、市民一人ひとりの自己実現や「まちづくり」につながる自主的・主体的な循環型の学習活動を支援し、「自律と協働の社会」づくりをめざします。

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