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- 生涯学習大阪計画 ~自律と協働の生涯学習社会をめざして~ 大阪市2006-2015
- 第2章 生涯学習の現状と課題(1)
第2章 生涯学習の現状と課題(1)
[2009年7月27日]
1 生涯学習を取り巻く状況
(1)生涯学習のひろがり
- 昭和40年(1965年)に、ユネスコの「成人教育推進国際委員会」においてポール・ラングランが、生涯にわたってさまざまな場や機会を通して行われる教育を統合してとらえる「生涯教育」の考え方(*6) を発表してから40年が経とうとしています。「生涯教育」の考え方も、学ぶ側から主体的にとらえる「生涯学習」へと移ってきました。また単に学ぶだけでなく、学んだことを社会に活かし、まちづくりに結びついた取組みも数多く見られるようになってきました。
- 我が国においても、昭和56年(1981年)に中央教育審議会答申「生涯教育について」が出されて25年を経ようとしている現在、「生涯学習」は着実に普及し、各自治体においても約9割に生涯学習・社会教育関係部課が、また約半数に庁内横断的な生涯学習推進組織が設置されるなど、生涯学習振興のための体制や学習支援のしくみが整備されてきています。
- 大阪市内においても、学習機会の提供主体として、市民学習センターなどの生涯学習施設(*7) のみならず、各部局が設置した各生涯学習関連施設(*8) 等、さらにはNPOや高等教育機関、民間教育機関等が幅広く存在しています。
- また、身近な地域社会では、生涯学習ルーム事業をはじめとした「地域に開かれた学校づくり」が進み、児童の放課後活動の支援や生涯スポーツ・文化などの活動が広がっています。
(2)高等教育機関や民間教育機関、NPOの動向
- 放送大学(*9) や単位制高等学校に加え、全国的に多くの大学や大学院が社会人の受け入れを行っています。大都市圏を中心として、社会人の学習に便利な都心に、大学や大学院が専用施設を置く事例も増えてきています。大阪市内では、大阪市立大学が梅田に社会人大学院を開設したのをはじめ20を超える関西圏の大学が社会人向けにサテライトキャンパス(*10) を設置しています。
- 民間の生涯学習機関である専門学校・カルチャーセンターやスポーツ施設は、ここ数年、漸減しているものの、10年前と比較すると施設数が相当増加しています。しかし、カルチャーセンターの経営が成り立つためには一定規模の人口が必要であるといわれており、大阪市内の立地も、利便性のよいところに集中しています。また、そこで提供されている内容は、趣味や体育・レクリエーションに関するものが多く、環境問題や人権問題、少子・高齢化問題、あるいは家庭教育、職業知識の向上といった社会的課題、現代的課題に関する内容は1割程度となっているのが現状です。

- この他、NPOについては、認証数の増加や社会活動への積極的な参画も顕著になっています。平成17年(2005年)6月現在で、全国で約 22,000、大阪府では約1,800のNPOが、保健医療・福祉、社会教育、まちづくり、環境、文化、芸術、スポーツ、人権、国際協力、子どもの健全育成など広範な分野において活発な活動を展開しており、新たに公共的なサービスや学習機会を提供する担い手となってきています。

(3)「市民力」の向上と生涯学習
- 地域社会においてこれまでは、ともすれば行政課題として取り組まれることが多かった高齢者福祉、子育て、防犯、環境、まちづくりなどについて、市民が主体となり課題の解決に当たろうとする動きが、近年、各地で起こりつつあります。
- これは、地域社会でできること、また地域社会が担うことが何よりも課題解決に対して有効であるということから、市民が主体的に参画するしくみをつくり、いきいきと暮らしやすい地域社会、「持続可能なまちづくり」(*11) を進めることをめざした動きといえます。
- 近年、施設や道路などの有形の社会資本ではなく、人々の間の「信頼」「つきあい」「社会参加」などの社会的ネットワークと相互支援・協力など、無形の社会的資産・社会関係資本(「ソーシャル・キャピタル」(*12) )が豊かになると、地域社会におけるボランティア活動やまちづくりへの参加率が高まり、反対に犯罪の発生率が低下するなどの変化をもたらすことが、内閣府の調査でも明らかになっています(内閣府国民生活局編「ソーシャル・キャピタル」平成15年(2003年))。そして、人々が生涯学習を通じて、出会い協力し、「教育コミュニティ」づくりを推進することは、この「ソーシャル・キャピタル」を高めるために大きな役割を果たしています。

- 「教育コミュニティ」づくりとは、地域社会の教育資源(*13) を学校教育に導入するなどにより、開かれた学校づくりを進め、子どもたちの「生きる力」を育むとともに、学校・家庭・地域社会が一体となった総合的な教育力を発揮し、地域社会における人と人とのつながりによって子どもを育むことをめざすというものです。
- 大阪市では平成14年度(2002年度)から、「小学校区教育協議会-はぐくみネット-」事業として取組みを進めています。この取組みは、身近な地域社会を中心に生活を送ることが多い子どもたちや育児期の保護者、高齢者、障害のある人をはじめ、だれもが、生きがいをもって地域社会のなかでいきいきと活動できる生涯学習を基軸としたまちづくりの根幹につながる施策といえます。
- また、不登校や安全確保など子どもをめぐる問題の解決に関しても、学校での取組みはもとより、「教育コミュニティ」づくりを推進し、「地域の教育力」を向上させることが重要といえます。
関連コンテンツ
- 生涯学習大阪計画 ~自律と協働の生涯学習社会をめざして~ 大阪市2006-2015
- はじめに
- 第1章 計画の策定にあたって(1)
- 第1章 計画の策定にあたって(2)
- 第2章 生涯学習の現状と課題(1)
- 第2章 生涯学習の現状と課題(2)
- 第3章 基本理念 ~「自律と協働の社会」をつくる生涯学習の推進~(1)
- 第3章 基本理念 ~「自律と協働の社会」をつくる生涯学習の推進~(2)
- 第4章 施策体系 ~大阪の生涯学習のこれから~
- 第4章 施策体系 ~大阪の生涯学習のこれから~(1)
- 第4章 施策体系 ~大阪の生涯学習のこれから~(2)
- 第4章 施策体系 ~大阪の生涯学習のこれから~(3)
- 第5章 計画推進のしくみ(1)
- 第5章 計画推進のしくみ(2)
- 第5章 計画推進のしくみ(3)
- 第5章 計画推進のしくみ(4)
- 第5章 計画推進のしくみ(5)
- 第5章 計画推進のしくみ(6)
- 語句説明
第2章 生涯学習の現状と課題(1)への別ルート













