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第5章 計画推進のしくみ(2)

[2009年7月27日]

2 生涯学習関連施設の機能の充実

  • すべての生涯学習関連施設において、市民の学習ニーズに応えその学習を支援し、社会に参画するための活動にまで結び付けることをめざした「情報提供・相談機能」や「市民グループやNPOで活躍する各事業の調整役に対するサポート機能」や「行政と市民、企業の間のコーディネート機能」の充実に努めます。
  • 学習・文化・スポーツ等、さまざまな市民の自主的な活動が活発に行われるために、各施設では、就業者や育児期の保護者などが都合の良い時間に気軽に利用できるよう、施設設備・機能等の充実に努めます。

(1)中核施設:総合生涯学習センター

  • 総合生涯学習センターは、従来の機能を基本に、時代の変化に対応した機能を発揮しながら、全市生涯学習推進の「中核施設」として各市民学習センターをはじめとする生涯学習施設間のネットワークの中で、次のような中心的な役割を果たします。

1)情報収集・提供と学習相談

  • 総合生涯学習センターや市民学習センター等の生涯学習施設などで実施された講座やイベント等のうち、提供可能なものについて、事業終了後も一定期間データベースに保存し、インターネット上でテーマごとに閲覧可能とすることにより、時間や場所の制約を受けずに学習できるしくみづくりを行います。
  • 「生涯学習情報提供システム」の運用・改善、情報誌発行等により、各学習圏で求められる情報提供を行います。
  • 「まなび」と「活動」は相互作用により深められるものであり、地域社会の主役としての市民の主体的な生涯学習を支援するために、学習とその後の地域活動やNPO活動などへの参加について、幅広く相談に応じられるよう、学習相談機能の高度化・円滑化を図ります。
  • 国内・外の生涯学習関連情報・資料の収集・調査を行い、他の生涯学習関連施設からの相談に対応するとともに、今後の大阪市の施策形成や市民の活動の参考となる資料・事例・分析結果の集積を図ります。

2)現代的・社会的課題に関する学習機会の提供

  • 現代的・社会的課題に市民が主体的に対応し自己実現できるよう、自己教育力や、ITを活用したコミュニケーション能力、市民力を醸成するための学習プログラムの開発を行い、先行的に実施します。開発されたプログラムについては、市民学習センターをはじめ、各生涯学習施設にその成果を提供します。
  • 市民学習センター等関連施設を実施場所として、非識字、デジタル・ディバイド(*47) などの課題を抱える市民や、学習機会から疎遠な状況に置かれてきた市民に対する学習機会・基礎教育機会が充実されるよう、関連事業の進捗管理を行います。
  • 大阪市の各部局・国・大阪府と協働してプログラムを企画開発する「ネットワーク型市民セミナー 拠点型」を実施します。また、各部局・事業所等から、各区や小学校区に職員が出向いて、市民の希望する内容や日程・規模などに応じた形で行う「ネットワーク型市民セミナー 出前講座型」の推進を図り、申込みや利用条件をまとめた冊子やホームページ等の整備を行い、市民への周知に努めます。

3)人材養成・研修

  • 生涯学習推進員や「はぐくみネット」コーディネーターをはじめ「教育コミュニティ」に関わる市民ボランティアや「生涯学習インストラクターバンク事業」のボランティア講師に対して、市民学習センターなどの拠点施設とのネットワークを活かしながら、人材養成・研修事業の充実を図ります。
  • 人材養成・研修の内容・手法については、市民の学習を支え促進するファシリテート研修、仲間どうしが相談することにより課題解決を図るピア・カウンセリング(*48) 研修なども実施し、多様な市民の意見・自主性を尊重しつつ全体の合意を作りあげるコーディネート能力の充実や、学習相談能力の充実を図ります。

4)「教育コミュニティ」支援

  •  人材養成・研修の専任担当職員を配置して、日常的に各小学校区を訪問・巡回して活動実態を把握し、各事業のコーディネーターや学校に対する情報提供や相談、「教育コミュニティ」で活用できる学習プログラムを提供するなど、地域社会での活動を支援します。

5)企画開発とネットワーク

  • NPOや企業、高等教育機関などとの協働により、市民学習センター事業や「教育コミュニティ」づくりなどで活用できる新しい学習プログラムを開発します。
  • 大阪や関西の大学・大学院と連携し、大学の特性を活かした実践的・高度な学習プログラムによる専門セミナーを実施します。社会人向けの実践的な内容では「梅田大学院コンソーシアム」と協働実施している「インテリジェントアレー専門セミナー」(*49) などを、仕事帰りなどに参加しやすい時間帯で実施するほか、市民向けの高度な学習機会の提供についても、新たに検討を行います。
  • さらに、大学コンソーシアム大阪の加盟大学で準備が進められている単位互換事業を積極的に支援し、あわせて大阪に関する各研究分野の最新の成果を、市民が学生とともに学ぶことのできる講座を総合生涯学習センターなどを会場にして実施するなど、市民向けの高度な学習機会の提供を行います。
  • 市民グループ・NPO、企業、大学と生涯学習関連施設のパートナーシップのもと、地域社会発展の基盤・舞台(「プラットフォーム」)を構成し、課題設定ごとに協働事業を開発・実施します。

(2)拠点施設:市民学習センター

 市民学習センターは、総合生涯学習センターを中核とする大阪市の生涯学習支援システムの一翼を担い、それぞれの近隣区を中心に市内全域を網羅して、小学校区を中心とする「教育コミュニティ」づくりを推進するため、次のような役割を果たします。

1)「教育コミュニティ」支援

  • 総合生涯学習センターなどとともに、日常的に施設周辺の行政区や小学校区と連携し、「小学校区」の学習活動への支援を行います。
  • 生涯学習ルーム事業を支えている生涯学習推進員をはじめ、生涯学習に携わる市民ボランティアに対する研修・助言・相談を行い、「小学校区」における市民の自主的な学習活動を支援します。

2)市民グループやNPOなどとのネットワーク事業の推進

  • 事業の企画や広報、部屋確保などの面での助言・支援をしながら、市民グループやNPOと協働したネットワーク化を行い、市民の主体的な学習を支援します。
  • 立地条件や専門的職員の持つ企画ノウハウ等を活かし、総合生涯学習センターや各部局と協働して、「ネットワーク型市民セミナー 拠点型」の企画開発・実施を担うことにより、市民の主体的な学習を支えます。
  • 大阪の魅力をさまざまな芸術作品の形で発信する市民を支援するなど、大阪の歴史・文化資源や自然環境・生活文化に気づき、活かすためのしくみづくりを進めます。
  • 大学・大学院などの高等教育機関と連携し、高度で多様な学習ニーズに対応する事業を実施します。

3)現代的・社会的課題についての学習機会の提供と情報提供・学習相談機能の充実

  • 市民の主体的な学習活動を支援するため、専門的職員が少子・高齢社会や健康、人権、子育て、教育、環境などの社会的課題に関する体験型・問題解決型の多様な学習機会の創出・提供を行います。
  • ひとりでも多くの市民が生涯学習に関する興味・関心を高め、学習活動に参加できるようにするため、窓口や電話などでのさまざまな学習相談に対応できるよう、日常の情報収集・整理に努めます。
  • 地域社会で活動するグループ・団体の情報、講師情報、生涯学習に役立つ各種の情報源情報などを、個人情報保護に留意しつつ多様な手法により提供するとともに、市民の学習と活動を結び付けていくための相談機能を充実させます。
  • 市民の学習活動を支えるため、公的施設や民間の事業者、学習グループなどのチラシ・パンフレット、ポスターなどの収集・整理・配布・閲覧に努め、幅広い学習情報の提供を行うとともに、学習のきっかけづくりとなるような情報発信に努めます。

(3)子どもの「生きる力」を育む拠点施設:青少年教育施設

  • 青少年施設をネットワーク化することにより、各関連施設の役割・機能の明確化と連携の強化を図ります。とりわけ、青少年教育の視点から、中央青年センターおよび青少年会館、こども文化センター、青少年野外活動施設は、子どもの「生きる力」を育む拠点施設とし、地域社会における青少年教育の支援機能を高めていくよう取組みを進めます。
  • 中央青年センターは、「青少年の自立と社会参加を促進する学習支援」「青少年の自主活動とグループ活動の促進」など、青少年教育の中枢施設としての機能の充実を図ります。
  • 青少年会館では、「さまざまな課題を抱えた青少年とその保護者の支援」「子どもたちの多様な体験活動の推進」「青年の自立と社会参加の推進」「情報発信」「家庭・地域教育の推進ならびに地域の教育力」の向上などの事業充実を図ります。
  • こども文化センターでは、「こども文化の振興・支援」「青少年指導者養成・派遣」「青少年の交流・発表支援」機能を充実します。
  • 青少年野外活動施設では、「自然体験学習」「生活体験学習」機能をもとに、さまざまな体験学習や協働体験学習を推進する機能を果たします。

(4)生涯学習を支える基盤施設:図書館、博物館施設

  • 図書館や博物館などの施設の専門的職員の経験や知識、資料・文化財・図書など、豊富な学習資源を活かし、情報提供機能や相談機能の充実を図り、市民やNPOなどの自主的な学習や取組みを支える基盤施設としての役割を果たします。

1)図書館

  • 蔵書冊数が150万冊を超える中央図書館では、高度で専門的な学習ニーズに対応できるよう、レファレンスサービス機能をより充実するとともに、図書館事業全般の企画立案機能を強化し、学校、生涯学習関連施設や機関、市民ボランティア等とのネットワーク化を進めます。
  • また、産業創造館や市立大学学術情報総合センターなどの関係機関、商工会議所、企業等と連携し、多様なビジネス支援情報などの知的資源や専門相談等を市民が有効活用できるよう、図書館機能を活用した総合的なポータル(情報提供窓口)サービスやビジネス支援サービス等、市民ニーズに対応したサービスを進めます。
  • 1館あたり7万冊以上の蔵書を持つ地域図書館については、地域生涯学習推進の基盤施設、地域社会の情報拠点として環境整備し、情報提供・相談機能、ボランティアコーディネート機能、ネットワーク機能などの充実を図ります。
  • 図書館を中心として、学校、保育所や幼稚園、高齢者福祉施設などで絵本の読み語りやお話会(ストーリーテリング)、点訳絵本の製作など、地域社会で読書支援活動を行うボランティアやボランティアグループを養成するとともに、ステップアップ講座や情報交換の場の設定など、主体的に活動が広がるよう支援し、「教育コミュニティ」づくりに資する人材の育成を図ります。
  • 区レベルで、子どもの読書活動推進に関わる行政、関係機関、市民ボランティア等で構成する「子どもの読書活動推進連絡会(仮称)」を設置し、市民参加による推進体制を整備する中で、図書館は、地域社会の子どもの読書活動の相談・支援センターとしての役割を果たします。
  • 各図書館ごとに子どもの読書活動推進にかかわる重点事業計画を立て、蔵書の充実や読書の楽しさを体験する機会の拡充等に取り組みます。また、すべての図書館で定期的に乳幼児向けのプログラム実施に取り組むなど、乳幼児とその保護者に対するサービスを拡大します。
  • 学校図書館において、児童・生徒が調べ学習など主体的・意欲的な学習に取り組むことができるよう、市立図書館の資料を活用した学校図書館への支援体制を整備し、学校と図書館との円滑な連携を促進します。

2)博物館施設

  • 登録博物館や重要文化財の公開承認施設の指定を受けている大阪歴史博物館、美術館、東洋陶磁美術館、自然史博物館、科学館等の博物館施設が、幅広い専門分野の学芸員による調査・研究活動を基盤にして、大阪の歴史、美術、自然、科学技術等に関する専門資料・教材の収集・整理に努めるとともに、館蔵資料、展示や各種の設備を活かしながら多様な市民ニーズに対応できるよう整備します。
  • 総合生涯学習センター・市民学習センターをはじめとする生涯学習施設との連携を深め、共通テーマの企画展を計画的に開催するなどの手法により、それぞれの施設を回遊しながら、大阪の隠れた歴史や文化の再発見につながるネットワークの構築を図ります。
  • 施設の有する機能を活かし、市民やNPO等とも連携して、暮らす人、訪れる人が「まち」を回遊しながら地域社会の魅力を知り体験できる取組みを進め、人々が文化遺産にふれる機会を拡充します。
  • 大阪の歴史・文化資源や自然環境・生活文化などをテーマにした研究・発表を行ったり、大阪の魅力をさまざまな芸術作品の形で発信したりする市民やNPOの自主的な学習を支援するため、情報提供機能や相談機能の充実を図ります。また、ボランティア・コーディネート機能を強化し、市民に開かれた市民参画型の施設づくりをめざします。
  • 教員や生涯学習関連施設職員などを対象に研修機会を創設するなど、学校や生涯学習関連施設に対する支援機能を強化します。

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