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木造天部立像(金臺寺) 1躯

2019年1月9日

ページ番号:9181

木造天部立像

もくぞうてんぶりゅうぞう

分野/部門

有形文化財/美術工芸品[彫刻]

所有者

宗教法人 金臺寺(こんたいじ)

所在地

大阪市天王寺区下寺町1

紹介

 法量 : 像高 90.0cm
木造天部立像の写真

 頭体を通して根幹部は一材から彫出する。
 彫眼像で割り矧ぎ(わりはぎ)はなく、頭部と体部に背面から内刳り(うちぐり)を施す。
 体奥は深く、一木造(いちぼくづくり)特有の量感を生かした像で、腹部から腰にかけては特に堂々としている。
 わずかに翻波(ほんぱ)の名残を示す力強い衣文(えもん)も特徴的である。
 制作年代は10世紀後半から11世紀前半と考えられる。
 現状では正面で合掌し、韋駄天像(いだてんぞう)としてまつられるが、当初は兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)として造像されたものと思われる。

用語解説

彫眼(ちょうがん) 木彫像において、眼を彫り出してあらわしたものを彫眼と呼び、これに対し、眼の内部をくり抜き眼球状の水晶・珠玉・ガラスなどを嵌め込んだものを玉眼という

内刳り(うちぐり) 木の干割れを防ぐため、また重量の軽減化のため、像底や背面から内部を刳ること。一木造りの仏像などでは像底や背面から刳ることが多いが、寄木造りの技法が完成した以後は像内全面に施されることが多い

一木造(いちぼくづくり) 一本の木から頭部と体部の主要部を彫り出す技法。腕・両脚部は別の材であることが多い

翻波式衣文(ほんぱしきえもん) 平安前期の木彫りの仏像にみられる、衣のひだの表現形式の一つ。大きいひだと小さいひだとを交互に表したもので、その断面が波の翻転するさまに似るところからついた名称

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