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生玉宮寺由来彫像群 一括(4点)

2019年1月9日

ページ番号:270521

生玉宮寺由来彫像群

いくたまぐうじゆらいちょうぞうぐん

指定民俗文化財

 有形民俗文化財

所有者

 宗教法人 正圓寺(しょうえんじ)

所在地

 大阪市阿倍野区松虫通

紹介

生玉宮寺由来彫像群

 


 「阿倍野の聖天さん」の名で信仰を集める正圓寺は、平安時代建立の古寺阿倍寺の法灯を継ぎ、天明4年(1784)に常如が寺観を整えた。『摂津名所図会大成』には、聖天山の大歓喜天堂として伽藍(がらん)が整備されている旨が記載されている。正圓寺には、神仏分離の際に廃された生玉宮寺に由来すると考えられる、神仏習合信仰と関連する次のような彫像群が伝来している。
 木造九曜星像は彩色の彫眼像で、墨書銘から十坊のひとつである成就院(医王院)の旧仏であることがわかる。木造天川曼荼羅(まんだら)は、異形の厨子入り弁才天曼荼羅で、立体の事例としては極めて珍しい。生玉宮内弁天堂の海中出現の霊像にあたる可能性が考えられる。木造童子形立像も極めて珍しい彫像で、二臂(ひ)で弓矢を持ち、肉身を赤く彩色した忿怒(ふんぬ)の童子形の、亀に乗る海中出現の姿である。厨子両扉内側に日輪と月輪を上方に描く老翁の姿の神像を描く。生玉宮内、北向八幡宮の弓矢神にあたる可能性が考えられる。木造般若菩薩坐像は彫眼像で、画像としても類例が少なく、彫像の遺例はさらに希少である。墨書銘から、文化3年(1806)大坂高津住の田中右京法橋康覚の作とわかる。失われた神宮寺に関する数少ない史料である。

           木造天川曼荼羅

用語開設

九曜星(くようせい) 七曜星(日・月・火・水・木・金・土)に羅睺(らご)と計都(けいと)の二星を加えた尊格。密教の胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)の諸尊として描かれる

天川曼荼羅(てんかわまんだら) 蛇の姿をとる弁才天の周囲に、蛇神や童子を配した異形の曼荼羅。奈良県天川の地由来の画像が知られることから、この名がある

般若菩薩(はんにゃぼさつ) 大般若経読誦(だいはんにゃきょうどくじゅ)の際に用いられる本尊で、密教の胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)にも描かれる

 

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