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大阪市人権施策推進審議会からの答申について~今後の人権行政のあり方について~

2012年11月13日

ページ番号:4600

 大阪市では、平成19(2007)年12月11日に大阪市人権施策推進審議会から「今後の人権行政のあり方について(答申)」を受領しました。
 大阪市は、市民一人ひとりの人権が尊重される社会の実現に向け、時代に即した実効性のある施策を進めるため、「今後の人権行政のあり方」について平成18(2006)年12月1日に同審議会に諮問しました。
 審議会では、市民や団体へ意見募集を行うなど意見反映に努められ、審議会全体会議を4回、検討部会を11回、起草委員会を3回開催するなど約1年間審議を重ねられ、答申をとりまとめられました。
 答申においては、人権行政の理念が提示されるとともに、今後の人権行政の基本的な方向として「人権尊重を基本とした行政運営・担い手づくり」、「透明性・公平性・公正性の確保」、「人権教育・啓発及び人権相談・救済の推進」、「市民の参画と協働の推進」、「評価・検証による実態に即した施策への改善と計画的な人権行政の推進」について提言がなされ、「人権行政推進計画(仮称)」を早期に策定することなどが要請されています。
 大阪市では、この答申を真摯に受け止め、着実に人権行政を推進し、人権尊重のまちづくりに努めてまいります。

「今後の人権行政のあり方について(答申)」概要

はじめに

  • これまでの同和行政への批判が、人権が尊重される社会の実現という理念とそれに基づく取組みを停滞させることにつながってはならない
  • 同和行政の功罪から学んだことを十分に踏まえ、市民からの賛同と協力が得られるよう、透明性・公平性・公正性が確保された今後の人権行政のあり方について検討した
  • 本審議会では、人権問題が複雑・多様化している状況に鑑み、人権問題を固定化するのではなく、すべての人にかかわる問題として捉える必要性があるとの結論に達し、本答申では、個別の人権課題には言及せず審議を進めた
  • 本答申では、今後の取組みを「主体的に推進すべきもの」と「市民と協働して推進すべきもの」の二つに分けて述べ、実態を把握し評価・検証するとともに、施策を改善する仕組みについて提示している
  • これらを踏まえ、推進体制と計画、スケジュールなどの枠組みについて示し、着実に人権行政を推進するよう提言した
  • 今後、大阪市においては、本答申をもとに、早急に推進計画の策定等に着手し、より一層、人権尊重のまちづくりに向けて取り組まれることを強く要請する

1.大阪市の人権行政はどうあるべきか

(1)人権とは

  • 人権はいつでも、どこでも、誰でも、そして平等に保障されるべきもの
  • 日本国憲法に基づき国際的人権基準に沿って、大阪市は人権を擁護し、発展させる責務を有する

(2)人権行政とは

  • 「人権行政とは市政において日常の業務はもちろんのこと、すべての施策の企画から実施にいたる全過程を通じて、すなわち行政運営そのものを人権尊重の視点から推進していくこと」

(3)大阪市のめざすべき人権行政とは

「人権が尊重されるまち」とは

  • 「大阪で住み、働き、集い、学び、活動するすべての人たちが個人として尊重され、市民一人ひとりが互いに認め合い、受け容れ、共に生きるまち」
  • 「差別・不公正がなく、社会参加しようとする際に排除されず、安心して暮らすことができる心豊かで生きがいのあるまち」

国際人権都市として世界に誇れる人権尊重のまちづくりに向けて

  • 多様な市民と協働し、国際人権都市として世界に誇れる人権尊重のまちづくりへの取組み

(4)人権行政の課題

本答申の策定に向けて審議の参考とするため、広く市民に人権行政のあり方に関する意見を募集

これらを参考にして人権行政の課題を整理し、今後どのように対応していくべきかをまとめた

  •   「縦割り行政」の弊害をなくし、すべての施策に人権尊重の視点が貫かれるように努めること
  •  職員の人権意識の向上を図ること
  •  施策の透明性・公平性・公正性を確保し、市民の意見や批判に耳を傾け、広聴・広報活動と情報公開を積極的に行う必要があること
  • 法令を遵守し人権尊重の視点で対応すること
  • 人権尊重のまちづくりは、市民と行政がそれぞれの役割を分担し、協働して行うべきであること
  • 現実の社会で生じる問題に対応できるような力が身に付く人権教育・啓発に力点をおくことが必要であること
  • 人権問題が複雑・多様化する中、人権侵害に対する専門的で総合的な人権相談機能の充実が必要であること
  • 時代の変化に即した効果的な施策を実施するための実態把握、分析、改善を図る評価・検証の仕組みが必要であること

(5)今後の人権行政の基本的な方向

  1. 人権尊重を基本とした行政運営・担い手づくり
  2. 透明性・公平性・公正性の確保
  3. 人権教育・啓発及び人権相談・救済の推進
  4. 市民の参画と協働の推進
  5. 評価・検証による実態に即した施策への改善と計画的な人権行政の推進

2.今後、人権行政にどのように取り組むべきか

(1)大阪市が主体的に推進すべきもの

1.人権の視点に立った行政運営

  • 人権の視点がすべての施策に貫かれる行政運営の推進
  • 横断的視点に立った方策の検討、縦割りでない牽引力が発揮できる体制
  • 新たな人権課題に対する各局・各区の連携による迅速・適切な対応
  • 大阪市が事業主として社会的課題(人権・労働・環境など)に対する関係先の姿勢や現状を考慮する仕組みの検討

2.広聴・広報・情報公開

ア 広聴

  • 幅広い市民からの意見・批判・提案の積極的な聴取と市政への反映

イ 広報

  • 市民に必要な情報をわかりやすく幅広く浸透させる積極的な情報提供

ウ 情報公開

  • 透明性を高め、市民の理解と信頼を確保をするための積極的な情報公開

3.人権教育・啓発

  • 人権を自らの、身近な問題と捉え、国際的な流れに沿った人権教育・啓発の推進
  • 啓発内容等に具体的な問題を取り上げ、NPO等と連携するなど一層の工夫
  • 市・区人権啓発推進協議会等と連携した地域に根ざした人権啓発の実施
  • 学校教育で、知的理解を深め、人権感覚を培い、自他の人権をまもる実践力の育成
  • 社会を構成する「企業市民」として企業が取り組む人権啓発・研修等に対する支援

4.人権相談・救済

  • 人権侵害の未然の防止と侵害された場合の早期発見、的確な把握、適切な救済
  • 相談員の資質向上、相談機能・各種支援の充実・強化
  • 専門機関等が有するネットワークを活用・拡充したより効果的な支援の実施
  • 人権侵害の被害者が救済申立てできる機関の設置等も検討課題として調査を開始

5.職員等の研修

  • 人権行政の担い手としての自覚と責任をもった職員の養成が必要不可欠

(2)大阪市が市民と協働して推進すべきもの

1.ネットワーク・交流の促進

  • 「市民活動」は人権尊重のまちづくりの原動力
  • 行政、市民、市民活動団体、大学・研究機関、企業・事業者等がお互いの役割を認め合い、協力して問題解決にあたるため、ネットワークを拡充し、交流を促進

2.市民活動に対する支援

ア 活動や交流の機会・場の提供

  • 市有施設の積極的活用と社会資源の活用策の検討

イ 協働事業の推進

  • 市民活動団体への支援のあり方についての検討と協働事業の推進

ウ リーダー養成の支援

  • 人権を擁護する活動に取り組む市民リーダー育成のための支援

(3)評価・検証による施策の改善

1.実態把握

  • 人権課題に関するデータや幅広い市民の声などで実態を把握し、多角的に分析し、行政運営に活かす

2.施策の分析による効果測定と職員自己点検

  • 各部署の施策や業務に人権尊重の視点が取り入れられているかを把握し、分析することにより効果測定を行う
  • 職員の自己点検により業務改善を図る

3.評価・検証の指標づくり

  • 市民と行政が協働して「人権が尊重されるまち指標」を作成し、総合的に評価・検証を行う

3.人権行政を推進するための枠組み

(1)推進体制

1.推進の中核を担う部署の責務および充実・強化

  • 総合調整機能を発揮し、横断的な視点での企画・立案・計画、評価・検証、施策の改善要請を行うなど市政全般に影響力を与える組織として充実・強化

2.人権施策推進本部の充実・強化

  • すべての政策、計画、施策、事業に人権尊重の視点が反映されるよう、全庁的な推進体制としての充実・強化、プロジェクトチーム設置の検討

3.審議会の充実・強化と施策の是正・改善勧告にかかる制度の構築

  • 本審議会が大阪市の他の審議会とも連携し、主体的にその責務を果たすための機能の充実・強化と、審議会のあり方の検討
  • 外部の第三者的な立場から人権施策を調査し、必要な場合には、是正措置の勧告や制度改善の意見表明が可能となる制度構築についての検討

(2)実現に向けた計画およびスケジュール

  • 人権行政基本方針の理念を踏まえ、時代の変化に即応した施策を実施するための「人権行政推進計画(仮称)」の来年中の策定と重点的短期的施策、取組みの着手年度の明示
  • 毎年度、推進計画の進捗状況をとりまとめ、市民から意見聴取を行い、議会・審議会に報告し、市民に公表
  • 審議会の意見で、各局・各区は施策の改善に努める

(3)関係機関等との連携・働きかけ

  • 国や府、関係機関、団体、大学・研究機関、企業・事業者等との連携が不可欠

おわりに

  • 大阪市が、本答申を真摯に受け止め、展望をもった「推進計画」を策定し、取組みを具体化し、着実に人権行政を推進することを強く要請する

「今後の人権行政のあり方について(答申)」全文

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市民局 ダイバーシティ推進室 人権企画課
住所: 大阪市北区中之島1丁目3番20号
電話: 06-6208-7611 ファックス: 06-6202-7073

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