伊賀市への本市青蓮寺ダム水利権の譲渡案が昨年12月に「淀川水系流域委員会」(以下、委員会)から出されて以降、「大阪市がわずか1%の水利権でさえ、困っている伊賀市に売らない」といった趣旨の報道がなされたこともあり、この件について、市民の方々からもお問い合わせが寄せられるなど、ご心配をおかけしました。
この件の背景と趣旨、本市の最終的な判断に至る経過等につきまして、ご説明させていただきます。
まず、今回の議論の内容でありますが、河川管理者である国土交通省近畿地方整備局が、委員会に示した「河川整備計画原案」の中に、水需要が逼迫している伊賀地域の対策として、0.358m3/秒、日量換算で約3万立方メートルの新規水源を確保するため、木津川上流に建設予定の川上ダムに参画する方針が記述されております。
これに対して、委員会は、川上ダムから取水を予定している伊賀市に対して、大阪市が保有する青蓮寺ダムの水利権を譲渡すれば、川上ダムからの利水が不要となり、川上ダムが縮小できるという代替案を提示しました。
その後、この件について平松市長と直接話をしたい旨の要請が委員長からあり、去る2月13日に委員長と平松市長との会談が行われ、委員長は、『大阪市が保有する青蓮寺ダム水利権の一部を伊賀市に転用すれば大阪市にもメリットがあるので、検討の余地があるのではないか』として、市長の見解を求めました。
市長は、引き続き検討するとの見解を示し、会談の中で委員長が指摘した内容について、直ちに調査・検討するよう水道局に指示を出し、「取水地点が淀川下流から木津川上流に移る関係上、伊賀市が必要とする水量の3倍程度の水利権が必要となること」、「水利権ベースによる渇水調整ルールへの見直しが国で検討されていること」、「過去、琵琶湖が8回渇水になった際、木津川水系にある青蓮寺ダムは、貯水率が高く取水制限を免れたことが3回あったこと」、「青蓮寺ダムのある名張川から伊賀市が取水する木津川への導水路の新設費用や川上ダムからの撤退負担金が必要になるため、伊賀市にとって水利権譲渡を受ける財政的なメリットが明確でないこと」といった検討報告を受けて以降、様々な角度から検討を進めてきました。
その結果、
等を総合的に勘案するとともに、主体となるべき伊賀市から本市に対する働きかけがなく、最終的に、伊賀市長は川上ダムに参画することを議会で表明したことから、本市としては、市民の利益等を考え現有の水利権を引き続き保有していくという形で、今後とも河川管理者と協議していくという最終判断に至ったところです。
大阪市は、これまで、豊かな市民生活や高度な都市活動に欠かすことのできない水道水をお客さまに安定してお送りするため、青蓮寺ダムをはじめ、様々な水資源開発事業に早くから参画し、経済的な水利権を安定的に獲得してきました。
今後とも、利水安全度の確保や環境対策など将来の必要を踏まえつつ、これら現有の水利権を引き続き保有し、安定給水はもとより、渇水に強く、環境にも配慮した本市のまちづくりに寄与させていきたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
大阪市水道局工務部計画課
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