1.はじめに
大阪市水道局では、お客さま満足度の向上や高コスト体質からの脱却等の観点から抜本的な経営改革の推進に向けた検討を進め、今後の具体的な取組を「水道局長改革マニフェスト(水道局改革実施方針)」として平成18年2月に取りまとめました。
本マニフェストでは、事業経営の透明性を高め、お客さまの水道事業に対する理解と信頼の向上を図るため、公会計制度の抜本的見直しを掲げており、お客さまにわかりやすい経営情報の提供や、予算・決算情報のきめ細やかな提供などを進めていくこととしています。
キャッシュフロー計算書については、現在、水道事業などの地方公営企業では作成が義務付けられてはいませんが、本マニフェストの具体的取組の一つとして、資金使途の明確化や民間企業並みの会計情報の提供を図るため、既に平成15年度分から作成(15年度分及び16年度分は試算)し、公表してきたところです。 19年度分についても、取りまとめましたので、公表することとしました。
2.キャッシュフロー計算書について
(1)キャッシュフロー計算書について
現金や容易に換金可能な預金などのことを「キャッシュ」とし、このキャッシュの増加や減少のことを「キャッシュフロー」と定義しています。
「キャッシュフロー計算書」とは、一会計期間におけるキャッシュの増減を示した計算書で、当局がキャッシュをどのように調達し、そのキャッシュをどのように使用して、最終的にいくらキャッシュが残ったのかを明らかにします。
(2)導入の背景
企業会計では、収益や経費についてその原因が発生した時点で損益としてとらえる発生主義が採用されています。このため、必ずしも利益の増加とキャッシュの増加は一致せず、その結果単純な現金などの出入りの状況とはややかけ離れた経営実態の把握となってしまう場合があり、たとえば損益計算では黒字を計上している企業でも、資金繰りの悪化から倒産する(黒字倒産)というような例も見受けられるところです。
こうした問題に対応するため、従来からの貸借対照表や損益計算書に加えて、単純にキャッシュの出入りを表す客観的な計算書類としてキャッシュフロー計算書が注目されるようになりました。これら3つの財務諸表を使って総合的に分析することで企業の経営状況をより正確に把握することができると考えられます。
(3)キャッシュフロー計算書の仕組みについて
<1>営業活動によるキャッシュフロー
企業の主たる営業活動に関するキャッシュの増減を表しています。
- 主な収入:水道料金など
- 主な支出:水道施設(浄水場、配水管など)の維持管理費など
<2>投資活動によるキャッシュフロー
設備等の投資、固定資産の売買に関するキャッシュの増減を表しています。
- 主な収入:水道施設(浄水場、配水管など)の建設改良に係る国庫補助金など
- 主な支出:水道施設(浄水場、配水管など)の建設改良に係る工事費など
<3>財務活動によるキャッシュフロー
企業債など資金の調達に関するものや企業債などの返済に関するキャッシュの増減を表しています。
- 主な収入:企業債の発行など
- 主な支出:企業債の償還など
3.水道事業会計 キャッシュフロー計算書の概要について
平成19年度は、主たる「営業活動」で271億円のキャッシュを生み出し、水道施設の建設改良費などの「投資活動」に169億52百万円、企業債の償還などの「財務活動」に78億79百万円を使用した結果、19年度ではキャッシュが22億69百万円増加し、期末におけるキャッシュの残高は292億25百万円となっています。
4.工業用水道事業会計 キャッシュフロー計算書の概要について
平成19年度は、主たる「営業活動」で9億35百万円のキャッシュを生み出し、工業用水道施設の建設改良費などの「投資活動」に9億70百万円、企業債の償還などの「財務活動」に3億40百万円を使用した結果、19年度ではキャッシュが3億75百万円減少し、期末におけるキャッシュの残高は9億23百万円となっています。