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平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源

2018年4月6日

ページ番号:80994

都市景観資源の紹介

大阪市では、市民のみなさんが日頃から親しみを感じている建造物や橋梁、樹木などの魅力的な景観を募集し、寄せられたご意見をもとに、大阪市都市景観委員会で審議していただき、平成15年度及び平成16年度に22件の都市景観資源(旧・指定景観形成物)を登録しました。

これら22件の都市景観資源は、「大阪城天守閣」や「通天閣」をはじめとする、市民のみなさんにとって身近で、来訪者にとってもよく知られている景観です。

今後は、区ごとに新たな都市景観資源を発掘し、登録・活用をしていきます。

大阪市中央公会堂(おおさかしちゅうおうこうかいどう)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市北区中之島1丁目1番27号

3 所有者

大阪市

4 概要

 北浜の株式仲買人・岩本栄之助が私財100万円(現代で約50億円)を大阪市に寄贈し、辰野金吾らの設計により、大正7年(1918年)に建設された(地上3階、地下1階)。ヘレン・ケラーやガガーリンなどの著名人の講演やコンサートなどに活用され、大阪の近代文化の形成に大きく貢献してきた。

5 講評

北区都市景観資源(大阪市中央公会堂)

 3階にまでのびるネオ・バロック様式の大アーチを両脇の塔状階段室で挟む正面の構成は、力強く華麗でかつ親しみが感じられ、大正、昭和を通じて近代都市大阪の顔として市民に愛されてきた。しかも、土佐堀川や堂島川に面する側面に、同じ塔のモチーフが繰り返されていく景観も魅力的で、華やかな色調の煉瓦壁と縦長窓の繰り返しのリズム感は、遠近ともに遠くから眺めても、近づいて細部を眺めても飽きがこない。川面に映る夜景も美しく、ライトアップが景観上の効果を盛り上げている。 [大阪市都市景観委員 東孝光]

お初天神(露天神社)(おはつてんじん[つゆのてんじんじゃ])

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市北区曾根崎2丁目5番4号

3 所有者

宗教法人露天神社

4 概要

 露天神社は、創建以来1300年ともいわれ、菅原道真の詠んだ歌から露天神社とも称する。一般には、近松門左衛門の名作「曾根崎心中」の遊女お初にちなんでお初天神と呼ばれている。昭和20年(1945年)、戦災により焼失したため、昭和32年(1957年)に社殿が再建され、平成5年(1993年)の改修により境内は一新されている。

5 講評

北区都市景観資源(お初天神(露天神社))

 通りの先に鳥居、通りの先に祠、歓楽街の通りの先に突然現れるのは、雑踏とした空気の中の、エアーポケット。はまり込んだらそこには空の高さと、楠の木陰がある。鉄の扉のその中で、切り取られた自然に出会う。桜、紅葉、梅、四季折々の演出と、猫に鳩が、生物である人間を蘇らせる。「曾根崎心中」の熱い物語を持ったこの土地は、その聖域を宗教上にとどめず、景観上の聖域としての素質も兼ね備えているようだ。今日もこの聖域で心洗われて、ビジネスの戦場に挑む人々が多くいる事だろう。 [大阪市都市景観委員 藤本英子]

桜宮橋(さくらのみやばし)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市北区天満1丁目-都島区網島町 間

3 所有者

国土交通省

4 概要

 昭和5年(1930年)に第一次都市計画事業によって大川(旧淀川)に架けられたアーチ橋で、最大支間は104mとアーチ橋としては戦前では日本最大であった。アーチの両端にロマネスク風の昇降口があり、橋の景観を高めている。意匠指導は武田五一による。銀色に塗られているため、銀橋と呼ばれ親しまれている。

5 講評

北区都市景観資源(桜宮橋(都島区との間))

 本橋は地盤変動に対応出来るよう力学的には3ヒンジアーチで、この種のアーチは世界的に見ても本橋以外殆ど無い。アーチ部材の中間が力強い断面を持ち、本橋の特長となっており、斜めから見た橋が美観的に一番よい。アーチの両端に、橋頭堡とも言うべき塔があり、橋全体の印象を高めている。回りの公園ともマッチしており、最近出来た超高層ビルにも俺は負けてはいないぞと威厳を保っている。銀色に塗られているので、銀橋とよばれ親しまれている。
 現在国道1号線の拡幅に合わせ、隣に新しい橋が建設される予定で、本橋と合わせて如何に良い景観を構成するか種々の検討が行われている。 [大阪市都市景観委員 山田善一]

大阪府立中之島図書館(おおさかふりつなかのしまとしょかん)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市北区中之島1丁目2番10号

3 所有者

大阪府

4 概要

 明治37年(1904年)に住友吉左衞門友純(すみともきちざえもんともいと)の寄付により、大阪で初めての学術図書館として開館した。設計は野口孫市と日高胖で、施工は久保田小三郎。竣工当初は中央の十字型の建物だけで、大正11年(1922年)に両翼の部分が住友家の寄付をもとに、日高胖(ひだかゆたか)の設計によって増築された。国の重要文化財に指定されている。なお、東側にも戦前から近年にかけて別館等が増築された。平成26年(2014年)から平成27年(2015年)にかけて、外壁の美化・補修に努め、良好な都市景観を保持している。

5 講評

北区都市景観資源(大阪府立中之島図書館)

 寄贈者、設計者、施工者及び管理運営者のそれぞれが第一級の組合わせで出現した、明治大阪の名建築である。北に堂島川、南が土佐堀川、東隣りが公会堂、西隣りが市庁舎、加えて中之島公園の緑に囲まれ、その立地環境も抜群の公共図書館である。中之島東部の都市景観は、日本銀行大阪支店(旧館)と、この図書館があって、はじめて成り立つ。築100年、国内でも指折りの景観の宝として後代に伝えなければならないと思う。 [大阪市都市景観委員 三輪雅久]

毛馬桜之宮公園(けまさくらのみやこうえん)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市北区長柄東2丁目~天神橋1丁目、都島区友渕町1丁目~網島町1丁目

3 所有者

大阪市

4 概要

 大川の毛馬閘門から下流の天満橋まで、川の両岸に連なる延長4.2km、面積約30haの都市公園。大川の流れに沿ったプロムナードには桜並木が続く。3月下旬から4月上旬には、ソメイヨシノなど約4700本の桜が満開となる。

5 講評

北区都市景観資源(毛馬桜之宮公園(一部は都島区))

 明治16年(1883年)から続く春の風物詩「造幣局の通り抜け」に繋がる桜の名所である。どこまでも桜並木が続き、緩やかに蛇行する大川の水面と相俟って、高層高密化した大都市大阪にあって、開放的な潤いある風景が広がる。春の桜、夏の濃い緑と天神祭、秋の紅葉と四季を通じた風景が楽しめる。右岸沿いには公園に隣接して泉布観(せんぷかん)、造幣局など明治初期を代表する建築物が並び、その対岸には旧藤田邸庭園も修復後開放され、日本の近代化を誘導した明治の面影も偲ばれる。 [大阪市都市景観委員 増田昇]

淀屋橋(よどやばし)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市北区中之島1丁目、2丁目-中央区北浜3丁目、4丁目 間

3 所有者

大阪市

4 概要

 大正10 年(1921年) に決定された第1次都市計画事業における御堂筋の建設の一環として土佐堀川に架けられた。北側の大江橋とともに橋梁設計の分野では珍しい一般公募のデザインコンペで大谷瀧雄氏の案が選ばれ、これをもとに実施設計が行なわれたものである。昭和10年(1935年)に完成。国の重要文化財に指定されている。

5 講評

北区都市景観資源(淀屋橋(中央区との間))

 中之島を挟み、北側の大江橋とともに昭和10年(1935年)に完成した淀屋橋は、京阪電鉄と地下鉄の淀屋橋駅に隣接し、その名はより広く知られている。実際は形式を同じくする大江橋の方が5割方長い。両橋とも御堂筋の基幹をなす橋として、形式は鉄骨鉄筋コンクリートアーチで、その重厚な中に洗練された形と共にブロンズ製の照明器具や張り出したバルコニーなど、景観上の配慮もなされ、大阪市庁舎や日本銀行とともに優れた景観を形成している。 [大阪市都市景観委員 山田善一]

大阪城天守閣(おおさかじょうてんしゅかく)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市中央区大阪城1丁目1番

3 所有者

大阪市

4 概要

 大阪城は、天正11年(1583年)豊臣秀吉により築かれたが、大坂夏の陣で焼失、堀も石垣も全て徳川幕府の手で作り直された。天守閣は、その後落雷により焼失したままであったが、昭和6年(1931年)、市民の寄付により豊臣秀吉創建時の姿に再建されたもので、鉄筋コンクリート造、外部5層、内部8層で、館内は秀吉と大阪城を中心とした歴史博物館として活用されている。平成9年(1997年)の大改修により美しい姿がよみがえっている。

5 講評

中央区都市景観資源(大阪城天守閣)

 今の大阪城天守閣は昭和6年(1931年)に再建されたものではあるが、大川(旧淀川)と寝屋川の合流部の真南、上町台地の北端に位置し、隣接する難波宮跡(なにわのみやあと)や豊臣秀吉の築城などの大阪の歴史や文化とともに大阪の個性的な地形のシンボルともなっている。北から大阪に至るルートや上町台地の西側に広がる船場からの絶好のランドマーク(目印)となるとともに足下に広がる100haにおよぶ大阪城公園の深い緑と調和した絶妙な景観を呈している。 [大阪市都市景観委員 増田昇]

旧小西家住宅(きゅうこにしけじゅうたく)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市中央区道修町1丁目6番10号

3 所有者

コニシ株式会社

4 概要

 旧小西儀助商店(現コニシ株式会社)の旧店舗・住宅で、明治36年(1903年)に一部3階建で完成、堺筋の拡幅で西側が切り取られ、のち3階部分を撤去して現在の姿になった。船場に残る数少ない町屋の遺構のひとつとして、薬種問屋の形態を残した土蔵造り風の外観が特徴で、重要文化財に指定されている。内部は非公開。

5 講評

中央区都市景観資源(旧小西家住宅)

 北浜は、第二次大戦末期の戦災を免れたこともあって、すぐれた近代建築や和風町家などの歴史的建築物が各所に残されており、それらが現代的なビルや商業建築と調和的に混じり合う多様性ゆたかな都心景観を楽しめる一帯を形成している。
 「旧小西家住宅」は、このような特徴ある北浜の景観をつくり出すうえで最も貢献している建築物のひとつである。土蔵造り・伝統的ファサード構成の大規模町家がかもし出す端正さと威厳は、最新の建築デザインとも巧みに共存し、まわりの景観を引き締め、町並みの水準を高めるなど、他に替え難い役割を果たしているのである。 [大阪市都市景観委員 田端修]

道頓堀グリコサイン(どうとんぼりグリコサイン)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市中央区道頓堀1丁目10番1号

3 所有者

江崎グリコ株式会社

4 概要

 昭和10年(1935年)に戎橋のそばに初めてグリコのネオン塔が立って以来、デザインが改良され、現在のもので6代目となる。今までのネオンを使った光源から、初めてLEDが採用され、高さ20m、横幅10.384mと大規模なデジタルサイネージによる様々な演出が可能となった。日中は、浮き出たランナーがトラックを走る凹凸がある看板になっているが、夜間は大阪のみならず日本各地や世界各国を駆け巡る背景に変化する。日没30分後から24時まで点灯し、道頓堀川の名物のひとつとなっている。

5 講評

中央区都市景観資源(道頓堀グリコサイン)昼
中央区都市景観資源(道頓堀グリコサイン)夜
中央区都市景観資源(道頓堀グリコサイン)地図

 五階建ビルの一つの壁面全部を占める、高さ20m、横幅約10mの大型広告看板であるグリコサインは、それ自体で一つの都市景観である。昭和10年(1935年)に戎橋の傍に出現した両手を挙げてゴールインするランナーは、第二次世界大戦を潜り抜け、戦後の混乱期と復興、その後の驚異的な経済発展とバブルの崩壊、そして今日の経済不況も見続けている。常に元気なその姿は、大阪の人々に明日への希望を与え、今では道頓堀に無くてはならない風景の一部になっている。

生駒時計店(生駒ビルヂング)(いこまとけいてん[いこまビルヂング])

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市中央区平野町2丁目2番12号

3 所有者

株式会社生駒ビルヂング

4 概要

 明治3年(1870年)に高麗橋5丁目で創業した生駒時計店が、御堂筋の拡幅と地下鉄工事を機に現在地に当ビルを新築。昭和5年(1930年)に竣工した。設計は宗兵藏。国の登録有形文化財に指定されている。

5 講評

中央区都市景観資源(生駒時計店(生駒ビルヂング))

 堺筋と平野町通りの角地に建ち、時計塔を持ったこのビルは、この界隈でひときわ人目を引く存在である。スクラッチタイルの外壁に、テラコッタの窓台で水平線が強調され、陰影のある外観を構成している。彫刻風の装飾や石造の鷲が一種の不思議さをかもし出しており、それが現代建築にはない魅力となっている。このビルを残し街の魅力づくりに貢献したいというビルオーナーの思いが実り、新しい機能を得て再生がかなった。長く存続させたいビルの1つである。 [大阪市都市景観委員 鳴海邦碩]

一般社団法人大阪倶楽部(いっぱんしゃだんほうじんおおさかくらぶ)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市中央区今橋4丁目4番11号

3 所有者

社団法人大阪倶楽部

4 概要

 大阪財界人によって経済都市大阪の進取的社交場として創設された社団法人大阪倶楽部の旧館が、大正11年(1922年)に焼失したあと、安井武雄の設計により大正13年(1924年)に再建された。国の登録有形文化財に指定されている。

5 講評

中央区都市景観資源(社団法人大阪倶楽部)

 古い格式を誇る大阪財界人の社交倶楽部会館として竣工以来、現在も使用されている建築物である。設計者安井武雄は「南欧風の様式に東洋風の手法を加味せるもの」と説明しており、スパニッシュスタイルを基調に、細部装飾にはインドやイスラムの手法を取り入れ、穏やかな佇まいながら不思議な存在感を感じさせる。世界に雄飛していた近代大阪の繁栄ぶりを今に伝えるとともに、魚の棚筋まちなみ景観の要となっている。 [大阪市都市景観委員 岩井珠惠]

綿業会館(めんぎょうかいかん)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市中央区備後町2丁目5番8号

3 所有者

社団法人日本綿業倶楽部

4 概要

 東洋紡の役員であった岡恒夫の遺贈金と関係業界からの醵出金をもとに、綿業関係者の倶楽部会館として、昭和6年(1931年)に竣工した。設計は渡辺節。国の重要文化財に指定されている。

5 講評

中央区都市景観資源(綿業会館)

 昭和初期に完成した商都大阪のシンボルのひとつである。大阪が東洋のマンチェスターといわれ、イギリスを抑えて綿製品輸出世界一となった頃の記念碑である。落着いたレンガ色のタイル貼りが、戦禍、阪神淡路大震災に耐え、高度成長時にも他のビルとは異なり、リニューアルなどを寄せつけなかったことを誇らしげに主張している。最近の総ガラス張りと違って、大きくないが階毎に異なった形の窓が人を惹きつける。あたかも昭和史が壁に刻まれているようでもある。 [大阪市都市景観委員 楢崎正博]

港大橋(みなとおおはし)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市港区海岸通3丁目-住之江区南港東9丁目 間

3 所有者

阪神高速道路株式会社

4 概要

 昭和49年(1974年)に完成した最大支間長510mのダブルデッキ形式のゲルバートラス橋で、阪神高速道路に架けられた橋の中で最も長い支間長を持ち、トラス橋としては世界第3位の規模を誇っている。また、橋下を4万トン級の大型コンテナ船が航行できるよう、海面から桁下までは50m以上の空間が確保されている。そのスケールや色彩、重量感から、大阪港のランドマークになっている。

5 講評

港区都市景観資源(港大橋(住之江区との間))

 港大橋はその名のとおり、大阪港を代表する橋である。その鮮やかな赤い色と全長910mという大架構は、遠くからも一目でわかる堂々たる大阪港のランドマークの一つとなっている。とりわけ間近に寄って見上げたトラス構造は、実に巨大で圧倒される。この橋は、旧港地区と南港地区を結ぶ重要な位置にあり、完成後30年を経ていることもあって、近代的な構築物ながら人々にとって忘れられない存在感をもっている。 [大阪市都市景観委員 鳴海邦碩]

一心寺(いっしんじ)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市天王寺区逢坂2丁目8番69号

3 所有者

一心寺

4 概要

 約800年前に法然上人が、四天王寺の西、海に沈む夕陽が望めるあたりに造った草庵が一心寺のはじまりで、骨仏の寺として全国的に有名。昭和20年(1945年)、戦災によりほとんど焼失したが、その後、昭和41年(1966年)には本堂が再建され、その後も念仏堂・山門など伽藍の再興が進められている。

5 講評

天王寺区都市景観資源(一心寺)

 大阪の歴史発祥地、上町台地の集積の中で、古代の四天王寺、近代の美術館や通天閣をつないでいる。大勢の参詣者の姿と一体となった納骨堂や本堂。次々再建されていく伽藍建築が個性的で、斬新なデザインの山門と境内の静寂な墓石群の妙がある。また谷町筋の大通りと四天王寺西門からの坂道の交差する地点にあり、昔からのランドマークを保っている。また近辺の参詣する人々のための仏具や花の店々との一体性が景観を柔らかくしている。 [大阪市都市景観委員 槙村久子]

総本山四天王寺(そうほんざんしてんのうじ)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市天王寺区四天王寺1丁目11番18号

3 所有者

宗教法人四天王寺

4 概要

 四天王寺は、推古天皇元年(593年)聖徳太子により創建された日本最古の官寺で、南北一列に並ぶ伽藍配置は四天王寺様式と呼ばれる。たびたびの戦火や災害にあたってきたが、西門の石鳥居や、元和9年(1623年)再建の六時堂(ろくじどう)・五智光院(ごちこういん)・本坊方丈(ほんぼうほうじょう)などは重要文化財に指定されており、中心伽藍は昭和38年(1963年)に鉄筋コンクリート造で再建が完成した。

5 講評

天王寺区都市景観資源(総本山四天王寺)

 歴史のある建造物として大阪市内においてももっとも有名なものの1つである。建物の中には昭和の再建もあるが、全体として四天王寺様式を伝える重要な建造物であるとともに、広大な伽藍は付近の景観を形成する重要な要素である。4月の舞楽大法要はじめ年中行事は建築物だけでなく、人々と渾然一体となった文化の香りを持つ。木造建築物は門前町とともに伝統的な大阪を伝えるまちなみを形成している。 [大阪市都市景観委員 荏原明則]

通天閣(つうてんかく)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市浪速区恵美須東1丁目18番6号

3 所有者

通天閣観光株式会社

4 概要

 通天閣は、明治45年(1912年)内国勧業博の会場跡に新世界・ルナパークとともに完成。昭和18年(1943年)火災にあい、鉄材供出により解体され姿を消したが、地元の熱い思いを受けて、昭和31年(1956年)に2代目通天閣が再建された。高さ108m、円形エレベーター、展望台が設置されており、平成8年(1996年)の改修によりリニューアルされたネオンは、交通安全の標語、天気予報にも活用されている。

5 講評

浪速区都市景観資源(通天閣)

 商都大阪のエッフェル塔として、明治45年(1912年)に竣工。東京タワーに先立つこと約半世紀。昭和31年(1956年)に再建された二代目も、坂田三吉、「王将」の名のもとに、大阪庶民の心意気を象徴しており、景観価値は、その物理的側面より以上に、その存在が内包している精神的側面に見出すことができる。通天閣は、平成の「王将」が出現することを待望している。 [大阪市都市景観委員 真砂泰輔]

菅原城北大橋(すがはらしろきたおおはし)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市東淀川区豊里1丁目-旭区生江3丁目 間

3 所有者

大阪市

4 概要

 大阪市で最初に有料道路の事業を取り入れて平成元年(1989年)に完成した斜張橋で、当初普通車の通行料が100円(平成26年(2014年)6月10日から無料化された)であったことから、百円橋と呼ばれ親しまれている。2つのタワーが他本数のケーブルに力を分散して支えている姿が美しい。この橋が架かる淀川には、ヨシ原や天然記念物のイタセンパラの棲むワンドがあり、建設にあたってはこれらの保全に配慮された。また城北公園の中を通るため景観面で数々の検討がなされた。

5 講評

東淀川区都市景観資源(菅原城北大橋(旭区との間))

 上流からも下流からも遠望のきく美しい橋である。2ヶ所の高い支柱と88本の鋼索で支えられた橋が軽やかに見える。両端の鉄筋コンクリートの部分もさまざまな工夫に満ちており、とりわけ城北公園をまたぐあたりも、公園とひとつになった景観をつくっている。
 淀川はもとより、両側の堤防、わんど、城北公園,周囲の市街地とも景観のとりあわせに目くばりのきいた施設であると共に、それ自身が高水準の景観資源である。 [大阪市都市景観委員長 三輪雅久]

水道記念館(旧柴島浄水場第1配水ポンプ場)(すいどうきねんかん[きゅうくにじまじょうすいじょうだい1はいすいポンプじょう])

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市東淀川区柴島1丁目3番1号

3 所有者

大阪市

4 概要

 水道記念館の建物は、宗兵藏の設計で、大正3(1914)年に竣工。市勢発展による人口急増に伴う給水量を確保するため、明治41(1897)年から始まった第2回水道拡張事業において建てられた送水ポンプ場「旧第1配水ポンプ場」の建物を保存活用した記念館。国の登録有形文化財に登録されている。

5 講評

東淀川区都市景観資源(水道記念館(旧柴島浄水場第1配水ポンプ場))

 煉瓦造平屋建てのこの建物は、昭和61(1986)年に新しいポンプ場が完成するまで、大阪市水道の主力ポンプ場として活躍、市民に安全で良質な水を送り続けてくれた。設計は、大正・昭和の関西建築界の重鎮、宗兵藏。赤煉瓦を基調に要所に花崗岩を混ぜたネオ・ルネッサンス様式の外観に特徴があり、建物正面、ペディメント(三角形の切妻壁)の真ん中に大阪市章を輝かせ、玄関アーチ上部の煉瓦と石を交互に用いた旭日旗を思わせるファサード意匠に微笑みが湧く。 [大阪市都市景観委員 小林正美]

花博記念公園鶴見緑地(はなはくきねんこうえんつるみりょくち)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市鶴見区緑地公園 他

3 所有者

大阪市

4 概要

 戦前に過密都市対策の一環として計画された大阪を代表する四大緑地のひとつ。平成2(1990)年に国際花と緑の博覧会の開催後、再整備された都市公園。面積約120haという広大な敷地は造成によって変化のある自然景観を形成。博覧会の開催に合わせて地下鉄が整備され、また、公園に隣接してUNEP国際環境技術センターなどの施設も整備された。

5 講評

鶴見区都市景観資源(花博記念公園鶴見緑地)

 地下鉄鶴見緑地駅を上がると眼前に緑の帯が広がる。メタセコイヤの巨木の並木は人々を公園の奥へと誘う。大阪市を代表する公園で、平成2(1990)年の国際花と緑の博覧会の開催後、再整備され、国際庭園、子どもの森、木立の中を流れる緑のせせらぎ、里山や田園を思わせる花の谷、草花のスロープの花桟敷、バラ園、風車等また咲くやこの花館や生き生き地球館も景を添え、大都市の中の豊かな四季は市民を引き付けている。 [大阪市都市景観委員 槇村久子]

宗教法人住吉大社(しゅうきょうほうじんすみよしたいしゃ)

1 登録年月日

平成15年4月11日

2 所在地

大阪市住吉区住吉2丁目9番89号

3 所有者

宗教法人住吉大社

4 概要

 草創は神功皇后の海外渡航時の安全祈願の故事に由来すると伝えられるが、現在の本殿4棟は、文化5年(1808年)造営されたもので、桧皮葺き・切妻造り妻入りの住吉造りと称され、市内唯一の国宝建造物である。境内には、慶長11年(1606年)に架設され住吉大社の象徴ともいえる朱塗りの太鼓橋(反橋)をはじめ、重要文化財の石舞台や南門・東西楽所などや、全国から献灯された石灯ろう600余基などもある。

5 講評

住吉区都市景観資源(宗教法人住吉大社)

 住吉大社はその杜と共に、上町台地南端の崖と浜の出会うポイントに位置し、大阪のまちの景観に強い影響を与えてきた。文学や和歌・句に詠われ、人々の心の中にイメージされる景観としての価値も高い。「美しい日本の国土を後世に残すこと」を景観のめざすところと考えると、難波宮造営の頃より現在地にあり、市内唯一の国宝建造物の社殿を中心として緑豊かな杜を持つ住吉大社は、大阪を代表する景観物といえる。 [大阪市都市景観委員 岩井珠惠]

杭全神社(くまたじんじゃ)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市平野区平野宮町2丁目1番67号

2 所有者

宗教法人杭全神社

4 概要

 平安時代の初め、貞観4(862)年に坂上廣野麿の子當道が、氏神を祭ったのが始まりとされる神社である。社殿のうち第二殿・第三殿は、永正10(1513)年造営の記録があり、第一殿とあわせて国の重要文化財に、全国で唯一の連歌所は市の指定文化財に、また、境内のクスノキとイチョウが市の保存樹にそれぞれ指定されている。

5 講評

平野区都市景観資源(杭全神社)

 時と大地が育てた木々は、立派な緑のかたまりとして、この厳かな空間を包み込んでいる。樹齢1000年の楠、500年を超える銀杏、それらに負けずと育ち続ける周辺の木立の中、周囲の街並とは一線を引く聖域が存在する。緑の襞の中、分け入ると、社殿、連歌所が歴史の襞も刻みながら、願い人、散歩人の日常を受け入れる。東には平野の歴史を語る旧環濠の流れが残り、周辺に整備された公園と共に、重要な地域の景観拠点となっている。 [大阪市都市景観委員 藤本英子]

大念佛寺(だいねんぶつじ)

1 登録年月日

平成16年10月8日

2 所在地

大阪市平野区平野上町1丁目7番26号

3 所有者

融通念佛宗総本山大佛寺

4 概要

 融通念仏宗の総本山で、大治2(1127)年に聖応大師(良忍上人)が開基したと伝えられている。明治31(1898)年に火災があり本堂以下多数の堂宇を失った。現在の本堂は昭和13(1938)年に竣工した大阪府内最大の木造建築物で、国の登録有形文化財に指定されている。また、境内のクスノキとイチョウが市の保存樹に指定されている。

5 講評

平野区都市景観資源(大念佛寺)

 大念佛寺は、碁盤目の町並みの環濠集落として中近世期に大いに繁栄した旧平野郷の西北隅に位置する。瀟洒な意匠の参道部を経て山門を潜るとゆったりした境内空間に包み込まれ、気分が落ち着く。悠然と控える最大級の木造建築・本堂、余裕のある施設配置、クスノキ・イチョウの保存樹を中心とする豊かな緑などが景観的魅力の源泉である。その空間的・景観的ゆとりは、旧集落や周辺市街地の高密度感を和らげる役割をも担っている。 [大阪市都市景観委員 田端修]

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