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「ぶんらくのSDGs!~文楽人形のお話と大道具『波布(なみぬの)』体験~」を開催しました

2022年10月27日

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令和4年度区の歴史と文化を活かした生涯学習事業について

「ぶんらくのSDGs」ポスター

令和4年8月7日(日曜日)に国立文楽劇場 大道具製作室で「ぶんらくのSDGs!~文楽人形のお話と大道具『波布(なみぬの)』体験~」を開催しました。

区の歴史と文化を活かした生涯学習事業は、中央区における伝統芸能などの歴史・文化について学び、中央区の魅力を再発見し、街への愛着を深めること、また学びの深まりによって地域に根差した生涯学習のさらなる活性化をめざしております。

中央区と文楽

江戸時代初期(18世紀)、人形浄瑠璃は大坂道頓堀で始まり、19世紀初めに「文楽」の名称の由来ともなった初代・植村文楽軒が人形浄瑠璃小屋を開きます。その後、1984年に現在の大阪市中央区日本橋の地に国立文楽劇場が開場されました。

人形浄瑠璃文楽は、ユネスコにより2003年に「人類の口承及び無形遺産に関する傑作」として宣言され、2008年に「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載され、日本の三大楽劇の一つとされています。

SDGs(持続可能な開発目標)

2015年国連サミットにて全会一致で採択された「誰一人取り残さない」持続可能な社会実現のため、2030年をゴールとする17の国際目標です。
2025年の大阪・関西万博は、世界の英知を結集しSDGs達成に貢献することを目標としています。

当日の様子について

開場

看板
検温・消毒

当日は日差しが厳しく暑い日でした。参加者の皆様には、新型コロナウイルス感染症対策にご協力いただきながら、会場の大道具製作室に入っていただきました。

文楽の大道具について

大道具製作室

「文楽」舞台大道具方である山添寿人さんは、日頃大道具を製作されている中で「これはSDGsではないのか」と思うことがたくさんあり、文楽を通してSDGsのことを考えてもらいたいと思ったとのことでした。

屋台

屋台全体
「屋台(やたい)」と呼ばれる大きな木枠は、舞台上に置いて建物などを表します。
屋台の高さはほとんど統一されているため、絵を描き直していろいろな演目に使います。
人形遣い
屋台・人形遣いの裏側

実際に使用される文楽人形と屋台を用いて、上演の裏側の様子を見せていただきました。

文楽人形は、「主遣い」「左遣い」「足遣い」の3人の人形遣いで動かし、動きだけでなく感情を表現します。人形をメインで動かすのは主遣いで、左遣いと足遣いは主遣いの動きに合わせます。
主遣いが舞台下駄を履き、下駄の高さを変えることで、屋台と人形の高さを調整します。

 

大道具製作室の床

大道具制作室の床

大道具製作室の床の養生に使われている布は、舞台で使用しなくなった背景を再利用しています。物を大切に使いまわし、舞台セットを作る・描く・修復するを繰り返しているものも数多くあり、今日まで続いている文楽は、SDGsがめざす持続可能な世界そのものではないかという解説がありました。


文楽人形の解説

文楽人形の頭(かしら)

人形の首(かしら)は檜(ひのき)でできています。首の中には頷きの仕掛けの他に、目、眉、口などの動きを施した仕掛けがあります。
この仕掛けを動かすバネに利用されているのは、クジラの髭(ひげ)で、一頭のクジラから2、3メートルの大きさの髭が200枚ほど取れるといわれています。
昔の人の知恵で、この髭が文楽人形の首の様々な仕掛けに利用されているのです。

首の表面に和紙を貼り、その上から胡粉(ごふん。貝殻を砕いて粉状にした物)をニカワ(動物の骨などを煮出した物、いわゆるゼラチン)に混ぜた物を塗って(白塗り)、人形の顔を描きます。
首が汚れてきたり、次の公演の役に合わせて塗り替える時は、その上に重ね塗りをして、再び顔を描きます。

繰り返し上塗りをして、首の塗りが厚くなってきた時には、首を濡れ手拭いで包んで一晩置きます。すると、土台の和紙から綺麗に剥がれるので、また改めて和紙を貼って、その上に白塗りをして、と繰り返して大事に首を使用しています。

人形の髪の毛は、人毛かチベットに生息しているヤクという動物のたてがみやしっぽの毛を使います。その昔、ヤクの毛が輸入物のクッション材であり、人毛に比べてボリュームが出ることから、リサイクルされて使用されてきた歴史があります。
人形の髪の部分部分の必要に応じて、人毛か、ヤクの毛かの使い分けをしています。
髪の毛に油を使用すると、首の胡粉に滲んで塗りが剥がれてしまうので、床山(とこやま)という専門の職人が水だけを使って結い上げています。

かつて使われていた首は劇場の火災や戦時の空襲などで焼失してしまったので、現在使われている首は戦後新たに作られたものが殆どですが、それでも既に70年以上のものばかりです。丁寧に補修を施し塗り替えをして、現在、舞台で使用されています。

波布(なみぬの)体験

清姫

「波布(なみぬの)」体験では清姫(きよひめ)の人形が登場しました。清姫は恋に狂って蛇の姿となり、想い人を追って川を渡ります。清姫の白い着物には蛇のうろこの模様が表現されています。
この清姫が川を渡るシーンで使用される「波布」の動きを体験していただきました。

スタッフによるお手本



まずはスタッフの方々がお手本を見せてくださいました。

波布を体験している様子


次に参加者の方に体験していただきました。
波の上下の動きを出すのは思いのほか大変そうでしたが、子ども達には楽しく体験していただけました。

奈落の底

舞台裏


最後は、子どもたちに奈落の底の舞台機構を見学していただきました。待っていただいている保護者の皆さまからは質問を受け付けました。





さいごに

文楽劇場入口

参加者の皆様にご協力いただいたアンケートからは、「日本人の昔の人の知恵や工夫を今も受け継いで、こんなにもいろいろなものを大切に使われているとは思いませんでした。盛りだくさんの内容で大人も楽しかったです。」「とても勉強になりました。いろいろなSDGsにつながっていることがわかり、家でも再利用ができたらしていきたいと思いました。」などのご意見・ご感想が寄せられました。

中央区には歴史的・文化的資源が沢山あり、文楽もその一つです。
中央区にゆかりある文楽の魅力が伝わりましたでしょうか。

国立文楽劇場では様々な公演や催しが実施されていますので、ぜひ訪れてみてください。

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