【指導者用】普通救命講習実施の手引き
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・25ページをご覧ください。 ・次に気道異物の除去について説明します。 ・気道異物で、適切な対処の第一歩は、まず窒息に気付くことです。苦しそう、顔色が悪い、声が出せない、息ができないなどがあれば窒息の可能性があります。このような場合には「喉に詰まったの?」と声をかけ、うなずくようであれば、直ちにこれから説明する気道異物を除去する対処を行わなければなりません。 ・それ以外にも窒息を起こした場合には、典型的なしぐさとして、図のような窒息のサインを示す場合があります。 ・26ページをご覧ください。 ・傷病者に意識がある場合で、呼吸困難を訴えているときは、強い咳をするだけで異物が取れることもあります。異物が気道に入っても、咳ができる間は、気道は完全に詰まっていませんので、まず咳をさせることが重要です。助ける人は大声で助けを呼び119番通報を依頼すると同時に、強く咳をするように促してください。また自分で吐き出せない場合には、これから紹介する二つの方法を数回ずつ繰り返し、異物が取り除けるか、もしくは傷病者の反応がなくなるまで異物の除去を行います。 ・では、背中を叩いて異物を取り除く方法、背部叩打法について説明します。倒れている人の意識があれば、立ったままもしくは座らせて、両側の肩甲骨の間を力強く手のひらの付け根で、何度も連続して叩きます。 ・次に、腹部突き上げ法による異物除去の説明をします。まず、腹部突き上げ法には注意する点があります。明らかに妊娠している女性や1歳未満の乳児には、腹部突き上げ法は行わず、背部叩打法のみ行ってください。 ・腹部突き上げ法は、まず傷病者を後ろから抱えるように腕を回します。次に、片手で握りこぶしを作り、その親指側を傷病者のへそより上で、みぞおちの十分下方に当てます。その手をもう片方の手で包むように握り、素早く手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
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