【指導者用】普通救命講習実施の手引き
6/21

・次に、「救命の連鎖」の2つ目の輪、「早期認識と通報」についてです。4ページのグラフをご覧下さい。 ・突然心臓が止まった際の時間の経過と救命の可能性をグラフ化したものです。 ・縦軸が救命の可能性、横軸が心停止に至ってからの経過時間となっており、実線は救命処置がなされた場合で、点線は救急車が来るまで何もしなかった場合です。 ・心臓と呼吸が止まってから時間の経過とともに救命の可能性は急激に低下しますが、救急車が到着するまでの間に居合わせた人が救命処置を行うと、何もしなかったときと比べて救命の可能性は約2倍になります。 ・このグラフから、突然心臓が止まった方に対して、早期に認識して通報及び救命処置を始める事がいかに重要であるかがわかると思います。 ・ちなみに大阪市では、救急車は出場から現場に到着するまで平均で5分、通報から現場到着までであれば7分程度かかっています。 ・次に、「救命の連鎖」の3つ目の輪、「一時救命処置」についてです。 ・元気だった人が心疾患、特に心筋梗塞などが原因で突然倒れたような場合、心臓の筋肉が不規則にブルブルと震え、全身に血液を送り出すことができない状態(心室細動)になっていることが多いとされています。 ・この心臓の状態を正常に戻すためには、早期にAEDという機器を用いて心臓に電気ショックを行うことが、最も適切な処置です。 ・AEDは、心臓のけいれんによって、突然心臓の動きが止まってしまったときに、電気ショックを与えることにより、心臓を正しい動きに戻すことを補助する機器です。 ・5ページのグラフをご覧ください。 ・このグラフは救急隊が電気ショックを行った場合と市民が行った場合の1ヶ月後社会復帰率を表したグラフです。 救急隊が電気ショックを実施した場合の1か月後の社会復帰率18.9%に対し、そばに居合わせた人が救急隊到着前に電気ショックを実施すると43.3%でした。 ・以上の事から、心臓も呼吸も止まり突然倒れた方に対して、いかに素早く救命処置を実施し、必要な方にはより早く電気ショックを実施し、救命の連鎖の4つ目の輪「二次救命処置」につなげていく応急手当の重要性について理解していただけたと思います。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る