ヤノベケンジ

平成10年度 美術部門(現代美術)

【略歴】
1965年大阪府生まれ
1991年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
1990年アートスペース虹(京都)にて、生理的食塩水を入れたタンクの中に鑑賞者が実際に入って瞑想することができる作品『タンキング・マシーン』(現・金沢21世紀美術館所蔵)を発表し、第1回キリンコンテンポラリーアートアワード(KPOキリンプラザ大阪)最優秀作品賞を受賞。
以後、現代社会におけるサヴァイヴァルをテーマに、実機能をもつ機械彫刻作品を数多く制作。創作の原点は少年時代に訪れた大阪万博(EXPO'70)会場の解体現場「未来の廃墟」。ユーモラスな形態に社会性のあるメッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。
1994年よりベルリンを活動拠点に移し、
1997年より自作の放射線感知服を着て原発事故後のチェルノブイリなどを訪問する「アトムスーツ・プロジェクト」を開始する。
1998年帰国後も大阪万博跡地を中心に同プロジェクトを展開。
21世紀の幕開けとともに、リヴァイヴァルへと制作テーマを移行させる。
2002年イッセイミヤケや磯崎新とのコラボレーション・プロジェクトを行い、注目を集める。
2003年国立国際美術館(大阪万博跡地)にて集大成的な展覧会「メガロマニア」を開催。
2004年金沢21世紀美術館にて半年間にわたる滞在制作「子供都市計画」を経て、
2005年豊田市美術館での展覧会「キンダガルテン」、2007年鹿児島県霧島アートの森にて「トらやんの世界」を開催。
2008年パパ・タラフマラ新作公演「ガリバー&スウィフト」では初の演劇・舞台美術を手掛け、
2009年大阪の街並みを舞台に巨大作品群を出現させてアート船《ラッキー・ドラゴン》とともに巡航するプロジェクト「水都大阪2009:トらやんの大冒険」など、
既成のアートの枠組みを超えた創造的活動を次々と展開している。
2008年より、京都造形芸術大学ウルトラファクトリー・ディレクター。現在、大阪府在住。