平成19年3月28日    大阪市長会見要旨

【西成区あいりん地域の住民登録問題について】

西成区のあいりん地域における大量住民登録の問題について、昨年12月に問題が表面化してから、登録をしている人に福祉面等での実害が生じないように出来る限りの配慮をしてきましたが、生活の本拠としての居住実態のない住民登録を住民基本台帳法に則し職権で消除することを本日決断しました。消除の日については、統一地方選挙が公職選挙法に基づいて適正に執行できる条件整備を図ることも念頭に入れて、29日の閉庁時をもってその作業をすることとしました。

【平成19年度の市政改革本部体制について】

本日、市政改革本部の外部本部員に集まっていただき、改革の取組全般について着実に進んできている状況を報告させていただくとともに、この間、ご協力をいただいたことのお礼を申し上げました。
これまで市政改革本部の外部委員の方から市政全般について貴重なご意見をいただけたことが、市政改革がここまで来ることが出来た大きなエンジンになったと思っています。これからは職員自身の手で着実にこれを実行していくステップに入ったのだと私は思っています。そういうこともあり、市政改革本部の外部本部員の方には、3月末をもってその任期を終えていただくこととなりました。
ただ、外部本部員はいろんな知識を持っている方ばかりですので、これからもいろんな市政の問題について、率直な意見をいただきたいということは私からお願いをしましたし、立場を超えてこれからも言うべきことは言っていくという皆さんのありがたい声もいただいています。
平成19年からは、職員による新しい体制で中断することなく市政改革をやり遂げたいと考えています。

【大阪市水道局 高度浄水処理水ペットボトルドウォーター なにわ育ちのおいしい水「ほんまや」販売開始について】

水道局のボトル水を3月30日(金)から販売します。今回、より親しみを持って利用いただけるように、ペットボトルに仕様を変更しました。500mlペットボトルを販売用に、350mlペットボトルをPR用として製造しました。水道局女性職員を中心とした、「おいしい水推進スタッフ」がプロデュースし、名前も“なにわ育ちのおいしい水「ほんまや」”としました。一度みなさんに飲んでもらいたいと思っています。

質疑応答

■記者
建設局、環境事業局の事業所で職員のマイカー通勤が行われていることについてどう思うか。
■市長
これは市の職員としての自覚において、絶対にあってはいけないことだと考えています。両局から報告を受け厳しく指示しましたが、両局だけの問題ではなく、総務局、法務監察室とも連携して大阪市全体について徹底的に内部調査を行うよう厳しく指示しています。その調査結果が終わった段階で全体をみて厳正に対処します。

■記者
西成区の住民登録の問題について、市の内部調査の中間まとめで、西成区役所の7割の担当職員が不正な住民登録を黙認していたという内容があったが市長の見解は。
■市長
これは黙認というか、漠然とそういうことがあるだろうと知りつつ行っていた。中間報告ではあるが内部調査でもそういうことが明らかになってきている。コンプライアンスの観点から組織として、しっかりと調査を進めなければならないと考えています。
あいりん地区の現状を見て、これまでのやり方を踏襲してきたとしても、住民基本台帳法に則って事務をしなければならない。なぜこうなったのかという点についてできる限り調べたい。これは短期間でこうなったわけではなく30年あまり、その間に白手帳の扱いが変わったりしている、そのあたりの外部条件の変化も踏まえて現状をきちんと調査したい。
■記者
調べたうえでどうするつもりか。明らかにしてどうするつもりか。
■市長
どういう形になるかは別にして組織全体としての責任は免れないと私は思っています。
■記者
住民票消除により結果として、2000人あまりの人の選挙権を奪うことになるが、どう受け止めるか。
■市長
住民基本台帳と選挙人名簿は連結しているわけで、その2200人の方がこの間名乗り出てこられることなく、生存されているかどうかも分からない状況となっております。住民基本台帳法では、住民登録に誤りが判明した場合には、即時に訂正をしなければなりません。統一地方選が30日に告示され、投票日が4月8日ですから、その間も実態のある居住地が明確にできた時は、住民登録を回復する方法も用意しているわけで、無謀に選挙権を奪っていることにはならないと私は考えています。一方で厳正な公職選挙法に基づいた選挙を行う義務を選挙管理委員会は負っているわけです。
■記者
自立支援センターを住民登録のできる場にするということだが、自立支援センターにも入れない人が出た場合、どう対応するのか。代替地を用意する考えはないのか。
■市長
住民登録のために架空の場所を代替地として設けることは法的にできません。自立支援センターのキャパシティーを超えることがあるかどうかは今後の推移を見ていかないと分かりませんが、住民登録のできる所は簡易宿泊所など市内の他の場所にもあります。
■記者
この問題の根本的な原因はどこにあると考えるか。
■市長
大変難しい問題だと思います。扇町公園の住民登録にかかる訴訟でも言えることですが、今の法律とあいりん地区のような所の実態とがあっていないと思います。法律そのもののどこに原因があるのかというのは、これから議論がされていくのではないでしょうか。今回の問題はその法律と実態のはざまで起こった事象だと私は思います。
■記者
今現実にある問題点を国に訴えかけていくようなことを今後考えるのか。
■市長
今どんなことが起こっているのかを見極め、また法律の問題点について弁護士などの専門家の意見を聞いた上で、どう対処するか判断したいと思います。
■記者
住民登録をしている人から今日要望書が出されたが、それには目を通したのか。
■市長
さきほど受け取ったところで、熟読はできていません。
■記者
3施設に住民登録している人のうち、あわせて236人が生活保護を受給しているが、生活保護制度のあり方として、適正な住民登録の有無に関わらず保護が支給されている現状についてどう考えるか。
■市長
生活保護ではケースワーカーが居住実態を確認しています。3施設に住民登録している生活保護受給者の大半は入院中などのため医療扶助を受けているのが現状です。この場合、病院などの医療機関や介護施設などに入所されているわけで住宅扶助が出ているわけではありませんので、違法状態ではありません。このあたりは西成区では厳密に対応しています。

 
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