(市長)
まず、6月3日に東京で起こったエレベーターによる死亡事故を受けての大阪市の対応について説明します。
週明け5日の月曜日に、市営住宅を含む大阪市の公共施設にあるすべてのエレベーターについて、これまでのトラブルの状況を調査し、かつ設備の点検をするように指示をしました。この調査・点検は、シンドラー社以外の会社のエレベーターも対象にしており、現在進行中です。調査・点検の結果を踏まえて万全の安全対策を講じたいと思います。
また、7日には、新潟県で小学校の防火シャッターにかかる事故が起こりましたが、これを受けて、本日すべての市立小学校に対して、防火シャッターの総点検を指示しました。
【路上喫煙対策に関する普及啓発について】
(市長)
先日実施しました「路上喫煙に関する市民アンケート」におきましては、全体の約9割の方が「路上喫煙により不快な想いをしたことや、被害を受けた、または受けそうになったことがある」とのお答えをいただいたほか、約8割の方が条例の制定を望んでおられるとの結果が出ています。
路上での喫煙は、たばこの副流煙による健康への影響、たばこの火による火傷、火の不始末による火災、吸い殻のポイ捨てによるごみの散乱など様々な問題が指摘されています。大阪市では、こうした問題に対処するため、これから、路上での喫煙を防止することを目的として、様々な啓発活動を実施していきます。
また、今後、市民の方のご意見もいただきながら、路上喫煙を防止する条例の制定に向けて検討を行い、本年秋頃を目途に市会に上程していきたいと考えています。
ご覧いただいていますのは、路上喫煙を防止し、喫煙マナーの向上を訴えるための普及啓発キャラクターとして決定しました、「アカンずきん」です。「アカンずきん」は、キュートなイメージでありながら明るく正義感が強い大阪が大好きな女の子です。これから、この「アカンずきん」が市内の様々な場所で路上での喫煙マナーの向上を訴えていきますので、皆様のご支援とご協力をお願いいたします。 
また、この「アカンずきん」のデザインを様々なところでご使用いただきたいと考えています。路上喫煙を防止し、喫煙マナーの向上に役立てていただくために、大阪府など他の自治体も含めて、広報出版物等にどんどん活用してもらいたいと思います。

今後、この「アカンずきん」による啓発イベントを主要ターミナル等で実施していきたいと考えており、まず、今月22日の木曜日の夕方、午後5時から6時の間で、なんば高島屋百貨店北側歩道で啓発イベントを行い、その後、梅田・天王寺のターミナル付近でも実施する予定です。
さらに、こうした主要ターミナルでの街頭啓発に加え、区民まつりなどの地域イベント等にも「アカンずきん」を登場させ、喫煙マナーの向上を訴えていきます。皆様方もぜひ応援してください。
【欧州出張について】
(市長)
大阪の経済活性化と都市再生プロジェクトの一環として、私は6月11日から英国とドイツに出張し、トッププロモーションを行ってきます。
ロンドンでは、ロンドン大学と研究・交流協定の提携を締結します。2年前にもロンドン大学を訪問し、市立大学との学術交流を提案してきたところですが、教員、学生間の交流をさらに促進します。また、在英国の地元企業を対象として、北ヤード開発などを通して、大阪のプロモーションセミナーを実施します。その後には、日英議員連盟によるレセプションに出席し、ここでもシティプロモーションを実施してきます。
ドイツ・ミュンヘンでは、自動車メーカーのアウディを訪問し、今年の秋に開催を予定している「ものづくりサミット」への参加要請をしてきます。
さらにドイツのブレーメンに移動し、昨年は大阪で開催されたロボカップ世界大会の開会式に参加します。また同時に開催されるロボカップ国際委員会の理事会にも出席し、現在スイスのベルンにあるロボカップ国際委員会本部を大阪に誘致してきます。世界40カ国180の大学・研究機関など4000人の研究者とのネットワークを持つロボカップ国際委員会本部を大阪に誘致することは、国際的なロボット開発拠点を目指す北ヤードナレッジキャピタルの取り組みとも関連して、海外への情報発信力強化という点で、大きな意味があると思っています。誘致活動の結果は、理事会当日か、翌日には判明すると思います。
質疑応答
(記者)
エレベーター事故の件に関して、シンドラー社の日本国内シェアが約1%であるのに対して、大阪市営住宅におけるシェアが約11%もあるのはなぜか。
(住宅局)
平成12年以降に、5階建て以下の既存の中層市営住宅に小型エレベーターを設置してきた経緯があります。そのころから、小型エレベーターの製造メーカーとして、シンドラー社の製品が増加してきています。
(市長)
競争入札を実施してきていますが、他社と比べて、シンドラー社は価格競争力が強いとも聞いています。
(記者)
エレベーターの管理に問題はなかったのか。
(住宅局)
エレベーターについては最低月に1回、古いものでは月に2回、製造メーカー、もしくはメーカーと関連のある保守点検会社に定期点検してもらっています。加えて、不具合が生じた場合には、1時間以内に現場にかけつけ、すぐに修理をする内容の契約も結んでいます。
(記者)
路上喫煙の問題について、大阪は非常にマナーが悪いと言われているが、市長の考えはどうか。
(市長)
私自身は煙草をやめて20年近くなりますが、大阪のように繁華街の多い都市では、安全面で問題が多いと思います。煙草を持った手がちょうど子供の顔の高さになり、火傷をしたという報告もありますし、近年では喫煙の害がデータとしてもはっきり出ています。そのようなことからも、大阪市も条例を作って取り組んでいきたいと思います。
路上喫煙対策を進めるためには、市民の理解と協力が必要です。まずはソフトなイメージを持つ「アカンずきん」ちゃんに頑張ってもらって普及啓発を行い、あわせて市民の方のご意見を聴きたいと思います。8月にはパブリックコメントを実施し、秋の市会には条例案を上程したいと思います。「アカンずきん」ちゃんを是非ともかわいがってください。
|