平成18年7月12日    大阪市長会見要旨
 
【選挙管理委員会事務局長の更迭について】

(市長)
 芦原病院への補助金の使途、事務手続きなどの詳細については、私が要求した監査で現在、調査を行っていただいているところですが、芦原病院への融資に関して、地域医療を守るため同病院の存続が最優先と考えたとはいえ、中山選挙管理委員会事務局長は、当時の健康福祉局長として、極めて不適切で異常な事務処理を行ったと言わざるを得ないと考えています。
 中山局長は、現在法に則り公正公平な選挙を行う選挙管理委員会事務局長であり、所属長は所属員を指揮監督する立場にあることに鑑み、明日付けで、更迭することとしました。
 なお、中山局長の処分については、一連の他の事案も含めて8月中に行いたいと考えています。 今後の処分の予定についてですが、現在、「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」において、全市的な総点検を行っており、今月末を目途に関連事業の是正措置の公表に向けた作業を進めています。
 また、各局においても報道された事案等について事実関係の調査を進めており、「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」に報告し、ご意見をいただきたいと思っています。
 総務局で実施した受嘱と職務専念義務にかかる調査についても、現在集約作業中ですが、まとまり次第「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」に報告したいと考えています。
 芦原病院にかかる特別監査についても、7月中旬頃に監査結果が出ると聞いています。「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」での議論や市会での議論、警察での捜査の状況等も踏まえ処分を検討し、8月中に処分を実施したいと考えています。
 中山選挙管理委員会事務局長の異動先は、大阪市スポーツ・みどり振興協会派遣となり、後任者については、市民局理事で、大阪市女性協会常務理事兼事務局長の野々村節子さんになります。

【マンモグラフィ検診車によるがんの検診事業について】

(市長)
 大阪市では、女性のがん罹患の第1位である乳がんの検診について、マンモグラフィ(乳房専用X線撮影装置)による検診を、より多くの市民の方に受診していただく機会を提供するため、本市で初めてのマンモグラフィを搭載した検診車を配備するべく準備を進めてきましたが、このたび完成を迎えることとなりました。平成18年7月24日(月)11時30分から大阪市役所庁前広場にて出発式を開催します。
 マンモグラフィとは、乳がん検診の一つの検査方法で、エックス線撮影による画像診断法のことです。このマンモグラフィは乳がんをはじめ乳房に生じる異常の多くを見つけることができ、現在の超音波診断の約3倍の感度があると言われています。
 今回のマンモグラフィ装置本体は、NPO法人J.POSH(ジェイポッシュ)から昨年10月に寄贈を受けたものです。このマンモグラフィを搭載した検診車の完成を機に、マンモグラフィ検診を広く市民に普及啓発を行うため、大阪市と大阪市女性協会、NPO法人J.POSHとの共催により、「乳がんについての講演会」と「マンモグラフィ検診の無料体験」をセットにした啓発キャンペーンを7月25日(火)から実施していきます。
 乳がんは早期発見をすれば、かなり高い確率で完治することが分かってきています。これらの活動を通じて、乳がん検診に対する市民への普及・啓発の取り組みを一層進めるとともに、ひとりでも多くの方に検診を受診していただきたいと思います。

【「プラド美術館展」がいよいよスタート!】

(市長)
 いよいよ今週の土曜日から、市立美術館の開館70周年を記念した「プラド美術館展」がスタートします。プラド美術館は日本人にも人気のある美術館であり、普段はマドリードでしか見ることができない、ベラスケス、ルーベンス、ゴヤといった巨匠たちの絵画を、身近に鑑賞できる素晴らしい機会です。大阪市民のみならず関西圏の人たちに市立美術館に来ていただき、すばらしい絵画の世界を楽しんでいただきたいと思います。

質疑応答
(記者)
 中山選挙管理委員会事務局長の更迭について、「不適切」という表現があったが、 具体的にどの部分が不適切だったのか。
(市長)
 病院を存続させなければならないという思いは分かるのですが、医療事業振興協会からいったん健康福祉局長個人名義の口座にお金を振り込ませたり、社会福祉協議会に対して補助金を上乗せして交付して事後に精算するなどという一連の事務処理は、コンプライアンスに反し、異常で不適切だと言わざるを得ません。中山局長は法令順守を特に強く求められる選挙管理委員会事務局長というポストにはふさわしくないと判断して、更迭を決定しました。
  本件の詳細については、監査委員会の方で調査してもらっていますが、大阪市としても徹底的に調査したいと思います。
(記者)
 市長はこのような一連の事務処理がされていたことを知らなかったのか。
(市長)
 詳しい流れについては報道されるまで知りませんでした。ただ、知らなかったですまされる問題ではないと思っています。そういう意味で私にも責任はあると思っています。
(記者)
 一連の処分の中には、市長自身も含まれるのか。
(市長)
 もちろん含まれます。全体像を把握した上で、関係者全体の処分を8月中をめどに行いたいと思います。中山局長については、選挙管理委員会事務局長というポストに考慮して処分に先立って異動を決定しました。
(記者)
 今日内示を受けた中山局長はなんと言っていたか。
(市長)
 「よく分かりました。内示に従います。」と言っていました。
(記者)
 芦原病院への債権放棄の同意を求める議案は引き続き提出するのか。
(市長)
 この議案は継続審議の扱いとなっており、現在でも審議中です。今回の件を受けて、新たな議論もあるかと思いますが、議会の審議に委ねたいと思います。
(記者)
 飛鳥会をめぐる一連の捜査が終結したことに対する市長の所感は。
(市長)
 この事件は大阪市にとって非常に重い事件でした。事件の全容がすべて明らかになったわけではありませんが、市職員が逮捕されていることもありますので、今後は二度とこのようなことが起こらないように市の組織の変革を行い、ガバナンスを確立していきたいと思います。
(記者)
 飛鳥会にかかる大阪市の調査の結果は公表するのか。
(市長)
 指摘を受けている事案については、事実確認を現在行っていますが、その調査結果は最終的には「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」に報告します。その後、しかるべき時期に公表します。
(記者)
 社会福祉協議会に裏金があったという報道があったが、これについての所感は。
(市長)
 その件については、現在調査中です。
(記者)
 生野区をはじめとする複数の区で、民間団体から受け取ったお金を慶弔費などに充当しているという報道があったが、市長の見解は。
(市長)
 公金外現金の扱いについてははっきりとさせる必要があります。例えば、新しい区役所庁舎の完成に伴い、応接セットの寄付を区友会からもらうといったようなことは以前からもありましたが、これらは寄付として書類上もきちんと処理されてきています。今回の報道のように日常的な寄付を受けていた現状については、対応の仕方が各区でばらばらでもあったようでもありますので、その収受の仕方、使途が適切であったかも含めて、一度きちんと整理をしたいと思います。
 公金外現金については、以前から調査を行う方針でしたが、今回のような友好団体からの支援についても含めて検討していきたいと思います。相手方は好意でやっていただいているわけですが、受ける方は公務員ですから、コンプライアンスも必要ですし、市民への説明責任もあります。できるだけ共通したルールづくりをしたいと思います。
 
閉じる
 

大阪市 Osaka City