平成18年7月26日    大阪市長会見要旨
 
【要望等記録制度について】

(市長)
 要望等記録制度については、7月31日に規則を公布することとしています。また、事務処理など影響が大きい制度ですので、市民の方々や職員などへの周知を十分に行うため、1ヶ月程度の周知期間の後、9月1日より施行したいと考えています。
 本制度は、市政の透明性の確保、並びに市民からの信頼の回復を目的とし導入するものです。4月にコンプライアンス確立のための条例を施行し、公益通報制度や不当要求行為への対応などの仕組みを導入したところですが、さらに要望等記録制度を導入することにより、庁内全体のコンプライアンス体制の充実を図ってまいります。
 制度の周知についてですが、7月31日の規則の公布と同時にその内容はホームページに掲載します。8月中には各区で発行される区政だよりに掲載するとともに、9月1日には市政だよりにも掲載します。また、パンフレット、リーフレットを活用するなどして周知に努めたいと思います。

【「都市再生重点産業立地促進助成制度」の助成対象決定並びに「大学特例」助成制度の制度化について】

(市長)
 昨日、「都市再生促進助成制度審査会」が開催され、助成の申請がありました「旭硝子株式会社関西工場大阪事業所(仮称)」と「京セラミタ株式会社  R&Dセンター」についての審査を行っていただきました。「助成をすべし」という審査会のご意見を受けまして、この二つの事業所に対して、助成を行うことを決定しました。
 旭硝子の事務所は今年の6月に住之江区平林北の産業集積促進地域に立地決定をされた、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)用ガラス基板の加工工場で、助成制度の「大型特例」適用の第1号となります。「大型特例」助成制度は、住之江区平林北の関電発電所跡地に進出する、IT、ナノテク等の先端産業で、投資額300億円以上の製造業について、30億円を限度に建物・設備費の5%を助成するもので、平成17年4月に制度を創設したものです。
 旭硝子はPDP用ガラス基板について世界市場での80%のシェアを占めており、今後さらに需要の増加が見込まれています。先のドイツ出張時に結局私は訪問出来なかったのですが、ミュンヘンにあるサッカー競技場の壁面は旭硝子が手がけたものです。天然芝を枯れさせないように、光を良く通す素材が使われており、またサッカーチームのチームカラーに合わせて赤や青に色が染まるようにもなっています。この競技場は現地でも高い評価を受けており、このような世界のトップ企業の大規模工場が市内に進出されることは、大阪経済の活性化に大きな役割をはたしていただけるものと期待しています。
 もう一件は、京セラミタ株式会社が中央区玉造1丁目の本社敷地に建設するR&Dセンター(研究開発センター)で、助成制度の「基本型」の適用対象とします。
「基本型」の助成制度は、医療・福祉、生活文化、情報通信など本市の定める重点産業分野に属する事業者が、1,000m2を超える事業所を市内に新たに建設する場合に、3億円を限度に建物・設備費の5%を助成するものです。今年の2月に助成対象として決定した「学校法人森ノ宮医療学園」に次いで、2件目となります。
 また、大阪の都心部に新たに設置する大学等に対して、賃料または設備投資額の一部を助成する「都市再生重点産業立地促進助成制度−大学特例」を新たに追加しました。この制度により、IT、ロボットなどの先端産業の振興やアジアとのビジネス交流の拠点づくりに直結するような特色ある社会人大学、外国の大学のサテライト校などの大阪都心部への進出を促し、新たな分野に挑戦する人材やビジネスが生まれる拠点となることを大いに期待しています。

【大植英次プロデュース「大阪クラシック〜御堂筋にあふれる音楽〜」の開催について】

(市長)
 大阪市では、9月3日(日)から9日(土)までの一週間、大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督であり、世界的に有名な指揮者でもある大植英次氏のプロデュースによる「大阪クラシック」を開催します。
 「大阪クラシック」は、大阪が誇る大阪フィルハーモニー交響楽団が地域に根ざす交響楽団として街に飛び出し、御堂筋沿いのビルの1階ロビーやホールをはじめ、中央公会堂や市役所玄関ホールなどで無料または低料金のコンサートを行うもので、市民の皆さんに、第一級のクラシック音楽を、身近な場所で気軽に楽しんでもらうことを目的として開催します。
 先日お知らせしました、才能ある若手音楽家の発表や交流の場となる「中之島国際音楽祭」と合わせて、今年9月を、御堂筋と中之島に朝から晩までクラシック音楽があふれ、大阪から音楽文化を広く発信していく月間にしていきたいと考えております。
 大植英次氏は、素晴らしい指揮者でファンも多く、4月29日に大阪城・西の丸庭園で開催された「星空コンサート」にも会場がいっぱいになるくらいの来場者がありました。

質疑応答
(記者)
 要望等記録制度は、もっと早く実施する予定ではなかったのか。
(市長)
 当初は、7月中に実施することを考えていました。しかし議論の中で、職員、市民の方々へ周知する期間をとることが大切だということになりました。そこで1ヶ月間の周知期間をとり、9月1日からのスタートとなりました。
(記者)
 議会の同意がなかなか得られなかったとも聞いているが、議会の反応についてどう考えるか。
(市長)
 この制度の趣旨は、不正、不公正な要望の抑止力になるということと、要望を職員個人ではなく、組織としてきちんと受け止めそれを記録化していくという職場風土を定着させていくということです。そういう説明を私の口から議会にしてきましたが、特段大きな反対もなく、理解されたと私は思っています。
  (記者)
 関西のオーケストラの統廃合の議論が注目されているが、これについてどう考えるか。
(市長)
 欧米を中心に主要大都市では、オーケストラが必ず地域に根付いており、そういう意味で、大阪にもオーケストラは必要だと考えています。大フィルには大植さんが来てくれており、大変心強く感じています   楽団を統廃合するという議論についてですが、第一義的には、それぞれの楽団、楽団員が決めることだと思っています。経済界なり行政が、こうしなさいという性格のものではないと思っています。
 
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