【世界陸上について】
8月の世界陸上についてちょっと申し上げたいと思います。今日はちょうど130日前になったわけですが、世界スポーツの3大イベントでもあるこの大会を最大限に盛り上げたいと思っています。いつも言っていることですが、会場を満席にして、大阪の街が元気だということを世界にアピールしたいと思います。前回、前々回では、テレビ視聴者数が約45億ということでしたが、今回は65億ぐらいになるのではと言われています。大会は長居を中心として行われますが、マラソンコースの大阪城の部分は世界でも他にない美しいコースだと言われていますので、そこを走ってもらって、世界にアピールしたいと思います。それと、これもいつも言っていますが、一人でも多くの子どもさんに現場でトップアスリートの真剣勝負を見てもらいたいと思います。子どもさんがそこから何かを感じたら、将来、それがきっと生きてくると思っています。主催は世界陸連ですが、大阪市としても、開催市として、この大会を大成功に持っていきたいと思っており、過日、各所属長にも、それぞれの立場での役割を積極的に果たしてもらうようにお願いしました。
昨日は、世界陸上競技選手権大会の成功をめざした専門会議というものが開かれ、できるだけ多くの子どもさんに来てもらうためのアイデアや、食い倒れの街大阪の特性を生かしたアイデアなど、いろいろな意見が出されました。
今月22日は大阪市子どもカーニバルで、約2万人の子どもさんが集まります。そこでは、30メートル走とか砲丸投げなど、子ども向けの陸上競技の体験コーナーを設けることになっていますので、そこでグッズも配りたいと思っています。ご承知かと思いますが、トラッフィーは500近い応募作品の中から、大阪芸大の小池一夫先生が中心になって選び、世界陸連の理事会で一発で決まりました。これは18歳の学生の作品で、ユニークなキャラクターができたというのが全体的評価でした。 5月3日には、世界陸上記念シンポジウムが開かれます。パネルディスカッションもあり、パネラーは増田明美さん、100メートルで日本記録を持っている伊東浩司さん、元陸上選手のオール巨人さん、佐藤多佳子さん等の予定です。5日には国際グランプリ陸上大会があり、世界陸上の出場が予定されている末續 慎吾(すえつぐ しんご)選手、為末 大(ためすえ だい)選手、また、上海出身で110メートルハードル世界記録を持っている劉翔(りゅう しょう)選手等が出場します。
いよいよ130日前。これから、この大会に向けて我々も積極的に盛り上げていき、最終、成功したといえる大会にしたいと思っています。
【市長の海外出張について】
続いて、今回の出張の件ですが、この4月24日火曜日から29日の日曜日までアメリカに出張します。目的は3つあります。
一つめは、今年10月に開催される「世界ものづくりサミット」への参加要請です。「より豊かな地球社会の実現をめざして」というテーマのもと、ものづくりに関する国内外の企業の経営のトップの方、有識者、大学の先生等が集まって平成17年から開催しており、今回は3回目です。これまでの成果は、ロボカップ国際委員会本部事務局の大阪誘致、昨年11月にはその事務局が大阪に開設、シチズン時計と大阪大学との間での産学連携の提携などがあります。また、世界トップレベルのビジネススクールであるノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院の大阪での企業研修も実現しました。さらに、会議に参加した経営者、研究者のネットワークにより、ヨーロッパ最大のロボットメーカー「KUKA」や、ドイツの大手自動車メーカー「アウディ」の拠点を大阪に設置することについて検討が進められています。こういったこれまでの成果をPRし、今年10月の開催に向けて参加を要請したいと思っています。
二つめは、カーネギーメロン大学の誘致です。カーネギーメロン大学は1900年創立の、米国で非常に古い私立の総合大学で、ロボット、ゲームなどのエンタテイメントの分野で世界的に非常に高い評価を得ています。昨年「世界ものづくりサミット」に参加したノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院の名誉学長から、「カーネギーメロン大学にあるETC(エンタテイメント テクノロジー センター)が日本のデジタルコンテンツ、アニメーション、ゲーム機器、最新テクノロジーに非常に関心が高く、大阪での事業展開に非常に意欲を持っている」という情報を得ておりますし、カーネギーメロン大学と大阪市が関わりを持つということは、今後、映像、情報分野での創造的な企業・人材を呼び込むきっかけになるとともに、北ヤードを中心とした国際的次世代ロボット開発拠点都市をめざす大阪市にとっても意義のあることだとも思いますので、カーネギーメロン大学との連携事業についてこれを確かなものにするとともに、「世界ものづくりサミット」の参加についても呼びかけたいと思っています。
三つめは、ニューヨークの「大阪クラブ」での大阪市のプロモーションです。「大阪クラブ」は、ニューヨークにおける大阪のいわば応援団として昨年から発足したもので、米国在住の財界人で各方面に影響力を持つ方々を招き、比較的少人数の方との対話型セミナーを実施することにより、米国における大阪の知名度の向上を図ろうというものです。今回は、「世界ものづくりサミット」への参加要請を中心にしながら、ものづくり企業の集積地関西とその中心都市としての大阪を「大阪クラブ」でアピールし、同時に、北ヤードの開発の現状や世界陸上大会の準備状況についても紹介したいと思っています。
質疑応答
■記者
カーネギーメロン大学が、大阪に出てくるとすればどの場所になるのか。
■市長
まだ場所は決まっていません。
■記者
大阪市としてはどういうインセンティブを持っていくのか。
■市長 これについては、行ってから、どういうものがインセンティブになるかということをきちっと聞いて、
大阪市の対応はどうできるかについても話をしたいと思います。
■記者
カーネギーメロン大学は、研究機関だけなのか、それとも大学の教育機能もあるのか。
■市長 研究拠点というのが向こうの希望です。拠点を置いて、そこから各企業に行って企業内研修を受け、夕方は拠点にもどって、その日に勉強したことをお互いにディスカッションするというような拠点です。大阪に大学を開いて学生を集めるとかそういうことではないようです。拠点に40名、50名単位で、半年単位で滞在すれば、いろいろ人脈もでき、ある意味、大阪・関西エリアの実情を良く知ったファンをつくることになるだろうし、将来、大阪に非常にプラスになると私は思います。
■記者 西成の住民登録問題で、3月1日に高裁の仮処分が出た男性について、4月8日の選挙当日に市は投票を拒否しているが、その理由について選挙管理委員会は「高裁の事実認定に誤りがあったために拒否した」と説明している。このことについて市長の見解は。
■市長 選挙管理委員会のコメントについては直接聞いていませんが、居住実態の確認はきっちりやっていると思います。
■記者
住民登録を削除されていない、高裁の仮処分が出ている人についての投票を拒否したのだが、その見解は。
■市長 住民登録が削除されていない男性については、その登録が認められる登録かどうかということをきちっと確認したと思います。
■記者
当日、高裁の仮処分に反する判断を自治体独自の判断で下したということか。
■市長 これは、住民基本台帳法と公職選挙法の両方に則った、きちっとした判断がされたと思います。
■記者
その男性は住民登録の消除はされていないが、なぜ、されずにそういう判断をとったのか。
■市長 これは選挙なので選挙管理委員会が独立した機関として判断したと思います。
■記者
高裁の仮処分の命令に反する判断というのは、結構重い判断だと思うが、独自の判断をしたということか。
■市長 これは、選挙管理委員会の判断です。
■記者
統一地方選挙で前半戦が終わり、市長を支援した自公の得票数が若干落ちているが、市長の率直な感想は。
■市長 多少の会派別の変動はありましたが、基本的な枠組みはあまり変わってないと思います。
■記者
市長は、議会の議論は高い質がないと市政として不幸だとおしゃっていたが、高い議論は期待できそうか。
■市長 市議会が始まるのは5月からですが、今は大変期待しています。
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