平成19年5月9日    大阪市長会見要旨

【ジェットコースター等にかかる本市の対応について】

5月5日にエキスポランドにおいて、遊戯施設のコースターで死亡事故が発生したことは、市民の皆様や、お子様方の安全を守る立場として、大変痛ましく、悲しい事故であると受けとめております。国土交通省もこの事故を重大に受けとめ、5月6日に、全国的なレベルのコースター等の緊急点検を実施することを決め、大阪市としましても、これらの施設のあるユニバーサルスタジオジャパンとフェスティバルゲートに対して、建築基準法に基づく緊急点検を行い、5月18日までに報告するよう求めているところです。この2施設については事故の直後にそれぞれ自主的な点検を行って、安全の確認をしたという報告は受けておりますが、大阪市として来週早々にも自主的に立入調査を実施するよう、担当部局に指示を行っております。また、コースター以外の観覧車などの遊戯施設についても、所有者に対して同様の緊急点検を行って安全管理に努めるよう、通知をいたします。また、危機管理室所管の大阪市安全管理委員会より、各所属が所管する公園や学校などの遊具施設の安全点検等、事故防止の徹底に努めるよう文書で通知しました。こういう事故はあってはならないことですので、事故防止に向けて、万全を期していきたいと思っています。

【職員手づくりの映像のインターネットでの配信について】
本日、報道資料として提供していますが、明日(5月10日)の午後1時から、職員が撮影した市政に関する映像をインターネット(OSAKA BB NET)で配信します。これは、昨年度の「職員ベンチャー制度」で、職員から提案のあった事業「インターネット放送局」の一部を具体化したものです。今回配信するのは、4月22日に行われた第28回こどもカーニバル2007の様子と、一斉清掃クリーンおおさか2007への参加募集キャンペーンの様子の2本であります。今後、順次、各局・各区の職員が撮影した映像を配信していきます。今回分を除いて、年間で12本程度を予定しています。この取組みは、市民をはじめ多くの方々に、市政に関する情報を、映像によって、よりわかりやすく知っていただくようにするねらいがあるとともに、こうした映像を積極的に制作・配信することで、職員の広報マインドの向上につなげていきたいと考えております。

【海外出張報告について】
すでに報道していただいている部分もありますが、先月アメリカのピッツバーグとニューヨークの両市を訪問し、カーネギーメロン大学の誘致が決定しました。カーネギーメロン大学の学長とエンタテイメントテクノロジーセンターの所長と私の3者でサインをすることができました。カーネギーメロン大学では学生がプレゼンテーションをしてくれましたが、大阪進出についても非常に意欲を感じました。またニューヨークでは、タウンゼンド元ニューヨーク副市長に「世界ものづくりサミット」への参加要請を行い、前向きの返答をいただきました。

【旭硝子株式会社大阪工場のオープンについて】
昨年6月に住之江区平林北の産業集積促進地域に進出を決定された旭硝子社の大規模先端工場が、5月18日にオープニングの運びとなりました。一日でも早く操業したいということで、工場着工に至る多くの手続きを、都市再生プロモーションセンターを窓口として、ワンストップ体制で迅速に対応し、昨年8月に予定通り着工され、この18日にオープニングセレモニーを開催されることになりました。セレモニーには私も出席する予定です。

【バラの寄付について】
昨年の「世界バラ会議」で大阪を「バラの都市」と宣言していただいたのをきっかけに「100万本のバラの運動」をしています。実行委員会委員長はアートコーポレーション社の寺田千代乃さんです。今回、大阪西ロータリークラブの鴻池会長、大阪市信用金庫の新堂理事長、財団法人大阪市スポーツ・みどり振興協会の舞鶴理事長、寺田委員長が来られ、寄付をいただくことになっています。この運動を受け今年は淀屋橋から肥後橋までの約400mに『中之島ばら回廊』を完成させました。 明日、10時半に寄付をいただいて、その後、現地で催し(植樹式)も行います。

【同済大学の大阪分校の設置決定について】

それでは、本日の項目です。中国・上海の同済大学が大阪分校の設置をするということについて説明します。かねてから誘致を進めてきた、中国・上海の同済大学が中国ビジネスなどの授業を行う大阪分校の設置を決定されました。同済大学は、中国政府直属の重点大学で、今年開学100周年を迎える伝統ある名門大学であり、平成16年12月、上海市と大阪市の友好都市提携30周年の時には、上海において、同済大学の万(ばん)校長と直接お会いして、大阪への進出を要請しました。なお、万校長は現在、国務院科学技術部の部長に就任されています。その後、上海で共同でのシンポジウムを開催するとともに、大阪分校設置に向けて協議・検討を重ねてきましたが、このほど学校法人立命館の協力のもと、中央区にある立命館大学大阪オフィス内に同済大学大阪分校を設置する運びとなりました。当面は、最新の中国ビジネス事情に関する講座やビジネス中国語講座をスタートさせるとともに、両大学間のMBAデュアルディグリープログラムや、将来的には理工系や社会・人文科学における連携を検討し、段階的にプログラムを充実していく予定です。同済大学の大阪拠点の設置は、大阪市の創造都市づくりを進める観点からも、知的ビジネス創造機能の強化につながるとともに、経済成長を続ける中国において通用するビジネス人材を育成し、中国とのビジネス交流を促進することになり、本市の活性化に大きく貢献すると期待しています。明日5月10日の午前9時50分から、市長公室において、上海市代表の立会いのもと、同済大学の楊(よう)副学長、学校法人立命館の長田(ながた)理事長、私の三者により、同済大学大阪分校の設置についての覚書の調印式を行う予定です。ぜひ、取材もしていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

質疑応答

■記者
同済大学の分校について、定員や、受講対象者は決まっているのか。
■市長
定員はこれから決めていきます。MBAのコースなので、対象はそれに該当する資格のある人ということになると思います。

■記者
都市活性化策として、また、創造都市づくりを進めるうえでの海外の大学誘致のビジョンについてお聞きしたい。また、他に予定している大学はあるのか。
■市長
大阪市創造都市戦略にもあるように、これからの都市の最も重要なインフラは人材であると位置づけています。先端の研究者などの優秀な人材やベンチャー的なビジネスが常に大阪に注目して大阪に集まり、そこで交流をして何かを創り出し、これがまた新たな人材を呼び込む材料になるというような循環が大阪に出来ていけば、経済的な活性化はもちろんのこと、大阪市の力も抜群に高くなると思います。今回、カーネギーメロン大学と同済大学の2つが先鞭をつけてくれましたので、これから次々と内外の大学のサテライト的なものが大阪に集まってくる可能性が高くなったと思います。 次に予定している大学はあるのかについては、今はまだありません。

 
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