平成19年8月9日    大阪市長会見要旨

【こども 夢・創造プロジェクトについて】

最初に「こども 夢・創造プロジェクト」について説明します。また、後ほど紹介させていただきますが、今回このプロジェクトに協力いただきます関係者の方々にもご同席いただいており、今日はこのメンバーで会見を進めさせていただきます。
今年4月に新たに設置した「こども青少年局」は、生まれる前から乳幼児期を経て青年期に至るまでのこども及び青少年に関するいろんな施策を体系的、効果的に進めるために設置され、今、総合的なプログラム作りに取り組んでいるところです。
今回その一環として、「こども・青少年の生きる力の育成」というパートで、大阪で様々な分野で活躍されている優れた人材や大阪が有する技術など、有形無形の資産を活用して、次の時代を担う子ども達が将来に夢や希望を持てるように色んなことを学び体験する場を提供する事業で、新局として初めてのプログラムとなる「こども 夢・創造プロジェクト」をまとめました。
具体的には、企業等の皆様にご協力をいただき、5つのプロジェクトを設け、小・中学生を対象に公募により好きなプロジェクトに参加していただき、それぞれのプロジェクトの特性を体感してもらえるというものです。
プログラムの詳細は本日の報道発表を見てください。
遅くなりましたが、本日ご出席いただいております方々のご紹介を5つのプロジェクトの紹介と合わせてさせていただきます。
ファッションデザイナーとして活躍されているコシノ ヒロコさんによる「ファッションアカデミー」。本日は代理で株式会社ヒロココシノデザインオフィスの秘書の草野雅恵(くさのまさえ)さんにご出席いただいております。
人工衛星の打ち上げで大変すばらしい成果をあげておられる青木豊彦(あおきとよひこ)さん、大阪大学の河ア善一郎(かわさきぜんいちろう)教授による「こどもコズミック(宇宙)カレッジ」。
世界陸上でも活躍を期待されている朝原選手による「キッズスポーツアカデミー」。彼は指導者としての能力も備えているトップアスリートとして知られています。今は世界陸上に向けの最後の調整中だと思いますが、本日は、代理で大阪ガス株式会社 人事部の樋口勤(ひぐちつとむ)さんに出席いただいております。
陶芸作家の猪飼祐一(いかいゆういち)さんによる「世界でひとつのものづくりワークショップ」。本日は所用でおこしいただいておりません。
宮川大助(みやがわだいすけ)さん、ストリートダンスのD’OAM(ディオーム)の皆さんには「こどもダンスミュージカル」というのをやっていただきます。
皆さんにも後ほど、お話をいただきますが、小中学生の早い時期からこういう体験をしてもらうということは非常に大事なことだと思いますし、この成果は10年後、20年後に現れてくるだろうと思います。
世界陸上でも世界のトップアスリートの真剣勝負を目の前で子ども達に見てもらうことによって、子ども達の心に何かを残したいということで、無料チケットのプレゼントを今やっていまして、これも軌道にのっています。
今回の事業は試行事業ですが、今後さらに充実、発展させていきたいと思っています。将来の大阪・関西を担う人材を大阪市内の子ども達の中からもどんどん輩出されることを強く願っています。
なお、我々の主旨に賛同いただき、プロジェクトに参加いただく方々、また、企業、団体では、ミナミ活性化委員会、大阪ガス株式会社、松下電器産業株式会社の方々など、多くの方々に今回の試みにご協力いただきました。ご報告とお礼を申し上げます。
私からは以上です。それでは、ご出席の方からもお話をいただきます。
よろしくお願いいたします。

(草野雅恵(くさのまさえ)さん)
本日、コシノがこの場に出席することが出来ませんので、(メッセージの)代読をさせていただきます。
『数週間前に体験プログラム講師の依頼をいただきお引き受けしたものの、9月初めに東京コレクションを控え、本日どうしても東京を離れることができません。この場に出席が叶いませんことを、まずはお詫び申し上げます。
このプログラムでは、子ども達が将来の夢や希望を具現化でき、講師である私も彼らと感動の体験を共有することが出来ると思います。これが、この度講師をお引き受けした理由です。子ども達にものづくりの喜びを経験してほしい。服を通じて自分の個性がどう活かされるか感じてほしい。そしてそういう環境を、自らの手で築いていってほしいと願っています。お仕着せの服を着せられるのではなく、自らを表現する一つの手段として、ファッションについて、子どものうちから感じ、考えてほしいのです。
参加してくださる子どもさん達の中から、将来、私のライバルとなるような世界的デザイナーが出現するかもしれません。こんなに嬉しく、また楽しみなことはありません。最優秀作品を、コシノヒロコ大賞として表彰していただければとも思っております。新鮮かつ自由な発想で、このプログラムにご参加いただければと思います。』

(青木豊彦(あおきとよひこ)さん)
私も2代目で、子どもの頃に親父からものづくりというか、機械のことをよく教えてもらいました。私が親父から聞いていた話では、ものづくりでの感性というのは12歳から25歳ぐらいまでが一番宿るのではないかということです。私もそう思っています。子ども達にものづくりというか、そういう感性のあるものを体験してもらったらいいなあということでこの企画に賛成し、また、参加させてもらうことになりました。よろしくお願いします。

(河ア善一郎(かわさきぜんいちろう)さん)
このお話をいただきまして、子ども達に科学に興味を持っていただけるような話をしてみたいなと思っています。私は大阪の南の貝塚というまちに生まれ、さらにその田舎の山奥で土にまみれながら、いたずらしながら、今は阪大の一応教授様ですが、教授というのは別にえらいんじゃなくて、いろんなものに興味を持って進んできたらたまたま転がり込んできた。そういうお話を通して科学に興味を持ってもらえるように授業ができたらと思っています。それから、もう一つ。大阪大学を好きになってくれる子どもを育てたいと思っています。

(樋口勤(ひぐちつとむ)さん)
朝原選手の「キッズスポーツアカデミー」ということでご紹介させていただきます。内容としましては、100メートルの日本代表選手であります彼が正しい走り方の指導を行います。それとスポーツ選手の食事と健康管理、それとスポーツマンシップ。彼が経験した中でのスポーツマンシップを子どもたちに直に接してふれあってやっていきたいということであります。彼からメッセージを預かってきておりますので、代読をさせていただきます。
『今回の朝原スポーツアカデミーでは、私がスポーツ、特に陸上競技を通じて経験し、学んできたことの多くを、未来ある大阪の子供達に伝え、共有していきたいと思います。8月25日、26日の世界陸上では、子供達に夢をたくさん伝えるために僕自身も一生懸命頑張りますので、どうか応援をよろしくお願いいたします。』
以上のメッセージを預かりました。
私も彼と一緒に仕事をしておりまして、非常に実直でユーモラスな人間であります。ですから今回のこのアカデミーも非常に楽しいものになると思っております。よろしくお願いいたします。

(宮川大助(みやがわだいすけ)さん)
今回は僕だけがちょっと皆さんと立場が違う場所にいまして、僕はダンスとミュージックの専門家ではないのです。以前、大阪市の協賛を得まして、良寛さんというお芝居をさせていただきました。歌と踊りが入っていて、良寛さんと子どもたちと何かできるような、そして、子どもたち、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんが本当に楽しめるような、そんなことが出来ないかなというので良寛さんをさせていただきました。今回は子どもを中心としたアンデルセンで僕が語り部になると思います。僕は子どもが好きで、未来こそが子どもであり、子どもの数が未来の数だと思っています。(今回のプロジェクトは)ほとんどが伝統芸というよりは、未知の開発と創造という新しい部門の方たちですが、その中で子どもたちと一緒に何かをするということに僕が参加させてもらえることにすごく喜びを感じています。一生懸命やっていきたいと思います。

(D’OAM(ディオーム))
4人でD’OAM(ディオーム)です。よろしくお願いします。僕たちはストリートダンスで自主公演をしたりします。ユニセフ協賛のグローバルスキルズというヨーロッパで行われたイベントにも参加し、青少年文化センター開設時には同じように子ども達とのダンスオペラという舞台をさせてもらいました。日本全国をダンスの仕事でまわりましたが、関西の子どものダンスのシーンていうのがすごく大きくて、世界規模で見ても多分一番だと思います。テクニックもすごくあって。そういう子ども達の身体表現の手助けが出来たらなあと思っています。よろしくお願いします。

質疑応答

■記者
宮川大助さんにお尋ねしたいのですが、どういうイメージのミュージカルになるのでしょうか。
■宮川大助さん
作家の方はもう決まっていて、今交渉中です。自分のやりたいアンデルセンについてのお話はしましたが、どういう具合になるのか、僕もどういう役でどういうことをするのかはまだ分かっていません。前の良寛さんのときは、半分以上は自分も構成してたのですが、僕はミュージカルは初めてで、今回はちゃんとプロの方が作られるので、すべてお任せしてるようなかたちです。
■D’OAM(ディオーム)さん
ストリートダンスがどういうものなのかということを分かりやすく中に入れたいと思っています。宮川さんのイメージにそうようなものをつくっていきたいと思います。
■宮川大助さん
僕としてのイメージはあります。作品としてどんなものになるかは分かりませんが、子どもたちの悩みとか大人の悩みとか、家族の中、村の中、友達同士などいろいろな場面でおきる悩みを、大人が子どもに同じ次元でしゃべれたらなと思っています。そういうときに家族が集まって話をすることができるのがアンデルセンだと思っています。例えば「醜いアヒルの子」では人を区別するとどうなるかということをちゃんと教えてくれるし、その他にも、貧しいことが悪いことというよりは、貧しい故に持っているものもあるということを教えてくれるものもある。思いやりや慈悲など、そういったものをみんなで共有できるのがアンデルセンだと思っています。

■記者
19年度は試行事業ということですが、将来的にはどういう事業にしていくのですか。
■こども青少年局長
今回やってみて、そのやり方、効果、事業の内容等を研究して、そして、来年からは本格的に実施したいと思っています。
■記者
数も増やしていくのですか。
■こども青少年局長
この新しい「こども青少年局」ができた時に、いろんなところから「どんなことをするのですか」というような問い合わせがあり、そういう問い合わせをしてきた方々と我々の思いを議論しまして、今回のプロジェクトにまとめたのですが、こういった趣旨に賛同する企業と団体を広く募っていきたいと思っています。

■記者
ファッションアカデミーについて、デザイン大賞という話がメッセージの中にありましたが、受講した20名の中でいいデザインにはコシノさんから賞を与えるというかたちですか。
■草野雅恵(くさのまさえ)さん
はいそうです。

■記者
「こどもコズミック(宇宙)カレッジ」について、宇宙の環境実験体験とか、生き物の飛行実験体験とかいろいろあるんですが、もう少し具体的に何かあるのであればお聞かせ願えますか
■青木豊彦(あおきとよひこ)さん
今の若い人はものづくりということを言葉で分かっていても体験や経験がほとんどないので、ものづくりをする楽しさや辛抱を体験してほしいという話をして、そういうことがちょっとでも理解できるようになればいいなと思っています。
■河ア善一郎(かわさきぜんいちろう)さん
細かなところはまだ議論をしていませんので分かりませんが、例えばペットボトルのロケットを打ち上げるという話もあるのかな。強い磁石の中では蛙などは浮くので、それを見せられたらいいなとも思います。めだかが宇宙に行ったという話もありますから、そういうのもお話する予定なのではないかと思います。これは僕の想像ですけど。青木さんが今、ものづくりっておっしゃいましたけど、ペットボトルロケットをつくるということで共通するものもありますし、つくるということと科学がうまく握手できたら子ども達も興味を持ってくれるんじゃないかなと思います。僕の話しの中で簡単な実験の解説などができたらと考えています。

【『都市再生重点産業立地促進助成制度』の「大学特例」、「本社特例」の助成対象の決定について】
本日2時発表の『都市再生重点産業立地促進助成制度』ですが、かねてから誘致をすすめていた「学校法人大阪工大摂南大学 大阪センター(大学院サテライト)」と「ダイセル化学工業株式会社」の本社オフィスを、本助成制度の「大学特例」と「本社特例」の第1号の助成対象として決定しました。どちらも先日竣工した西梅田の毎日インテシオに入居されます。
この新しいビルに、大学と企業の本社が入居されることにより、創造的な人材の集積に大きな効果があると思っています。先端のビジネスと文化が複合する西梅田エリアに企業本社と大学のサテライトが入ることで、非常に全体的魅力が大きくなるものと期待しています。
この助成制度を活用して誘致した企業等は、今般の決定により8事業所となりますが、これからも、助成制度を活用しながら大学や企業の誘致を促進していきたいと考えています。
大阪工大摂南大学大阪センターは、今求められている弁理士の資格や知的財産権の問題などを専門にやる大学院で、この場所に非常にふさわしいと思います。
ダイセル化学工業は1919年に創立された大阪の大企業です。今、バイオテクノロジーを駆使した新しい事業をやっておられます。
これで西梅田エリアの空き地がすべて埋まりましたので、西梅田エリアが大阪のいいひとつの顔になるだろうと期待しています。

【大阪城 城灯りの景(しろあかりのえ)の開催について】
『大阪城 城灯りの景(しろあかりのえ)の開催について』ですが、これは大阪城と大阪ビジネスパークで、8月17日から19日の(金・土・日)の3日間で、いずれも18時〜21時に行います。
詳しい内容は、資料をごらんいただきたいと思いますが、このイベントは『“結ぶ”』をテーマにしています。点灯式には、在阪の外国籍の子ども達が参加し、自身の出身国の世界陸上参加選手への応援メッセージを行灯に託します。
更に、今年の3月に発生した能登半島地震において被災された家族の子どもさんで、今も仮設住宅で生活しておられる輪島市の子ども達(12人)にも8月17日の点灯式に来ていただき、復興の願いを込めたメッセージを行灯に書いていただきます。
7月16日に発生した新潟県中越沖地震においても多くの方々が被災されており、「城灯りの景」では「人と人との心の“結びつき”」を広げ、イベントに参加される皆さんの温かい想いを、能登半島の人々、新潟の人々へ届けたいと考えております。
そのため、当初予定しておりました行灯へのメッセージ参加による募金活動を拡大し、さらなる募金活動にも取り組み、イベント収益の一部を能登半島地震と、新潟県中越沖地震で被災された方々への復興支援義援金としてお送りします。
より多くの方々の心を能登半島・新潟の人々と“結ぶ”という気持ちを込めて、温かい心の輪を広げてまいりたいと考えております。
そういう意味でも、多くの皆さんにイベントに参加いただきたいと思っていますので、協力のほどよろしくお願いします。

■記者
世界陸上について現時点での市長の意気込みについて教えてください。また、具体的にトップとしてご自身がどういうふうに動かれているのかということも含めて教えてください。
■市長
ご承知のように非常に大きなスポーツイベントで、今回、初めて211カ国・地域という史上最高の参加国数になりました。トップアスリートもぜひ大阪で世界一をめざそうということで、これだけの国・地域から参加されますので、我々としては、まずは万全の体制で、内外から来られる方々を大阪人の持っているホスピタリティというか温かい心で万全の体制でお迎えをしたい。そして同時に、アスリートにはハードもソフトも含めベストコンディションで競技に参加していただける体制を作りたい。この両面で、この大会を「やはり大阪でやって良かった」といわれる大会、世界陸上選手権大会の歴史に大きな足跡を残す大会、そういう大会にしたいと思っています。
■記者
具体的にはどのようなことをされているのでしょうか。
■市長
これは何回も言っていますが、ひとつは子どもへの無料チケットのプレゼントで、子どもの心に何かを残したいと思っています。それと200カ国でテレビ放映されますし、前回、前々回のパリ、ヘルシンキではテレビの延べ視聴者数が45億人。今度は65億ぐらいだろうという予測もありますので、大阪の名前を少しでも世界に発信したいと思います。大阪が日本のどこにあってどんな都市かということを知っている人は意外と少ないので、(この機会に)世界中に大阪というまちを発信できると思います。たくさんの人に見てもらうというのは非常に大事ですので、あらゆる分野の人にもうすでにご協力いただいておりますけど、たくさんの人にチケットを買ってもらって現場で見てほしいと、今、全力を結集しているところです。
■記者
世界陸上には税金も投入されているので、市民も成功を望んでいると思いますが、世界陸上が成功だったとか失敗だったとか検証する判断基準のようなものはありますか。
■市長
これは自分で評価するのは難しいと思います。やはり客観的に第三者がどういう評価をするかということになると思います。経済効果等は学者の先生方がすでに発表されていますが、そういう事とは別に、一つは選手が納得のいく競技ができたと後でふり返ることができる、あるいは世界新記録、自己最高記録を大阪で出したというようなケースが多くなることは大事だと思います。もう一つは1人でも多くの方に現場で競技を見てもらうということだと思います。選手、役員以外にもたくさんの海外メディアが約3,000人、大阪に来られますから、そういう方のご意見も後で聞きたいと思っています。
■記者
11月の市長選を控えていますが、市長としては自らの出処進退と今回の世界陸上をどのように位置づけられていますか。
■市長
直接には別の問題だと思います。今は世界陸上を絶対に成功させるというのが目前の目標ですから、そこに全力投球して、市長選の問題は改めてきちっと整理して考えたいと思います。
■記者
世界陸上後にということですか。
■市長
まずはこれを終えるということが大事です。
■記者
世界陸上のチケットの売れ行きが何かと話題になっています。今現在で4割強程度(の売り上げ)とのことですが、市長としてはこの売れ行きをどう評価されていますか。
■市長
8月7日現在で全体の枚数の4割、21万枚が売れているということですから、これまでのヘルシンキやパリ(での売り上げ)にほぼ近づいた。前売りチケットでは、5割が一つの相場のようですからそこに近づきつつあるなと。あと2週間ちょっとありますし、全体の雰囲気も盛り上がってきていると思っています。各国の役員とかVIP等の数はここには入っていないので、これまでの大会に近いところまで来つつあると思います。日本人の選手が出場する日や男子100メートル、女子走り幅跳び、ハンマー投げ等の日は6割を超えるチケットが売れているそうですから、全体として、今の時期で40パーセントを超しているというのは、私はいいと思います。

■記者
政務調査費のことでお伺いしたいのですが、大阪府議会は領収書を全面公開しますということをこの間決められて、国のほうでも領収書を全部公開しようかという話があるようですが、一方で、大阪市の場合は5万円以上と決まっている。以前聞いたときには、「市議会で考えられたことなので」とおっしゃっていましたが、市民の税金を預かる立場として、今の情勢を考えた上で、今のままでいいのか、もう少し厳密にするべきなのか、市長がどのようにお考えかということを改めてお聞きしたい。
■市長
大阪市会の場合は昨年の早い時期からかなり綿密にいろいろ計画を立てられて議員の一人一人に政務調査費の手引きを配って、意思統一をし、5万円以上というルールを決めてスタートをされました。ですから、いくつかの批判があるにしても、まずはスタートとして、非常に早く着手して、しかもかなりきちっとしたやり方で、さっき言った手引きなども使いながらやっていますので、非常に先進的にやられていると思います。ただ5万円という金額がいいのかどうかは、現実の問題とも照らし合わせて、(例えば)電車賃の120円とかはどうやって領収書にするのか、その費用対効果とかそういうことの検討はあるでしょう。これは議会で今、さらに検討されている最中ですから、それを見守りたいと思います。

■記者
O157の発生で、大阪市で初めて亡くなった方が出ているということについて、市長として、市の対応も含めて、全体的にどのようにとらえていらっしゃいますか。
■市長
亡くなられた方は3歳の子どもさんですから、ご本人や両親の方々のお気持ちを考えると、本当に、心からお悔やみを申し上げたいと思います。感染のルート(の調査)は即日、すぐに指示しました。大阪市はアメリカのNIH(National Institutes of Health:国立衛生研究所)とも連携しており、感染症対策はかなりしっかりしています。この発生が広がらないように、万全の対策をやるように、2回にわたって直接指示しています。もし何か新しい事実が出たらすぐに報道関係の皆さんにそれをどんどん出していきます。それが結局は抑えるための大きい力になると私は思っていますので、新しい事実が出次第、積極的に報道に出していくというやり方でやりたいと思います。急病診療所、休日診療所、病院などの医療機関は当然のこと、子どもを預かっておられる施設などへも直近のデータがいくよう、きちっと指示をしています。集団発生にならないように、万全を期したいと思います。

 
 
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