平成18年10月17日    大阪市長会見要旨

【「『(仮称)創造都市戦略』の策定に向けて(骨子案)について」】

「『(仮称)創造都市戦略』の策定に向けて(骨子案)」について
市役所内の改革が進みつつある中で、新しい発想に立った都市経営に向けての準備が必要になってきていると考えています。そこでこのたび、(仮称)創造都市戦略の策定に向けた骨子案をまとめました。
大阪市の将来像は既に総合計画で示していますが、創造都市戦略は、その実現に向けての戦略となるもので、時代に応じて、ものの考え方ややり方を転換しようとするものです。
この骨子案では、知識や情報がベースとなる経済が進展する一方で、人口減少社会となる時代の戦略転換の方向として、ひとつは、東京に対抗する拠点として経済や人口の「規模」を意識した取組みから、都市の活力の元となる「人」に着目した取組みへの転換を考えています。ふたつ目は、イベントや大規模施設の整備に象徴される、行政主導・縦割り・ハコモノ重視から、市民・NPO・企業の知恵を結集した取組みや、分野を横断した複合的な施策実施、既存ストックの有効活用への転換という基本的な視点を示しました。
こうした基本的な考え方に立ち、大阪の優位性として、中枢機能、コンパクトで利便性の高いことなどを生かし、大阪独自の創造都市をめざしていきたいと考えています。
この骨子案は、各方面で幅広く議論をいただくための素材となります。これからの大阪の都市経営について、市民・NPO・企業を中心に、広く議論を巻き起こし、それらの意見を反映することによって、公民一体となった取組みを進めていきたいと考えています。
また、参考として資料を添付している創造都市戦略策定プロジェクトチームによる事業提案は、各局・各区から選抜した職員30人が検討してきたものです。この提案の実施の可能性については、各局で検討していきますが、いずれも新鮮な感覚を持った提案だと思います。なお、職員ベンチャー制度や、メールによる政策提案についても、検討結果がまとまり次第報告しますが、こちらも職員が意欲的に取り組んでくれており、各局で具体化の可能性を検討し、創造都市戦略にも活かしていきたいと思います。

【「区政改革宣言(区政改革基本方針)(素案)」について】
区政改革は市政改革の重要な柱の一つであり、私自身、24区役所すべてを訪れ、区役所職員との対話も重ね、とりわけ若手職員の改革への熱意を肌で感じてきました。区役所に光をあてなければ、大阪市の行政はよくならないと実感しています。
今回は、現場からの改革、現場が大阪市を変えていくという手法をとることとし、「区政改革プロジェクトチーム」を設置して、区役所現場からの改革案の検討を進めてもらってきました。
そういう現場からの改革への想いが、今般、「区長の改革宣言」といった趣旨で、「区政改革宣言(素案)」としてまとまりました。
内容的には、庁内でも各局の意見はまだこれからという段階ですが、この段階で公表すること自体が、透明性という観点からも、大阪市が変わったという一つのあらわれであると、私は考えています。
今後、市民、議会も含め、全庁的に議論を進め、最終的な方向性は、私が決定し、まとめていきたいと考えています。
市民に一番身近な存在である区役所の改革素案をこの段階で公表することにより、より身近な区政を実現する出発点としたいと思います。

【「地下鉄今里筋線」の開業日が決定しました!】
地下鉄今里筋線につきましては、平成12年3月に着工し、工事を進めてきましたが、いよいよ本年12月24日に開業する運びとなりました。
大阪市では、平成2年3月の鶴見緑地線、現在の長堀鶴見緑地線 以来、16年ぶりの新線開業となります。
是非、多くの市民の皆様にご利用いただけますようお願いしたいと思います。

【「大阪・ミラノ姉妹都市提携25周年記念事業」にかかるミラノ市訪問について】
大阪市が1981年にイタリアのミラノ市と姉妹都市として提携してから今年で25周年を迎えました。これを機に、10月24日から29日までの間、ミラノ市を訪問します。
ミラノ市では、9月に来阪されたモラッティ市長を表敬訪問するほか、市内における見本市を活用した都市戦略など、先進事例に関する視察を行うほか、記念事業として実施する姉妹都市提携25周年記念セミナーにおいて、大阪市の多彩な魅力について、映像なども活用して講演し、大阪のPRを行います。このセミナーでは、歴史的・伝統的なものと新しいものが混在する大阪の都市魅力と、ロボット産業など未来に向かって進む大阪市の姿について、また、来年行われる世界陸上についてもアピールしたいと考えています

質疑応答

■記者
地下鉄第8号線の延伸については、凍結の方針を既に打ち出しているが、現在の市長の考えは。いつ結論を出すのか。
■市長
凍結の方針はいまも変わっていません。市営交通事業の経営形態について、現在検討が進められており、取りまとめられた経営形態の方針を踏まえて延伸整備の方向性を示していきたいと考えています。

■記者
今月11日に決定した大阪市の公募公債の発行利率は2.0%と、他自治体と比較しても高い利率となっていたが、東京で投資家説明会も開催した市長としては、この結果をどう考えるか。
■市長
東京での投資家説明会はうまくいったのですが、やはり投資家の目は厳しいものだなと実感しています。2.0%という結果については、確かに高い利率ではありますが、これからは良くしていけると思いますので、プラス思考で前向きに考えようと財政局とも話をしました。

■記者
創造都市戦略策定プロジェクトチームによる事業提案の中で、市長が是非実現したいと思っている事業はあるか。
■市長
おもしろい提案が沢山あり、どれかひとつにはなかなか絞れません。創造都市を目指している都市は、ベルリン、ボローニャ、サンティアゴなど世界にもいくつかあり、それらの都市のことも参考にしながら、大阪らしい創造都市を実現していきたいと考えています。
 
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