平成18年11月22日 大阪市長会見要旨 | |
【保育所待機児童の解消に向けた新たな取り組みについて】 |
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大阪市の喫緊の課題である待機児童の解消については、主に民間保育所の新設などにより、この5年間で約5,600人の入所枠の拡大を図り、待機児童数も年々減少してきたところですが、平成18年4月の待機児童数は依然として国内他都市と比較しても多く、846人となっています。 そのような中で、本年3月に局横断的なプロジェクトチームを設置し、変動する保育ニーズに効果的に対応できる方策について、様々な角度から検討を行ってきました。 その検討内容を踏まえまして、平成21年度に保育所入所の必要な児童数の推計を約42,000人とし、その入所枠の拡大に向けた新たな方策として、市政改革で進めている資産流動化プロジェクトチームの検討も踏まえ、市有地や公共施設などの公有財産を保育所に優先的に活用するとともに、公立幼稚園の余裕教室を活用するなどして、民間保育所の整備を進めていきたいと考えています。ちなみに、平成17年3月に定めた、21年度保育所入所定員の目標は、40,431人としていましたが、ここ数年の変動要素を加味して42,000人としたものです。 また、大阪市の保育サービスを中心となって担っている社会福祉法人等の保育事業者に対して、新たな設備投資を伴わず、将来の保育ニーズの変動にも柔軟に対応ができる仕組みを作る必要があり、新しく「保育ママ」制度の導入を考えています。 この「保育ママ」制度は、保育所が保育ママを雇用し、その管理のもと、マンションなどで少人数の家庭的な環境のもとに0〜2歳の低年齢児の保育を行うもので、少しの不足分に対して効果的に枠拡大が図れるという手法であり、他都市に先駆けて取り組むこととしています。 さらに、13年度から国に先駆けて実施している分園制度に対する補助の拡充や、民間保育所の小規模定員増に対し新たに運営補助を行うなど、保育事業者へのインセンティブとなる仕組みも導入するとともに、大阪府が認定を行う認定こども園制度を、待機児童の解消の観点から活用を図っていきたいと考えています。 こうした様々な手法を従来手法と組み合わせて同時併行で総合的に推進するため、ポストの新設など業務執行体制の整備も行い、今年度から平成21年度での待機児童解消に向けスピード感をもって取り組んでいくとともに、一時保育など多様な保育サービスの拡充、さらには保育所地域子育て支援事業など、総合的な子育て支援策の推進にも努めながら、安心して子どもを生み育てることのできるまちづくりを目指していきたいと考えています。 【「世界・アジアウィーク in OSAKA」開催について】 大阪市は、政府、大阪府、経済団体と協働で、11月28日から12月2日まで各団体が開催する事業を「世界・アジアウィークin OSAKA」として、新しいビジネスが創造される5つの事業を開催していきます。 大阪の中小企業等との商談会や国際会議などを開催することとしており、あわせて世界34カ国・地域からの出展と、中国を中心に世界12カ国から約1200人の企業人が来阪する予定です。 まず、中国華東輸出入商品交易会は、中国の華東地域の上海市をはじめとする9つの省と市の共同開催により過去16回上海で開催されてきている中国最大規模の展示会で、今回、中国以外で初めて「中国華東輸出入商品交易会2006大阪」として開催されます。 昨年9月、本市は大阪府とともに上海市と「経済交流の促進についての協議書」を交わし、その中で展示会事業の交流促進を取り決めました。今回の大阪での開催はその成果であり、(社)大阪国際見本市委員会が本市へ誘致に成功し、日中共催で開催するものです。 本交易会は、厳選された444の中国企業が「アパレル・テキスタイル」と「日用消費財・装飾ギフト」の二つの業種別展示ブロックに537小間出展し、展示・商談を行います。 次に、「国際次世代ロボットフェア−IRT JAPAN 2006」は、従前開催されていた世界最大のロボットの展示会「国際ロボット展」から、次世代ロボットに特化した形態の展示会として初めて開催します。ここには74の企業・研究機関から出展があり、最新の次世代ロボットについての展示・商談が開催されます。 見所としましては、次世代ロボットのデザインについて、世界35ヶ国から424作品の応募があり、その中から世界30ヶ国40作品が展示され商品化に向けてビジネスマッチングが行われることです。 その他、大学・研究機関で開発中のロボットを展示し、開発に向けての産学連携を促す催しも実施します。 次世代ロボットとしては、日本最大級の展示会になり、既にアメリカ、韓国、ドイツから視察の申し込みがあり、国際的にも感心の高い展示商談会となりました。 これら二つの展示会について、プレスプレビューを予定しており、報道の皆様にご参加頂ければと思います。 また、昨年に引き続いて開催される「世界ものづくりサミット」や、大阪府が中心に開催する「アジア女性経済人会議」「アジア中小企業フォーラム」がありますが、これら事業を通して、参加される企業に新しいビジネスが創造され、大阪が国際的ビジネス拠点都市としてふさわしい場になることを希望します。 なお、これら五つの事業に加えて、「エコカーフェアin OSAKA」「建設技術展」「知財ビジネスマッチングフェア」「インターナショナル合同名刺交換会」なども開催され、これらのイベントを集中的に行うことで集客面での相乗効果が上がることを期待しています。 質疑応答 ■記者保育所待機児童の解消について、新たな対策として掲げられたもののうち、大阪市独自のものはどれか。 ■健康福祉局 大阪市独自の施策は、「市有地や公共施設等の公有財産の優先的活用」、「保育所管理のもとでの保育ママ制度の実施」、「分園制度に対する補助の拡充」、「民間保育所の小規模定員増に対する運営補助」の4事業となります。 ■記者 新たな対策を講じることに対する予算措置はどうなるのか。 ■健康福祉局 平成18年度について、詳細についてはまだ決まっていませんが、既にある待機児童対策の予算を活用して取り組むこととなります。平成19年度についても、予算はまだ確定しておりません。 ■記者 先日の新聞報道で、保育料の徴収率が低迷しており、新たに徴収チームを立ち上げるとの報道があったが、これについて市長の見解は。 ■市長 保育を受けた方に保育料を支払ってもらうということは、公平性という観点からも当然だと思っています。大阪市の場合、保育に従事する保育士と保育料を徴収する人のお互いの業務態勢がうまくいっていないところがありますので、そのあたりを改善していきたいと思っています。 ■記者 新たな業務執行体制の具体的な中身は。 ■健康福祉局 健康福祉局の児童施策部の中に、来月早々にも対策チームを設け、ポストも新設したいと思っています。チームの名称などはまだ決まっていませんが、現在では、課長級2名、係長級2名の職員を配置したいと考えています。 ■市長 毎年4月には、保育所の申し込み等が行われますので、その時までには体制をしっかり整えたいと思います。 ■記者 新たな対策の実施によって、約42,000人という入所枠の目標は確実に実現できるのか。また、個々の対策の実行によって、それぞれ何人ぐらいの入所枠の増につながるのか。 ■市長 近年の大阪市内のマンション建設増の状況や、保育ニーズの増加、出生率の変動などが背景にあり、保育所入所定員の推計は非常に難しいものになっています。ただ、この42,000人という数字までいけば、待機児童が完全にゼロになるかは分かりませんが、全国で待機児童の数がワースト1,2という状況は脱することができるのではないかと思っています。この数字は現在の社会環境の下で適切で、かつ達成可能な目標値だと思っています。 ■健康福祉局 個々の対策の実施による入所枠の増についてですが、現在ではまだ数字は出ておりません。新たに出来る対策チームのもと、私立保育所の協力も得ながら確定させていきたいと考えています。 |
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