平成18年12月27日    大阪市長会見要旨
 
【職員による家賃、保育料の滞納問題について】
昨日調査結果を発表し、既に報道もされていますが、これについては公務員としての自覚に欠けるのではないかと大変遺憾に思っています。個々の事情について調査した上で、職員の処分も検討したいと思います。また、家賃、保育料以外のもの、特に市税について同様の状況がないかを調査するように指示しました。市税については、本市職員が滞納した場合、従来から厳しい滞納整理を行ってきていますが、今回の件を受けて、納税漏れがないかを改めて調査するものです。

【今年1年を振り返って】
年末を迎え、今年1年を振り返って、一言申し上げます。
市政改革についてですが、今年2月に5年計画としての「市政改革マニフェスト」を作成して公表しました。経費の節減、職員数の削減などについて、平成18年度予算には、5年計画の2年分、約40%に近いものを前倒しで盛り込むことができました。現在平成19年度の予算編成を行っていますが、来年もスピードをあげて、この「市政改革マニフェスト」をやりきっていきたいと思っています。
市民の信頼回復は市政改革のかなめでありますが、現場の各部局の職員が頑張ってくれたことにより、市民との距離は徐々に縮まりつつあると思います。「変わるまで、変える」の言葉のもと、職員の意識も変わってきていると実感しています。
芦原病院、飛鳥会などの問題が明らかになり、これに真正面から取り組みました。外部委員を含んだ「大阪市地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」を設置し、地対財特法期限後の事業等を徹底調査し、今後の方針を決定することができました。いわゆる同和関連事業といわれるものについて、今後一切特別扱いしないということも基本スタンスとして決定しました。特別扱いすることが差別解消に繋がっていなかったということを私自身反省しており、この基本スタンスは絶対に変えません。
今年は北ヤードの第1期の開発事業者が決定するなど、大阪市域での民間企業の活動が本格化した年でもあり、私も積極的に海外プロモーションを実施してきました。6月には英国とドイツ、10月には姉妹都市であるミラノへ行き、12月には韓国・釜山市を訪問しました。特にロンドン訪問では、2年前から提案してきたロンドン大学と市立大学における医療分野での研究・交流協定の締結が実現しました。ドイツ・ブレーメンではロボカップ国際委員会理事会に出席し、ロボカップ国際委員会本部の大阪誘致に成功しました。11月1日には市内で既に事務所がオープンしています。
来年は、いよいよ8月に「IAAF世界陸上2007大阪」が大阪長居スタジアムで開催されます。世界約200カ国でテレビ放映される予定であり、大阪を発信するまたとない機会であると思っています。また、トップアスリートたちの真剣勝負が子どもたちに夢と感動を与えてくれることも期待しており、是非大会を成功させたいと考えています。
来年は大阪市という都市を「創造都市」にしていく取組みに着手していきたいと思います。既にプロジェクトチームも立ち上がっており、大阪らしい「創造都市」を目指したいと考えます。

質疑応答

■記者
職員による滞納問題について、市税以外のものについても調査をするのか。
■市長
現在、全国規模で学校の給食費の未納が問題になっていますが、学校給食費について同様の問題がないか、調査を指示しています。年度内には調査を完了したいと考えています。

■記者
交通事業の経営形態について、現時点での市長の見解は。
■市長
先日、民営化した場合のシミュレーションを公表しましたが、他の経営形態の場合のシミュレーションがまだ出ていませんので、現在では白紙の状態です。持続可能かつ効率的で、将来の発展性がある経営形態はどれかということを年明けから検討し、年度内に方向性を決めたいと思います。

■記者
サミット誘致について、今後の見通しは。
■市長
省庁なども訪問しているのですが、国がどう考えているか、まだつかみかねています。

■記者
長居公園のブルーテントについて、このままだと、靱公園の時のように行政代執行の手続きに入ることも想定されるが、市長の考えは。
■市長
長居公園については、周辺の住民の方から、夜間が暗くて歩きにくいという声が以前から寄せられていました。そのため、平成13年度から順次、公園灯の整備を進めてきましたが、未整備となっている部分について今年度整備を行い、明るくて安全な長居公園にしたいと考えています。来年には、世界陸上も開催されますが、一義的には、公園整備の一環として手続きを進めたいと思います。税金を使って整備をしている公園ですから、市民の方が安心して利用できる公園に是非したいと思います。単に世界陸上があるからというわけではありません。
■記者
根本的なホームレス対策が必要なのでは。
■市長
今回、不法占用物件等に対しての手続きを進めるのにあたっては、ホームレスの方々に対して、宿所となる施設を用意していますので、手続きがスムーズに進むことを希望しています。ホームレスの問題は単純ではありません。抜本的な対策はなかなか見付けにくいものですが、国が来年の1月から2月にかけて実施する「ホームレスの実態に関する全国調査」も参考にしながら、総合的な対策を検討したいと思います。

■記者
西成区内の不正住民登録の問題について、現在どのような是正措置を考えているか。
■市長
住民登録は法律に基づいた事務手続きですから、不正である状況が判明した以上、放置しておくことはできないと考えています。ただ、住民登録は福祉の受給などにも関係するもので、住民登録している人の環境が激変しないような工夫は必要だと考えています。そのような配慮も念頭に置いた上で、現在の法律に基づいて、適切に対応したいと考えています。

■記者
来年12月までの市長職の任期をまっとうするまでの市長の決意と、任期後に市長はどうするのかを伺いたい。
■市長
任期中は市長職に全力で取り組みます。その後のことはこれから考えるべきことだと思います。
 
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