平成19年12月27日 大阪市長会見要旨 |
【市長就任後の一週間を振り返って】定例記者会見はこれが初めてということになるのかな。特に今日お伝えすべき発表ものというのはございません。ご存知のように、昨日の午後1時から夜8時過ぎまでの事前調査で、途中休憩を挟みながら、3委員会で計16人の方の厳しい質問を受けました。あの後も少し感想を発表いたしましたが、「しぼられたなぁ」というのが私の言葉だったと思うのですが、一紙は「しぼられた」と書いていただいたのですが、他の紙では「搾り取られた」と書いてありまして、「そんなこと言ったかなぁ」というぐらい疲れておりました。やはり自分自身の準備不足という部分を痛感すると同時に、施政方針演説を明日させていただきますけれども、施政方針演説前の事前調査にもかかわらず、あれだけ多くの市長出席要請があったということは、選挙にあたって私は民主党の推薦を受け、そして自民党、公明党、共産党の方にとっては私の政治姿勢といいますか、市長としてのスタンスを施政方針演説前ではありますけれども、確認をしておきたいというご意向があったのだと思っております。中でも、中学校給食という部分について、かなりきついといいますか、かなり突っ込んだご質問を受けて、その際に自分自身の勉強不足という部分を痛感した面もございます。終わってから、教育長をはじめとして、少し来てもらいました。理事の方にも来てもらいまして、一体どこが認識が違ったのかという部分も問い合わせたりしておりました。そして基本的には、やはり私は、中学校給食を実施するという方向、全校で実施するという方向は取り下げてはおりません。選択制であれ、給食という方向を選べるという確認も取りました。ただ、まだこれも細かい作業が必要でありますし、市会の皆さんとの協議も必要になってくると思いますが、その方向をめざしたいということは変わっておりませんので、是非、皆さんにもよろしくお願いしたいと思っております。一昨日の事前調査は、一つの委員会だけでしたし、お二人の質問ということで、何となくほっとしたなぁという印象で帰ったのですが、昨日だけはさすがに午後1時からぐるぐるぐるぐると、次は何だっけ、どこ行くんだっけと言いながら、担当の職員に連れて回られました。今だにどういう順番で何があったのかというのは、自分の記録を見てみないと分からないという様な混乱状況でもございます。初登庁以降のこの1週間、毎日が緊張の連続、新しい事の連続でございます。市役所の中がどうなっているのか。5階と7階と8階と、そしてB2の食堂に今日、初めて行きました。昼ごはんは食堂で食べましたが、今後、少しでも時間ができれば、まず市役所の中を職員が執務している間にぶらっと立ち寄ってみたり、そして、また時間ができれば24区の区役所をぶらっと訪れたり、そして、いろいろ問題になっている場所の現場を訪れたりという時間が早くできればいいなと思っております。あまりにも目まぐるしい1週間がようやく過ぎようとしているものの、これから年末そして年始と、少しの休みは取れそうですので、その休みの間に溜まっている宿題をこなしながら、前向きに前向きに、あくまでも前向きに取り組んでいきたいと思っております。 今後の記者会見ですけれども、こういう形で、別に何もお知らせするものが無くても来て、適当に話していいということであれば、1週間に1度でも来られる時間があれば寄せていただきたいと思います。今までは2週間に1度というのが定例だったということですが、時間が合えば1週間に1度、いろんな話もさせていただきたいし、皆さんが疑問に思ってらっしゃる部分、聞きたいなというところがございましたら、ぜひお答えしたいと思います。それから、自分自身もまだ勉強不足で分からないというところがきっとこういう記者会見の中でもまだまだ出てくると思いますので、それがいい刺激になって、職員とのコミュニケーションもまた生まれてくるとも思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 これぐらいが今のところの私の心境です。 質疑応答 記者 2点あります。今おっしゃった給食について、全校での実施を検討したい、選択制も含めて給食をめざすという気持ちに変わりはないという説明をされていると思うのですが、そこの考え方をもう一度説明していただきたいということが一つと、WTCに関して、昨日の委員会で、移転してこちらを美術館にするというのが夢であったと説明されましたが、それについてもう一度説明していただけますか。 市長 中学校給食を全校で実施したいというのがまずあるわけですが、そのスタイルとして選択制、つまりお弁当を持ってきてもいいですよと。それから、教育委員会がきちっと管理した献立のもとで、なおかつ、温蔵庫であるとか、冷蔵庫であるとか、きちんと管理ができる体制を整えたうえで、それを給食と認めていただくことが出来るということですので、この方式が一番現実的なのではないかという気持ちは変わらないということです。ただしこれに関しては、市会の皆様との議論でありますとか、あるいは教育委員会自体が現時点では昼食という認識で作業を進めておりますので、その教育委員会との意見交換でありますとか、という作業が必要になってくるものだと思っております。 それから、WTCに市庁舎を(移転し)、ここの市庁舎を美術館にというのは、確か10月18日の立候補の記者会見で申しました。のっけから私は「それはあくまでも夢ですが」というふうに前提を置いたうえでしゃべったわけですが、新聞によっては「夢ですが」ということを外して、あたかもマニフェストにそのまま書いてあるかのように報道されていたのも知っております。ですからその時点で私が「いや、あれは公約ととられると困るのですが」と言っていれば良かったのかもしれませんが、自分の中では「何とか出来ないのかな」という部分も確かにありました。しかし、選挙戦の中でいろいろな人から情報をもらっていくにつれ、実現可能性というのが財政的にも設計的にもかなり低いものであるという部分は徐々に分かりつつありました。ですから、夢は夢として描いたものの、それを、昨日のご指摘であれば、選挙戦の途中で「あれはもう夢でしたから無理です」と言うべきであったのかもしれないという反省はあります。「公約と違うではないか」というお怒りを受けたということに関しては、自分が至らなかったのだなということを素直に反省すべきかなと思っております。 記者 当時は買い取って移転するということでしたが、美術館が無理ですということは分かるのですが、買い取るというところに関しても撤回されるのですか。 市長 あの時点では、最終処理を早めて、その際に買い取ってというふうに申しました。ただ、今、市長になって、WTCについて、記者会見でも申しましたように、委員会を立ち上げて、公的法務の専門家等に入っていただいて、どの方法が一番いいかという作業をこれからしようという時に、「いや、あれは買い取るんです」ということを軽々には言えない立場になっているのは事実です。選択肢としてはいろいろな方法を考えていかないといけないと思っております。その中の一つとして買い取りがあるのか。これも委員会の中で議論をしていきたいし、私が前から一番言っておりますのは、その委員会でやはりどうしてあれだけの債務保証をしなければならないこの特定調停というスキームなのかという部分も、きちんと調べられる範囲で調べたいと思っているということです。 記者 明日の施政方針演説ですが、どのあたりを一番伝えたいと思っていらっしゃるのか。 市長 やはり情報公開をどうするのかということ。情報公開がやはり自分の一番の基本になるスタンスだと思っています。ですから、それを中心に据えたいとは思っております。それとやはり、市民に分かりやすい、それが情報公開だというふうに私は常々言い続けておりますので、市民の皆様に分かる言葉でということ。それと、市会の皆さんと職員の協力も得ながら、みんなで大阪市を前向きに、前に向かって動いていく力を結集して動いていきたいという部分が最初の所信表明に出せればいいなと思っております。所信表明ですから、非常に細かい、具体的な数値目標をうたいあげるというものでもないと思っております。 記者 先ほどの給食の件ですが、例えば来年度予算にいくつかパイロットケースでとか、テストケースを盛り込みたいという意向なのかとか、時期的な目処、時間的な目処はどのように考えていらっしゃいますか。 市長 昨日の夜の話ですのでまだ具体的に予算をどうさわるのかというところまでいっておりません。いったん給食を中止する12校の指定業者の募集等は始まっておりますので、それは昼食という形で走りますけれど、来年度に間に合うのかどうか。ただ、私の気持ちとしては、可及的速やかに始めたいというのが正直なところです。ただそれもさっき言いましたように、前提として、教育委員会とのすり合わせ等も今後必要になりますし、そこでの意見の食い違というのが出てくる恐れもありますが、自分としてはその方向で進めたいし、市会の皆さんとも協議、いろんな形でのお話し合いをしたいということです。 記者 財源として、直営でやって117億円。これは試算じゃないというふうに教育委員会はおっしゃっていますが、その実現可能性が一番高いとおっしゃった選択式にすると、だいたいどれぐらい割安感が出てくるのか。いくらというのは出せないかもしれませんが、どういう形でレクチャーを受けていらっしゃるのですか。 市長 設備投資っていう部分で言うと、厨房設備がいらないわけですよね。ただ、業者から来るその給食をきちんと保管する場所、夏は涼しい状態で、温かい食べ物は温かい状態でキープしておく場所が必要なのですが。それプラス、やはり、調理員の人件費という部分で大きな出費が無いと聞いております。ランニングコストが確か30数億かかるという部分、これは試算ではないという数字ではありますが、この部分は本当に少なく済むのではないでしょうか。ただ、給食でありますから、補助をしないといけない部分、市が負担しないといけない費用というのは出てくると思います。保護者の負担は材料費のみ、食材費だけだと聞いておりますので。業者の問題、業者選定の問題、価格の問題等、細かい精査はこれから必要ですので、具体的にいくらというのは、こちらがある程度方針が決まって、この方針でいくとこれぐらいになるという数字が分かり次第、皆さんにお伝えしたいと思います。 記者 明日開会する議会で施政方針演説をされて、年が明けるとそれに対する一般質問、決算特別委員会。昨日の事前調査の様子を見ていますと、また出席要請というのも恐らく予想されますが、それについてどのように感じておられますか。 市長 出席要請というその4文字熟語に恐怖感を感じるようになるかもしれませんが、きちんとお答えしないといけない部分は当然きちんとお答えします。そこで自分が思っていたことと、市会の方が思ってらっしゃることと、違うケースがあれば逆に、そこでお話することによって、前向きにエンジンがかかるという可能性もきっとあると思います。有意義な議論がそこでなされればいい方向に動くのではないかと、非常に楽観的に考えております。 記者 昨日の委員会で自民、公明両党の方からは非常に厳しい意見が相次いだと思いますが、先程の質問と重なるかもしれませんが、野党の議員の方々に対して市長はどういう意見、感想を持たれるのかということ。それと、懐柔ではないですが、どのように理解を求めていくのか、今後の決意をお聞かせいただけますか。 市長 今日、各党の予算要望がございまして、各党の代表の方にお会いしました。その際に「お疲れ様でした」という声をかけていただきました。各新聞の論評もご覧になっていたようです。皆さんが異口同音におっしゃったのは、「対立姿勢だけではないですよ」ということです。各会派とも「私たちも市民の代表で市会に来ているのだから、当然、市長と是々非々で向かい合って、市民のためにやっていきたい」とおっしゃっていただきましたので、そのお言葉のまま受け取っていきたいと思っております。 記者 昨日の質疑から、「市長が代わってもあまり変わらないじゃないか」という指摘もあったかと思いますが、これから予算市会に入るにあたって、自分のカラーなり考え方を反映させていかなければいけないと思いますが、それはどういう方針でどういう手法で検討を進めていかれますか。 市長 その前に決算市会があり、所信表明に対する一般質問もあります。その間にそれと並行してその予算というのが進んでいくわけですが、まだまだ原案の段階ですから、それに対して自分がどうのこうのより、目の前にあるものに対処していくことのほうに手一杯です。でも、今言われたように、自分のカラーをどう出していくのかというのは、絶えず意識しながら注文は出していきたいと思っております。 |
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