平成20年1月15日 大阪市長会見要旨 |
【震災総合訓練について】今朝、震災訓練が行われました。朝7時1分に自宅に第一報が入りまして、7時15分ぐらいに市役所の本庁に入ることができました。そして模擬の災害対策本部に入り、震災訓練を行いました。朝早くから記者の方も取材していただいてありがとうございました。区役所、そして各所属を含み、合計3100人が震災訓練に参加しております。災害対策本部は本部員30人、それから緊急対策本部員40人や、他に危機管理室の職員など、合わせておよそ100人で運営されておりました。【予算編成過程等の公表について】先日1月10日に私どもの方から、議員懇談会の資料である予算編成過程等の公表の資料をお出ししました。それと資料2として、新たな組織の考え方の素案を示しております。そのことにつきまして、その日のうちに残ってらっしゃった新聞各社の方、あるいは、放送でも1社残ってらっしゃった方については総務局長と財政局の方からご説明申し上げたようでございますけれども、表書きにありますように、予算編成等について市会と十分に意見交換を行いながら進めるために、予算の編成過程から情報開示を行いたいという趣旨に則って、初めてお出しした数字であると思います。この資料につきまして、正副議長、運営理事並びに各会派に資料提供をいたしましたので、同じ資料を公表しますということでお出ししたのですが、例えば資料2の「経営補佐部門の再編等について」ですが、これは素案としてお出ししたのですが、あたかももう全てこれで決まりだというようにお取りになったところもあったみたいで、それはこちらの言葉不足もあったのかなとも思います。私が市長になってから、それから市長になる前からも含めまして、情報公開室を作りたいと、そして情報公開あるいは情報をいろいろ開示していく中でいろんな誤解が解けたり、あるいは、2度と過ちを繰り返さないと言いますか、間違ったことが無いようにというスタンスで、情報公開室を作りたいということを言っておりましたが、その情報公開室を作るにあたって、一体どういった組織の作りこみがいいのだろうかというのを、副市長、あるいは総務局長といろいろと話し合いをしておりまして、素案としてこの程度いろいろ出してみたら、また意見が出てくるのではないか、「現時点で考えているのはこういうことです」というのをお出しする方がいいのではないかということで、情報公開をしたものでございます。あくまでも素案でございますから、逆にこれを出したことによって「ここはおかしいのではないか」とか、「ここをもうちょっとこうしたほうがいいのではないか」とかいう意見があちこちから出てくるであろうと。その出てきた意見も参考にしながら、こういうつもりで私は考えているということをお示ししたいと思っております。これは市会の各派の皆さんにもお示しをしましたので、もちろん市会のご意見を伺いながら検討を進めて、事務分掌条例の改正案として、また、こういう改正案になりましたというのは皆さんにお示ししたいと思っております。 市役所に入って、私は外からいきなりこういった大きな組織の真ん中に座ってしまいまして、どうしても、今まで長年にわたってこの市役所の中にいらっしゃる職員の方と、そして全然知らなかった人間とのその仕事ぶりの違いというものは、時々感じております。その仕事ぶりの違いをどうすり合わせて、自分が一番動きやすい形、あるいは、市長としてこういうふうに動きたいんだという思いを持っている部分を具体化するには、どういう組織がいいのかという知恵を出してほしいという事をしょっちゅう言ってきておりますので、そうした知恵を集めていく中から、市長として一番動きやすい形の組織を、情報公開室も含めて。その情報公開室の中に、自分自身が外へ出て行っていろいろな動きをしたいと前から言っておりますので、一緒に働いてくれるようなスタッフ的なメンバーも入れたいというようなことも考えているのですが、そこもまだ漠然としておりますので、決定稿というつもりでお見せしたのではございません。それから予算も同じでございます。これは一番最初に各局から出てきた現時点での予算ヒアリングでの要求を積み重ねるとこうなり、市役所側が考えていた予算の枠組みはこれぐらいですというのをお示ししたという段階でございます。そうした、ちょっと漠然とした出し方をしてしまったことから、やや混乱をされた方もあるかもしれませんが、今後、こういう形でいろいろと、いろんな段階でお出しできる情報を出していきたいと思っております。逆に、混乱するということであれば、また考えないといけないかなとも思っていますが、現時点では、先日お出しした資料に関してはそういうことでございます。質疑応答 記者 この間発表されたものについて、市長のおっしゃる「決定ではない」というのは良く分かりますが、今の市長や市の考え方が書かれているというふうに思っています。そこで、今の市長の考えとしては、経営補佐部門と情報公開室はどのようにしたいと考えていらっしゃるのかということと、市政改革の部門はどうしたいと考えていらっしゃるのでしょうか。 市長 現在、経営企画監のもとに経営企画室、広報報道室、市政改革室と3つありますが、私自身市役所に入って、「市政改革を止めるつもりは一切ない」というのを再三お伝えしています。そしてある意味、市政改革がこのマニフェストに則って行われたこの2年間で一応の成果を見て、今後はそれをいかに具体的に進めていくかという進捗段階に入ったのであろうと。だからその市政改革を止めるのではなく、新たな段階に入ったという認識を持って堅実に進める組織みたいなものがやはり要ると思います。ただそれが今の形のままの、経営企画監のもとでの経営企画室、広報報道室、この広報報道室は情報公開室の方に入れたいと思っていますが、市政改革室という形ではないのではないかと思っています。市政改革の進み方、進捗度合いをきっちりと見守っていき、あるいは新たなステップを作っていかないといけないという時代にも入ると思いますので、それが総務局の中に入るのか、あるいは総務局とは違うところのどこが担えばいいのかという意見もいろんなところから伺いたいと思っています。 記者 間もなく就任されて1ヶ月になりますが、この1ヶ月の感想ですとか、市会と実際に相対してみての感想とか、そこで見つかった課題に対して今後どのようしていかれるのかについてお聞かせいただけますか。 市長 そうですね、12月19日に初登庁しましたから、(就任して)間もなく1ヶ月になります。この1ヶ月はやはり私の人生の中でも、途中にお正月休みがあったとはいうものの、非常にいろいろと新しい事の連続で、「この1ヶ月どうでしたか」と聞かれたら、やはりまず、「ずいぶん、思っていたよりも長い1ヶ月でしたね」というふうに答えてしまうと思います。そこにはやはり自分の至らなさも当然ありますが、それと同時に、選挙中に訴えてきた事を如何に具体化していくかという、その方法をこれからいろんな人と相談しながら選んでいかなければならないわけで、周りからは「後退してる」とか「変わった」とか言われるかもしれませんが、市民のために職員一丸となって頑張るんだという根本部分は変わっていないつもりです。そこの部分は譲ることなく、強調しながら前に向かって進んでいきたいという気持ちは変わっておりません。それと同時に、やはり民間から初めてこういう大きな組織の中に入ったので、今まで自分が知らなかった世界が毎日のように繰り広げられているわけで、その中でどうしても、自分にとっては具体的に欲しいと思っている情報も職員にとっては当たり前の事で、毎日が、その当たり前だと思っている人と、そんな事知らない、初めてだという人間とのすり合わせの中でいろいろ新しい事が進んでいくので、「あっ、ごめん、それ、僕、分かれへんかったわ」と言いながら、職員の方も「あっ、それはお知らせしなければいけなかったんですね」みたいなすり合わせの中で進んできた1ヶ月でした。ですから、職員の中にも、私の中にも、お互いに反省点はありますけど、そういう反省点を一つずつ乗り越えながら前に進んでいくものだと思います。ただ、情報公開や情報開示は、私がしょっちゅう言っておりますので、職員、スタッフと話し合う中で、情報をどうやって伝えればいいんだ、情報開示をするにはどうすればいいんだという意識が少しずつではありますが、前向きに進んできているように思います。今後、例えば1月10日に出しました「予算編成過程等の公開について」というこの表書きにしても、やはりもう少し丁寧に書いた方がいいのではないかという話を先ほども控え室でしていました。これは私にとって初めてオフィシャルに、皆さんの前に出す情報開示の第1段階です。予算がこういう形で作られていくんですよという部分の最初の数字をオフィシャルにお出しする第1回目であったと思っています。ですから、もちろん記者の皆さんはご存知だったかもしれませんが、私にとりましては、これは初めての数字でしたので、こういう形で予算編成されていくんですよという部分をお示ししたかったという事です。それと、情報公開とは何をするのか、何を情報公開していくのか、あるいは、情報公開制度としては大阪市の情報公開制度は市民オンブズマンのランキングではよく言われるように3位になっているというような事から非常によく進んでいると言われていますが、市民にとっては分かりにくいという部分をしょっちゅう言っておりますので、もう少しこういった資料の出し方等も含めて、職員とこれから勉強していかないといけないと思っています。逆に、この情報を出したことによって混乱してしまったというのであれば申し訳なかったなとも思います。今まで出てなかった情報ですので、その取扱ということについては迷われた方もきっとおありだと思います。 記者 救急医療体制に関する質問ですが、大阪市の一昨年一年間の救急搬送のうち、20以上の病院に患者の受け入れを要請した、いわゆるたらい回しが100件以上に上っていたという大阪市消防局の調査結果が明らかになりました。20万件のうち100件ということですが、まずこの数字をどのように捉えられているかという事と、大阪市として今後どういった対策がとれるのかということについてよろしいでしょうか。 市長 救急医療体制は大阪市だけの問題ではなくて、全国的な問題になりつつあります。私もその数字は、つい先ほど聞きました。20万件中20回以上電話をした回数が今おっしゃいましたように104件もあると。で、そのうちの90件ほどが21時から午前5時までの間に集中している。やはりこれは、夜間の救急医療体制がすでに手が一杯ということで、それが医師不足ということなんでしょうけども、そういうその救急医療体制の現状を、今のところ大阪市だけの数字しか見ておりませんので、他市との連携でどういう形になっているのか、それをきっちりと見せていただいて、数字をいただいてから判断をしたいと思います。最近の動きを見ていますと、やはりどう考えても、医師不足で、そこへ行政が政策医療としての救急医療体制をどうとれるのか。大阪市は、病院も持っているわけですし。あるいは、民間の病院と協力しながら、人命を守るためのどういったネットワークを作るべきか、ということをやはりもう一度きっちりと、大阪市だけの問題ではなくて、日本の厚生、医療、保健、そういった問題と一緒に議論しないといけないと思います。 20万件のうちの104件という、この数字自体がいいのかどうかという問題ではなく、やはり根本的に、救急でお医者さんにかかりたいという人の思いをどう助けるかという部分ですので、多いか少ないかという問題よりも、医療ネットワークとしてどう支えるかという事を、やはり国にも考えて欲しいと思いますし、大阪市としても周辺自治体と一緒に考えていきたいと思います。 記者 大阪府知事選挙が告示されましたが、市長としてはどういう点に注目しておられるのかという事と、今後、応援に行かれるような可能性はあるのかについてお聞かせください。 市長 今のところ応援予定はございません。当選された方と、どれだけ府市協調ができるのか。大阪府と市とでいろいろ重なっている行政部分をどう住み分けていくのか、あるいはどう協力し合って無駄を無くしていくのか等、前向きに考えられる方と一緒に手をつないで、府市協調を図りたいとは思っています。 記者 具体的に府市協調で考えられる点、こんな点で協調できたらなというのはありますか。 市長 細かい部分で言うと、本当にいろいろあるみたいです。例えば、同じサービスを府と市とで提供しているという部分もあれば、本来ならここは大阪府がやってくれてもいいんじゃないかという部分を、「大阪市は除く」みたいな形で決められていたりとか。かなり広範囲にわたって存在していると思いますので、具体的には個々の案件で話し合っていかなければいけないなという部分はあると思います。 記者 今日、訓練がありましたが、その前に防災に強いまちづくりということが必要だと思うのですが、上町断層の直下型地震の被害想定が大幅に上方修正されまして、災害に強いまちづくりという点では他都市から比べて遅れているという印象があります。今後の取り組み等、お考えがあればお聞かせください。 市長 中央防災会議の被害予想と、それから大阪府と市で出した被害予想とが大幅に違うというご指摘だと思いますが、あれは、私が聞いているところでは、想定震度の目盛というか方眼紙の大きさが違うがゆえに、大きく捉えるとそこが震度6範囲になったり、5弱範囲になったりする。ところがそれを小さく細分化していくと、震度5のところも6のところもあるけれども4のところもあるというところから、震災被害の想定数値が大きく違ったということです。委員長はどちらも立命館大学の土岐先生だったと思います。いずれにしても、想定数値が非常に多いことは間違いないので、その被害をゼロにすることはできないと思いますが、いかに最小限に食い止めるかということで言いますと、生野南で、現在取り組んでいる防災のまちづくりの運動でありますとか、地域コミュニティの人達にいかに自覚を持ってもらい、まず自分が助かり、そしてその隣や向かいに住んでいらっしゃる方を助け、というようなまちの取り組みとか、そういう防災コミュニティをまず作っていかなければいけないだろうと思います。それと、よく言われている環状線の外側にある木造密集家屋の分布図を見たことがあるのですが、大阪市で一生懸命宣伝はしているものの、なかなか周知徹底までいっていない耐震家屋の診断についての助成。助成金がありますので、「自分のところはもう長い間建っているけど大丈夫かな」と思っていらっしゃる方は是非、診断を受けてくださいと。その診断を受けていただいた上で、これはもう建て替えが必要だとか、あるいはベッドルームだけでもちょっと強化してくださいというようなところへの補助の出し方みたいなものも現在検討しています。それは大阪市内各戸に配布しております大阪市の「くらしの便利帳」の最初の40ページぐらいの防災マニュアルにも記してあります。そういうことで、今の規模で一気に防災面を向上させるという部分では、一気に建て替えることもできませんので、地道な努力だなぁと言われるかもしれませんが、やはりまちの中から自分を守るという動きがないと。自助、共助、公助の順番で助かる率が高いと言います。震災はいつ来るか分かりませんが、それに備えていただく心構えと、さらには何か起きた時に、あそこの家に援護が必要な人がいるというような情報の把握等に努めていただきたいと思っています。 記者 一つ前の質問に戻るのですが、府知事選挙に絡んで、民主党推薦の熊谷さんが府市統合を目玉にされていて、市長とも近々お話をしたいとおっしゃったのですが、何かお話をされたのかどうかということと、されてない場合でも、どんなご感想をお持ちかということをお聞かせください。 市長 府市統合はまだ聞いていません。かなり大胆なご提言だと思います。府市統合と言いますか、そこから先にあるものといえば、道州制とかそういう大きな議論になってくるのかなという気はしますが、具体的にはまだお話をしておりませんので。私は今のところは自分の事で手一杯と言いますか、本当にまだ1ヶ月経っていませんが、どうやってこの大阪市を良くしていくのかという部分に今はまだかかりっきりという状況なので、(具体的にお話をする)余裕が無いかなぁという感じです。ただ、統合というのは、自分の中にイメージとして今は無いです。 記者 先ほどの救急搬送の件ですが、今回、この104件という数字が出たことで、市民が不安になったりすると思いますが、市としてどういう対応をとるとか、どういう調査するとか、具体的にどのような取り組みをされる予定なのですか。 市長 これは私も新聞記事から得た情報で、現場の意見をまだ聞いてないので、申し訳ないのですが、小さいお子さんに急に何かが起きると、慌ててすぐ119番されるのですが、すぐ近くのお医者さんで間に合うケースというのも結構あるということです。でも、119番通報があると救急車は出動するわけで、そうした1次救急、2次救急、3次救急と言うのでしょうか、その使い分けをまだまだしていただかないといけない。お医者さんが少ないという現実も日本の国民の皆さんに分かっていただかないといけないし、看護師さんが少ないということも分かっていただかないといけない。そんな中で自分が救急車を呼びたいなという時に、ここで救急車が必要なのかどうかという部分をいったん考えていただくしか、今はないかな。ただし、20回以上電話をかけた件数が104件ということはやはり医療体制が少ない。医療体制の問題として、バックアップ体制も含めて不安に思われるのは仕方がないと思います。それをどう解決するかという事については、それこそ大阪市だけではなく周辺の自治体、あるいは国も含めて考えていかなければならない事だと思うし、そこへ何を足せば、そういう事にならなくて済むのかということを考えないといけないと思います。 記者 知事選の関連では特に応援要請というのは来ていないでしょうか。 市長 ええ、今のところは来ておりません。 記者 まず、ご存知かどうか知りたいのですが、市民団体の方が情報公開請求を環境局にしたところ、不存在の決定になった資料について、実は監査委員会の方からの資料では出ていた。資料があるのに、不存在という通知を出したということが環境局であったようなのですが、市長は何か報告を受けていますか。 市長 まだ聞いていません。 記者 ご存知なければ結構です。 |
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