平成20年2月4日 大阪市長会見要旨 |
【公正職務審査委員会からの勧告を受けて】お集まりいただきましてありがとうございます。 記者 先ほど、「一分の弁解の余地もない」との話でしたが、改めて、今回の件を受けてのご感想をいただけますか。 市長 去年の12月27日に初めて聞いた時には信じられない思いでした。まだこういう類のお金がこういう形で出てくるという事自体にも驚きました。コンプライアンス委員会(公正職務審査委員会)が方針をお決めになったように、他にも同種のものが存在している可能性や恐れがないか、徹底的に秘密裏のうちに法務監察室で調べてくれという關前市長の方針を追認しました。その間、ずっと報告は受けておりまして、コンプライアンス委員会からの勧告を今日の午後すぐに受けるということを今日の午前中に聞き、「あっ、発表のタイミングが来た」と。どうして今日の発表になったかといいますと、やはり秘密裏で調査するということの限界といいますか、まず選挙管理委員会を中心にして考えられる範囲での金庫の中を調査し、その他にも、普段多くの現金を取り扱うようなセクションの調査もしましたが、秘密裏に金庫の中身を調査するということには限界がありますので、ここでいったん公にして徹底的に調査に入るという事を決めました。まだこんなことがあったのかと、一言で言えば、そういうことです。 記者 調査期間と実際に報告があった時期のずれについてはどのようにお考えですか。 市長 具体的に言いますと、いつといつのずれですか。 記者 昨年7月から調査をして、締め切り後に報告があったという事についてです。 市長 これは私にとりましては推測の域を出ません。当時、私はおりませんでしたし。推測ですけれども、締め切りが9月末であったものの、300万円というお金をどういうふうに処置すればいいのかということをずっと迷っていた人から、10月のはじめに報告があがってきたのだと思います。ずっと迷っていたのではないかと思います。記者 発表の時期について、過去のケースで次々と後から出てくることで逆に信頼を失うというケースがあるとおっしゃいましたが、ここで発表したということは、ある程度、次は出てこないと思って発表したということでしょうか。 市長 出てこないということではありません。まず24区の選挙管理委員会の東住吉区以外のすべての金庫の調査に入ってもらいました。そこにはなかった。その後、日頃、現金を取り扱っているようなところの金庫を開けるようにという調査に入り、帳簿と公金として管理されている現金との差があるかどうかというチェックをしました。その結果、今回のような不正な資金という形が見つからなかったのですが、では何故東住吉だけなのかという疑問は私も持っておりますし、このコンプライアンス委員会の先生方もお持ちだと思います。ですので、このタイミングで公表することによって全庁的に、大阪市役所全体として、全て調査するという体制に入ります。これは明日の所属長会議で指示を出しますし、所属長から課長まで一斉に指示を出して、すべてのお金の流れについて、過去のものも含めて調査しなさいという命令を出します。 記者 裏金の作り方が非常に悪質だと思うのですが、それについてどう思われるかということと、告訴されるかということと、処分はどの範囲までお考えかということについてお聞かせいただけますか。 市長 今手元にある資料だけでは、細かいお金の流れというものが確実に把握できておりません。秘密調査でしたので、このお金の流れに関して領収書を提出しなさいとか、そういう事までは出来ていないと聞いています。今後はそういった細かい調査に入っていきますから、公のものとして普通に申請すれば支出できたものをいったんここへプールして出していたのか、あるいはそれ以外のものに使われていたのかという調査がこれからになるわけです。そんな中で実態が浮かびあがってくるわけですから、実態が出てきて、その実態がはっきりした時点でその処分の方向性ももちろん決まりますし、当然、(不適正な手続きによる資金というものは)あってはならないことだったわけですから、処分は考えております。ただし、その処分の量刑とか処分の重さとかは、これから出てくる材料によって当然変わってくると思います。 記者 架空の領収書とか付けていたんですよね。それについてどう思われるかということと、告訴するかどうかについてお聞かせください。 市長 架空の領収書自体が何に使われたのかという部分も含めて、やはりまず調べさせていただきたい。調べる時間が遅いじゃないかではなくて、今までは領収書を出してくださいということも出来ていないので、それを徹底的にやります。告訴という部分で言うと、その返還をしてもらえるものなのかどうかという部分と、完全に違法な使途であった時にそれに対して告訴するのかどうかという話なのですが、告訴する必要があると判断すれば当然告訴しますし、返還を求められるとなれば、返還は求めます。 記者 裏金を作ること自体がそもそも間違いなのではないですか。 市長 はい、それについては私は一切弁護するつもりはございません。例えば選挙に必要なお金であるという支出であっても、それをいったんプールする必要はどこにもないわけです。私が現在聞いている範囲では、選挙などで急にお金が必要になるケースがあるので、それを手元の資金として置いておきたかったという意図もあるという話を聞いております。しかし、本当に必要なお金であれば、個人が立て替えるなり何なりして、後から請求すれば出るものですから。いったんプールしたという時点で、おかしいというふうに言えるので、私はそれを弁護するつもりも擁護するつもりもありません。つまり、善意の使途かどうかではなく、公正な使途に使われたとしても、いったんは不正な形でプールされていたということ自体が問題なのです。そこの部分はきっちりと職員に徹底していきたい。本当に必要なお金は出るようになっているわけですから。ですから、そこのところで事実関係を徹底的に調査するために、今日公表させていただきました。皆さんの目が光っているんだという中で、これから大阪市がさらに襟を正して進まないといけない。使途に不明な点とか不正な点とかあれば、当然監督責任も含めてその責任は追及すべきだと思っています。 記者 当事者としては、手法は間違っていたけれども必要悪であったとか、大阪府があれだけ騒いでいる中で、自分のところは適正な支出もあったのだからというような形で、公務員としてのモラルが徹底しているようには思えないのですが、市長が情報公開を公約の柱とされている中で、市民は今後、市長がどういうふうに変えていってくれるのかということで、具体的な手法で何かお考えあれば教えてください。市長 情報公開室を4月以降に作りたいということで、この間、準備室の立ち上げについて皆さんにも取材をしていただきました。なぜこの件についてすぐに情報を公開しなかったのかという部分については先ほどご説明したとおりです。最初におっしゃった、府庁での不祥事の流れの中で、これが果たして適正なお金の動かし方だと思えるのかという部分では、全く思えません。どうしてこんな使い方や公金の管理の仕方をしなければならないのか。本当に適正な使途であればこんな使い方や管理をする必要はどこにもないわけです。だから、すべてを公開しないといけない。ただ、すべてを公開する前に調査しなければならない事があったというのがこの期間のずれだということを分かっていただきたい。これから先は、明日の朝に緊急会議を開きますので、緊急会議で(調査を)指示して以降、新たな事実が出て、これは今皆さんにお知らせすべきだと思えば、すべて明らかにしていきます。今月中に何らかの結論を出すようにという指示を勧告で頂いていますので、はっきりした形でお出しできるのかどうか、あるいはまだ進行形、調査進行形という形かもしれませんが、今月末にはひとつの形をお出ししたいと思います。 記者 大阪府の時もそうでしたけど、所属長に指示を出して、基本的には調査もされるのでしょうけれど、自己申告に頼らざるを得ないという形でぽろぽろと出てきたという経緯があると思うのですが、そことは何か一線を画すような方法を考えていらっしゃるのでしょうか。 市長 いえ、こればかりは私自身、出てくるかどうかという部分については、ひょっとしたら出てくるかもしれないなと思っています。なぜなら、法務監察室で調査する限界があったわけですから。出てきてほしくないなとは思いますが。本当の意味での「ありませんでした」という形になってほしいと思っておりますけれど、もしあるのならすべての情報を出してほしいと思います。もし出てきた場合には、また皆さんにご報告します。 記者 府庁の時には、「このときに申告しなければ、もう後から見つかった時は懲戒免職だ」というような手法もとっていたかと思うのですが、そういったことはお考えですか。 市長 今おっしゃったような方向も十分に考えなければならない事態だと思っておりますので、関係部局相談の上で方向性はお示ししたいと思っています。例えば時期を切って、あった場合は何月何日までに報告しなさいと。それを過ぎて明るみに出た場合は当然、それぐらいの厳しい処分、最高に厳しい処分が待ち受けているというぐらいの事だと思っています。 記者 今回、ヒアリング調査は平成8年以降の職員しかなさっていないようなのですが、OBまで遡ってヒアリングをされますか。 市長 遡ります。どの時点でどなたがいらっしゃったかっていうのは全部把握できていますので、当然調査させていただきます。 記者 |
では、OBに対して、処分はできないですから、返還を求めるとかはありますか。 市長 その方がこの不適正な使い道に関わっていたという事が証明できれば、当然返還を申し出ることになると思います。 |
![]() |